ノイズ・バックグラウンド
ベースラインが通常より大きく変動しています。バックグラウンド電気伝導度はいつもと変わりません。何が原因でしょうか?
ノイズの状態によって以下のように原因と対処が異なります。
- 間隔が短い周期的な細かいノイズ
- ポンプ部の不具合が考えられます。まずは圧力変動がないか確認してください。圧力変動があれば気泡抜き、チェックバルブの洗浄などを行ってください。
- 改善しない場合はフィッティング部への気泡混入が考えらえます。ガードカラムから順にフィッティングを外し、送液して液を満たしてから締め付けをおこなうという作業をすべてのフィッティングについて行い、フィッティング部の気泡を追い出してください。
- セルに気泡が入っている可能性があります。メタノールなどの有機溶媒を注入して、セルを洗浄してください。
- 溶離液ジェネレーターを使用している場合は、システム圧力が2000psi以上になるようにバックプレッシャーを調整してください。
- 間隔が長い周期的なベースライン変動(うねり)
- エアコンの風などが直接装置にあたっていないか確認してください。あたっているようであればあたらないように装置を移動する、エアコンの送風角度を変えるなどの処置を行ってください。
- 間隔が短く周期性のないノイズ
- サプレッサーの不具合が考えられます。サプレッサーの背圧が高くないか確認してください(付属のサプレッサーマニュアルを参照してください)
- サプレッサーの予備があれば交換してみてください。
- 不定期にベースラインが変動する(落ち込む/盛り上がる)
- ピークの保持時間が変動する場合はポンプによる溶離液の送液が正常に行われていない可能性があります。圧力をモニターしてベースライン変動と圧力変動に相関があるか確認してください。
- 圧力変動が起きている場合は溶離液の脱気を十分に行ってください。溶離液ボトルの中のチューブの先端にフィルターがついている場合は、フィルターを取り外して様子を見てください。溶離液ボトルが密封された状態になっていると陰圧になりポンプが気泡を吸い込む可能性があります。溶離液ボトルのキャップを緩めて下さい(ボトルをガスで加圧している場合を除く)。溶離液ボトルからポンプの入り口までのチューブがつぶれていたりねじれていたりしないことを確認してください。
- 改善しない場合はチェックバルブの不具合の可能性があります。洗浄・交換を行ってください
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ベースラインが通常より大きく変動しています。バックグラウンド電気伝導度はいつもより高いです。何が原因でしょうか?
以下の対処をおこなってください。
- サプレッサーの劣化
- サプレッサーの劣化の可能性があります。
膜の活性化をおこなってみてください。(詳細はサプレッサー取扱説明書を参照してください。)改善しない場合はサプレッサーの交換が必要です。
- サプレッサー電流値が不適切
- 溶離液濃度、流速に対するサプレッサー電流値が適切な値であるかどうか確認してください。(詳細はサプレッサー取扱説明書を参照してください。)
- CR-ATC(トラップカラム)の劣化
- 溶離液中不純物を除去する目的で使用されているCR-TCカラムの劣化の可能性があります。2年以上もしくは溶離液ジェネレーターカートリッジ(EGC)を2回以上交換された状態で使用している場合は、交換を推奨します。
- セルの故障
- セルに超純水を流してバックグラウンド電気伝導度が1µS以下に下がるか確認してください。下がらない場合はセルが故障している可能性があります。
- 再生液が流れていない(エクスターナルモード、ケミカルモードの場合)
- 再生液がながれていることを排液で確認してください。ストップバルブを使用されている場合は閉まっていないことを確認してください。
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グラジェント勾配に伴いベースララインが上昇します。何が原因でしょうか?
