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ヒトゲノムなどの複雑なゲノムの大多数の転写産物は、タンパク質をコードしないノンコーディング RNA です(Mattick 2001)。これらのノンコーディング RNA はシンプルなハウスキーピング機能から複雑な調節機能まで、さまざまな細胞機能に関与していると思われます。長鎖ノンコーディング RNA および microRNA(miRNA)は、近年の研究で注目を集めるようになってきています。
ノンコーディング RNA のさまざまなサブクラスの中で microRNA(miRNA)は最もよく特徴付けされています。miRNAは、19 ~ 25 ヌクレオチドの 1 本鎖 RNA で、標的 mRNA の 3' 末端非翻訳領域(UTR)に結合してその翻訳を阻害することにより、転写後に遺伝子発現を調節していると考えられています(Ambros 2004)。最近の実験的証拠からヒトのユニークな miRNA は 800 種類を超えていることが示唆されており(Bentwich 2003)、いくつかの研究グループでは最大 20,000 種類(Okazaki 2002)のノンコーディング RNA が真核細胞の複雑性に寄与していると仮定しています。
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発現プロファイリングの実験計画&実験デザイン
実験を開始するために microRNA と遺伝子発現の関係の解明に用いられる実験のワークフローをご覧ください。
最近のデータによると、哺乳類には良く保存され発現している数千の長鎖ノンコーディング RNA(ncRNA)が存在します。それらの機能はまだわかっていませんが、遺伝子制御、特にエピジェネティック制御において重要な役割を果たしていると考えられています。cDNA およびタイリングアレイ研究から、大部分の哺乳類ゲノムは、多くの場合、二本鎖の両側から転写され、転写産物のオーバーラップやインターレースが生じており、それらの多くは細胞および組織特異的であることが示されています。
転写産物の大部分は、胚性幹細胞、神経幹細胞、筋肉細胞、マクロファージ、および T 細胞、ならびに脳などさまざまな細胞においてダイナミックに発現しており、特異的な部位に見られます。発生および脳機能において重要であることや、がんなどの疾患において発現を攪乱させるというエビデンスが増えてきています。これらの転写産物は哺乳類における遺伝的プログラミングの膨大な未開の地、および分子遺伝学的、分子生物学的、生理学的、および細胞生物学的な研究の新しい分野を示しているように見えます。
Ambros, V. The Functions of Animal microRNAs.Nature.2004 ; 431: 350–355.
Bentwich, I. et al.Identification of Hundreds of Conserved and Nonconserved Human microRNAs.Nature Genetics. 2005; 37: 766–770.
Mattick, J.S.Non-coding RNAs: the Architects of Eukaryotic Complexity.European Molecular Biology Organization Reports.2001; 2(11): 986–991.
Okazaki, Y. et al.Analysis of the Mouse Transcriptome Based on Functional Annotation of 60,770 Full-length cDNAs.Nature.2002 ; 420.
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