当社では講義とラボ実習を組み合わせた実践的なハンズオントレーニングを多数ご用意しております。これまでに取り組んだことがない新しい実験系を始めたい方や、基礎から学びなおしたい方、新人研修などにもおすすめしております。コースの一例として、下記のようなものがあります。
分子生物学関連:RNA抽出、クローニング、microRNA、ゲノム編集、マイクロアレイ、キャピラリーシーケンサ、次世代シーケンス
細胞関連:細胞培養、蛍光イメージング、フローサイトメトリー
タンパク質関連:ウェスタンブロット、ELISA
PCR関連:リアルタイムPCR(3コース)、エンドポイントPCR(2コース)
このように、さまざまな実験についてのトレーニングコースをご用意しております。なかでも、PCRに関するものだけで合計5コースも存在し、コース選択に迷われる方もいらっしゃるかもしれません。PCR関連コースは、リアルタイムPCRとエンドポイントPCRに大別でき、以下のような特長があります。
【リアルタイムPCR】
蛍光強度を指標としてDNAの増幅程度をリアルタイムに検出する手法で、遺伝子発現解析や微生物・ウイルスの検出などに利用されています。
【エンドポイントPCR】
DNAを増幅させた後、最後にアガロースゲル電気泳動などでPCR産物の有無や長さを確認する手法で、クローニングやシーケンスの前処理などに利用されています。
この記事では、お客さまにとっての最適なコース選択のためにガイドをさせていただきます。
PCR系ハンズオントレーニングの選び方
まず、5種類のPCR系ハンズオントレーニングを選択するためのフローチャートをご紹介します。
① これから始めるリアルタイムPCRハンズオントレーニング ~ピペット操作練習からの超基本編~
② 基礎からわかるリアルタイムPCR ハンズオントレーニングI ~遺伝子発現の相対定量編~
③ 基礎からわかるリアルタイムPCR ハンズオントレーニングII ~微生物・ウイルスの絶対定量編~
④ これから始めるバイオ実験 ~ピペット操作からPCRまで~
⑤ PCRハンズオントレーニング
コース名が似ていることもあり、少し選択しづらいかもしれません。次に、それぞれのコースの特長をご紹介します。
各コースの特長のご紹介
① これから始めるリアルタイムPCRハンズオントレーニング ~ピペット操作練習からの超基本編~
【こんな方におすすめ】
・ピペット操作が初めての方や、慣れていない方
・リアルタイムPCRをこれから学びたいという方
・基本的な手技から身に着けたい方
【実習内容】
ピペット操作の練習や反応液調製の基本から始まるので、ピペット操作が初めての方でも安心してご参加ください。実際にリアルタイムPCRを実施することでDNAが増幅するかどうか、ターゲット量によって増幅曲線がどのように異なるかを確認していただきます。
② 基礎からわかるリアルタイムPCR ハンズオントレーニングI ~遺伝子発現の相対定量編~
【こんな方におすすめ】
・相対定量実験を始める方
・相対定量の実験系に不安がある方
・リアルタイムPCRをより深く学びたい方
【実習内容】
2つのヒト培養細胞から調製したcDNAをサンプルとして、ΔΔCT法と検量線法により、遺伝子発現の相対定量を実施します。同じサンプルで2つの異なる方法をお試しいただくので、それぞれの方法の特徴を体感しつつご理解いただけます。
③ 基礎からわかるリアルタイムPCR ハンズオントレーニングII ~微生物・ウイルスの絶対定量編~
【こんな方におすすめ】
・絶対定量実験を始める方
・コピー数定量の手技に不安がある方
・リアルタイムPCRをより深く学びたい方
【実習内容】
RNAウイルスを想定するサンプルを使用し、検量線法による絶対定量を実施します。RNAはそのままPCRできないので逆転写反応から始め、コピー数既知サンプルの段階希釈、リアルタイムPCRによるコピー数算出を実施していただきます。
④ これから始めるバイオ実験 ~ピペット操作からPCRまで~
【こんな方におすすめ】
・バイオ実験をこれから始めるので基礎から学びたい方
・周りにバイオ実験をしている人はいるが、とても忙しそうなので気軽に教わりにくい
・PCR実験で安定した結果を出したい方
【実習内容】
ピペット操作の練習や反応液調製の基本から始まるので、ピペット操作が初めての方でも安心してご参加ください。一般的なエンドポイントPCRを実施します。アガロースゲルを自作して、DNAの増幅を電気泳動により確認していただきます。
⑤ PCRハンズオントレーニング
【こんな方におすすめ】
・PCR実験をしていてより深く学びたい方
・プライマー設計の方法を習得したい方
・PCR実験の反応系構築にお悩みの方
【実習内容】
公共データベースやフリーのソフトウエアを利用しつつ、プライマーを設計する方法をご説明します。一般的なエンドポイントPCRからアニーリング温度の最適化など、PCR反応を複数実施します。PCR産物は当社Invitrogen™ E-Gel™プレキャストアガロースゲルを使用して確認していただきます。
まとめ
いかがでしたか。
このブログが、PCR系ハンズオントレーニングのコース選択にお役に立てばうれしく思います。今回ご紹介したコースの他にも、お客さまご要望の内容で実施するカスタムハンズオントレーニングも可能です。RNA抽出など他のコースを組み合わせたり、ご自身のサンプルやプライマーを使用したり、お客さまの状況に合わせた内容をご提供できます。ハンズオントレーニングは当社三田ラボ(東京都港区芝浦四丁目2番8号 住友不動産三田ツインビル東館)にて実施しています。東京から遠方のお客さまや、忙しくてまとまった時間が取れない方には、ご自身でリアルタイムPCRを練習できるセルフトレーニングキットもご用意しております。本ブログ執筆時点(2023年2月)では、相対定量と絶対定量の2つのコースを提供しており、当社スタッフによる講義・実習の説明が含まれる動画付きのプランや、実験データを確認しレポートをお返しするプラン、オンラインで一緒に実習を進めるプランなどからお選びいただけます。
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