以下の対処をおこなってください。
1.溶離液ジェネレーターシステムを使用の場合
- 水の純度
18MΩ以上の比抵抗であることを確認してください。 - トラップカラム(ATC-3またはCR-ATC)の劣化
トラップカラムを外して、シフトが改善されるようならトラップカラムの汚染が考えられます。
2年以上、または溶離液ジェネレーターカートリッジ2回交換交換されている場合は交換をお薦めします。 - サプレッサーの再生液量の不足
エクスターナルモードでご使用の場合、サプレッサーの再生液量は適切でしょうか?溶離液の2倍以上の再生液量を推奨します。
2.NaOH溶離液の場合
- 水の純度
18MΩ以上の比抵抗であることを確認してください。 - 試薬の純度または劣化
- 水酸化ナトリウム溶離液は空気中に放置すると容易に炭酸を吸収し炭酸塩となり、ベース上昇の要因となります。薄めた溶離液は長期間使用せず、使用の都度調製してください。
- 水酸化ナトリウムは個体からではなく、50%溶液の使用を推奨します。
Fisher 50%NaOH 500mL×2 P/N 080389
精密分析用 50% NaOH
- ATC(トラップカラム)の劣化
ATCを外してみて、シフトが改善されるようなら、ATCの汚染が考えられます。
交換または2mol/LNaOH 100mLで洗浄をおこなってみてください。 - サプレッサーの再生液量の不足
エクスターナルモードでご使用の場合、サプレッサーの再生液量は適切でしょうか?溶離液の2倍以上の再生液量を推奨します。
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糖分析でベースラインがドリフトし、ノイズも大きい。どう対処すればいいでしょうか?
- 酢酸ナトリウムを溶離液に使用されている場合は酢酸ナトリウムの試薬が原因していることがあります。この場合、Fluka製(Cat#71179)の使用をお奨めしています。
- 作用電極(金)か参照電極の劣化の可能性があります。
- 作用電極:電極部分を付属の研磨剤で電極に傷をつけないようにクリーニングしてください。
- 参照電極:電極が灰色がかっていたり、茶色の沈殿物があれば交換が必要です。同様に内部電解液が乾いていないか確認してください。 参照電極の寿命は2年程度です。
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ピーク
保持時間が遅くなりました。何が原因しているのでしょうか?
原因はいくつか考えられます。下記に該当がないかご確認ください。
- 溶離液の調製ミス
溶離液を再調製してください。 - ポンプの流量が不適切
溶離液の設定流量を確認してください。
設定に問題がなければ、カラムの出口から送液量を実測してください。(メスシリンダーなどで1分あたりの吐出量を測ります)問題なければ他の原因が考えられます。
実測量が少ない場合はポンプ流量の校正を実施してください。 - 液漏れ
通常の圧力が出ていることを確認し、圧力が低い場合はどこかに液漏れが無いかご確認ください。 - ポンプの気泡の混入
溶離液の脱気不足か、溶離液ボトルキャップの締め過ぎによる陰圧状態でポンプに気泡がかんでしまった状態が考えられます。キャップを緩め、溶離液の脱気を十分におこなってください。 - 溶離液ジェネレータをご使用の場合
EGC(溶離液ジェネレータカートリッジ)が新品の場合は初期不良か、古い場合は使用期限を超えて使用していないかご確認ください。
EGCを複数の装置でご使用の場合は正常な残量が表示されていない可能性がありますので、ご注意ください。 - CTCトラップカラムをご使用の場合
CTCトラップカラムを長く使用されている場合、内部のスルホン酸基が脱離して分離カラムに吸着し、カラムの保持能力を強くすることがあります。 2年を目安にCTCの交換をお薦めいたします。 - サプレッサーの内部損傷が原因で保持時間が遅くなることがあります。溶離液が再生液ラインに染み出していないか確認してください。
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ピークの保持時間が測定のたびに変わります。何が原因でしょうか?
- 送液量が安定していない。
測定のたびに圧力が変化していないか確認してください。
ポンプ圧力の確認方法
クロマトグラフィースタジオで、ナビゲーションペインの[データ処理] のオブジェクトを右クリックし、[データ監査証跡の表示] をクリックします。
保持時間が0.5minの位置にPressureの項目がありますのでご確認ください。
測定のたびに圧力が変動しているようであれば、ポンプ自体またはその制御系に問題がある可能性があります。弊社テクニカルサポートまでご連絡ください。
テクニカルサポート連絡先 - グラジエントの平衡化時間が違なる。
グラジエントの平衡化時間(初期濃度で溶離液が流れる時間) が異なることで、保持時間が変動する場合があります。
例えば、溶離液ジェネレーターを使用してグラジエント分析を行っている場合、シーケンスの初めの1本目、分析を中断して再開した時、オートサンプラーをシーケンシャル(2チャンネル)で使用している場合など、プログラム上では同じでも、実際の平衡化時間は長くなってしまう場合があります。グラジエントプログラムを変更するなどして平衡化時間が一定になるように調整してください。 - 溶離液の混合がうまくできていない(ICS-3000, 5000, 5000+, 6000の4液グラジエントポンプ使用時)。
電気伝導度の値、電気化学検出器の信号値、pHの値が変化していないか確認してください。
各データ測定開始時の値はChrmeleonの各データの監査証跡で確認できます。監査証跡の確認方法は1)のポンプ圧力の確認方法をご参照ください。
測定のたびに値が変化しているようであれば、4液切り替えバルブに原因がある可能性がありますので、テクニカルサポートまでご連絡ください。
テクニカルサポート連絡先
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保持時間が次第に早くなります。何が原因しているのでしょうか?
カラム汚染による交換容量の喪失(ロス)が考えられます。カラムの洗浄をお勧めします。
カラムの洗浄方法はイオンクロマトグラフ (IC) FAQ > カラム・サプレッサー・EGC・CRD FAQ > カラム > 「カラムの洗浄方法を教えてください。」をご参考ください。
改善しない場合はカラムを交換してください。
このトラブルの再発を防止するため、汚染源を特定する必要があります。カラム汚染は以下のような要因で起こります。
- サンプルからの汚染
サンプル中の汚染物質を除去するカートリッジが多数市販されていますので、これらを使用してみてください。弊社では汚染物質除去用としてOnGuradカートリッジを販売しています。 - 溶離液からの汚染
溶離液ボトルの洗浄、溶離液調製に使用した試薬と超純水の交換を行ってください。
溶離液は継ぎ足さず、測定時に調整したものを使用してください。
超純水が疑わしい場合、異なった純水装置の水を使用するか、市販の超純水を使用してください
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アニオン分析で他成分のピークは正常なのですが、りん酸のピークだけが感度が下がり、形状もテーリングしています。何が原因なのでしょうか?
この問題は金属によるカラムやチューブの汚染が原因です。カラムに金属成分が残留し、りん酸と錯体を形成するためです。
- カラム汚染
シュウ酸によるカラム洗浄をお勧めします。カラムの洗浄方法はイオンクロマトグラフ (IC) FAQ > カラム・サプレッサー・EGC・CRD FAQ > カラム > 「カラムの洗浄方法を教えてください。」をご参考ください。 - サンプルとサンプルを含む溶離液が流れるチューブの汚染
サンプルが流れるラインすべてが金属汚染を受けている可能性があります。サンプルとサンプルを含む溶離液が流れるチューブの交換をお勧めします。
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ピーク形状がよくありません。
標準試料、実際の試料いずれかの症状か、どちらにもみられる症状かお確かめください。
- 標準試料も実試料もピーク形状がよくない場合
- ベッドサポートの詰まり
ガードカラム入口側のベッドサポートを交換してください。
交換方法はイオンクロマトグラフ (IC) FAQ > カラム・サプレッサー・EGC・CRD FAQ > カラム > 「ベッドサポートの交換方法を教えてください。」をご参考ください。 - 圧力の急激な変動によるカラム先端のデッドスペース(空洞)
まずガードカラムを外して確認してください。改善した場合はガードのみ交換します。
改善しない場合は、分離カラムも傷んでいるか、サプレッサーの可能性も考えられます。 - サプレッサーの劣化、液漏れ
サプレッサー再生液ラインの配管をとりはずし、Eluラインからの液漏れ(浸み出し)がないか確認します。液漏れがあれば、サプレッサーの交換してください。
サプレッサーの活性化を行ってください。活性化方法はマニュアルを参考にしてください。改善しない場合はサプレッサーを交換してください。
- 実試料のみピーク形状がよくない場合
- 試料中のトータルイオン濃度が高い(>0.1% 1000ppm)
希釈して測定してください。試料中のトータルイオン濃度が0.1%以下になるまで希釈してください。
導入量を少なくする。
交換容量の大きいカラムを使用する。
各カラムの交換容量や特徴(英文)
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使用開始時と比べ全てのピークにおいて、理論段数が15%程度減少しています。原因は何でしょうか?
多くの原因が考えられますが、以下の点をチェックしてください。
- ベットサポートの詰まり
カラム入り口のベットサポート交換してください。
交換方法はイオンクロマトグラフ (IC) FAQ > カラム・サプレッサー・EGC・CRD FAQ > カラム > 「ベッドサポートの交換方法を教えてください。」をご参考ください。
また同時に樹脂の入り口にヘッドスペース(空洞)がないかを目視で確認してください。もしヘッドスペースができている場合はカラム交換が必要です。 - カラム汚染
カラムを洗浄してください。洗浄時、圧力上昇には十分注意してください。効果が得られない場合はカラムを交換してください。
カラムの洗浄方法はイオンクロマトグラフ (IC) FAQ > カラム・サプレッサー・EGC・CRD FAQ > カラム > 「カラムの洗浄方法を教えてください。」をご参考ください。 - サプレッサーの内部液漏れ
サプレッサー再生液ラインの配管をとりはずし、Eluラインからの液漏れ(浸み出し)がないか確認します。液漏れがみられる場合はサプレッサーを交換してください。 - サプレッサーの汚染
サプレッサーを洗浄してください。効果が得られない場合はサプレッサーを交換してください。
サプレッサーの洗浄方法はマニュアルを参照してください。
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陽イオン分析で2価のMgとCaのみピーク形状がよくありません。
次の3つの原因が考えられます。
- サプレッサーの汚染
サプレッサーを洗浄してください。効果が得られない場合はサプレッサーを交換してください。
サプレッサーの洗浄方法はマニュアルを参照してください。 - 電気伝導度セルの汚染
電気伝導度セルを洗浄してください。
金属汚染の場合は0.1mol/L HCl、有機物汚染の場合はメタノールをシリンジで注入した後、超純水を注入して洗浄します。 - 溶離液の劣化
溶離液を再調製してください。溶離液ジェネレーターを使用している場合はトラップカラムをバイパスし、改善した場合は交換をトラップカラムを交換します。
CR-ATCの洗浄方法はイオンクロマトグラフ (IC) FAQ > カラム・サプレッサー・EGC・CRD FAQ > カラム > 「トラップカラムの洗浄方法を教えてください。」をご参考ください。
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測定中、保持時間が突然遅くなりました。どのよう原因が考えられるでしょうか?
次の3つの原因が考えられます。
- ポンプの気泡がみ
ポンプ圧力を確認してください。
正常時の圧力よりも低下している、あるいは変動が大きい場合はポンプ内部に気泡が混入していることが原因の可能性があります。再度念入りに気泡抜きをおこなってください。 - サプレッサーの内部液漏れ
圧力変動がない場合は、サプレッサー内部で液漏れを起こしている可能性があります。
サプレッサーのRegen IN/OUTポートのフィッティングを外し、ポンプをONにしてみてください。Regenポートから溶離液の流出が見られる場合は内部で漏れを起こしているサインです。(本来はRegnポートからは液は出てきません。)
サプレッサーの交換が必要です。
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簡単にピーク強度をあげる方法はありますか?
試料導入量を多くします。 ピーク強度は試料導入量に比例します。
試料導入量を2倍にすればピーク強度も2倍になります。
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すべてのピーク強度が小さい、またはピークが出ません。
下記の6つの原因が考えられます。
- 試料が注入できていない。
ウォーターディップが正常時と比べて小さくないか、オートサンプラーを使用している場合はインジェクションポートから液があふれていないか確認してください。上記症状が見られる場合は試料送液ラインの逆洗、または交換が必要です。
- トータル電気伝導度が正常時よりかなり大きい、または小さい。
- サプレッサーを使用している場合はサプレッサーが液漏れしていないか確認してください。
液漏れをしている場合はマニュアルを参考に対処してください。 - サプレッサーのRegen Outから液と気泡が交互に流れているか確認してください。
リサイクルモードで使用している場合はセルに詰まりがないか確認してください。エクスターナルモード、ケミカルモードで使用している場合はガス漏れがないか(ガスで送液している場合)、ポンプあるいはICW-3000をご使用の場合は正常に動作しているか、再生液ストップバルブは開いているか、を確認してください。 - 溶離液の調製ミスの可能性があるので、先調整してください。
- 電気化学検出器を使用している場合は作用電極の研磨、セルボディをアルコールでふき取り、参照電極の交換を行ってください。
- セルが詰まっている。
サプレッサーを使用している場合はサプレッサーが液漏れしていないか確認してください。
液漏れをしている場合はマニュアルを参考に対処してください。
- セルのInletとOutletを外します。
- サプレッサーのEluent Inからチューブを外します。
- カラム→セルOutletとなるようチューブをつなぎます。Inletは排液受けに受けます。
- 溶離液を分析時の流量で30分流します。
- 元の配管に戻します。
- CRD(炭酸除去デバイス)を使用している場合はCRDの不具合
CRDを外して分析して確認してください。 - 5.サプレッサーの活性が落ちている。
サプレッサーのマニュアルを参照してを参照してサプレッサーの電解再生または化学再生を行ってください。 - サプレッサー内部で液漏れが生じている。
- ELUENT IN以外のすべてのチューブを外します。
- ポンプをONにします。
- ELUENT OUTからだけ液が出ることを確認します。REGEN INまたはREGEN OUTからも液が出ている場合はサプレッサー内部で液漏れをしている可能性があります。
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分離度が低下しています。何が原因でしょうか。
- 溶離液の問題
溶離液が古かったり、正しく調製されていないと、分解能の低下が見られます。
溶離液の再調製をしてください。 - ピークのテーリング、またはフロンティングの影響
ピーク形状の悪化は、保持時間に影響なくても分解能の低下が見られます。 - カラムの汚染、または劣化
カラムの交換容量の低下により保持時間が短縮し、分解能が低下します。カラムの交換容量の低下は、汚染または劣化により起こります。
カラムの汚染が原因の場合は、カラムを洗浄することで改善することがあります。
カラムを洗浄しても問題が解消しない場合は、カラムの交換が必要です。
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PO4とSO4が分離しません。考えられる原因を教えてください。
溶離液の調整ミスが考えられます。
各カラムごとに推奨されている溶離液濃度に間違いがないか再度ご確認ください。
PO4イオンは多段階に解離するため他のイオンに比べ溶離液pHの影響を受け易い特性があります。
溶離液中の炭酸ナトリウム(Na2CO3)はおもに溶出に寄与し、炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)は溶離液のpH調整に寄与しています(濃度が高いほど溶離液pHが下がります)。つまり炭酸水素ナトリウムの濃度を調整することでPO4の溶出位置を調整することができます。それぞれのカラムに推奨溶離液が定められているのは、PO4の溶出位置をNO3とSO4のちょうど間に調整するためです。
溶離液pHを変化させると、そのpH範囲で解離状態のことなるイオンの保持時間の変化が大きい
カラム:AG22/AS22, 溶離液:4.5mmol/L NaCO3,0-10mmol/L NaHCO3,溶離液流量:1.2mL/min,サプレッサー:ASRS
PO4がSO4と分離が悪い場合には炭酸水素ナトリウムの濃度を下げて溶離液pHを下げることで分離が改善します。
NO3とPO4の分離が悪い時には、炭酸水素ナトリウムの濃度を上げて(溶離液pHを上げる)みてください。
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CIO2とBrO3の分離を改善する方法を教えてください。
AS18カラムがCIO2とBrO3の分離が最も良いカラムです。
溶離液濃度など測定条件を変更してもこれらの分離を改善することは難しく、カラムをAS18に変更することで大幅に改善できます。 AS18はOH系溶離液用のカラムですが、炭酸系溶離液でもご使用いただけます。
15%次亜塩素酸ナトリウム中ClO2-とBrO3-の測定
測定条件
カラム : A)lonPac AG23/AS23、B)IonPac AG18/AS18
溶離液 : A)4.5mM Na2CO3/0.8mM NaHCO3、B)3.75mM Na2CO3/0.1mM NaHCO3
溶離液流量 : 1.0mL/min
サプレッサー : AMMS-300
再生液 : 12.5mmol/L H2SO4
検出器 : 電気伝導度検出器
カラム温度 : 30℃
試料導入量 : 100µL
ポストカラム誘導体化ーUV検出条件
反応液 : A)1.2mM NaNO2、B)1.5mM KBr/0.1mM H2SO4
反応液流量 : A)0.2mL/min、B)0.4mL/min
反応温度 : 40℃
UV測定波長 : 268nm
試料 : 次亜塩素酸ナトリウムを1mg秤り取り、超純水で1Lとし、エチレンジアミン溶液(50mg/mL)2mL添加したもの
ピーク面積(高さ)が除々に上昇します。何が原因でしょうか?
- システムが安定していない
ベースラインがドリフトしている場合は、システムが十分に平衡化されていることを確認します。 - サプレッサーの劣化
サプレッサーが劣化している可能性があります。
サプレッサーの活性化を実施してください。(サプレッサーの取扱説明書をご参照ください。) - 温度の影響
温度が安定していない可能性があります。
溶離液は事前に調製し室温にします。
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ピーク面積(高さ)が除々に減少します。何が原因でしょうか?
- サプレッサーの電流値が適切でない
溶離液の種類や濃度、流速に対して、設定しているサプレッサー電流値が低い可能性があります。
安定化や分析時のプログラムで設定しているサプレッサー電流値が推奨値であることを確認してください。低い場合は推奨値に設定しください。
改善しない場合は1.3倍までを目安に電流値を上げてみてください。 - サンプル濃度が高い
サンプル濃度が0.1%を超えるような場合は、サンプルを希釈してください。 - サプレッサーの汚染
サプレッサーの汚染の原因となる成分(金属や有機物など)が含有している可能性があります。 - 起動あるいは終了方法
サプレッサーの電流値の設定やサンプルの問題でない場合は、立ち上げ、終了方法に問題がある可能性があります。
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ピーク面積(高さ)が不定期にばらつきます。何が原因でしょうか?
- バイアルに入っているサンプル量の問題
バイアルにサンプル量が十分に入っているかを確認してください。 - インジェクトバルブの問題
インジェクトバルブから液漏れしていないかを確認してください。液漏れしている場合は、ローターシールとステーターフェイスを交換してください。 - オートサンプラの問題
オートサンプラのシリンジに気泡が入っていない確認してください。気泡が入っている場合は、気泡抜きをしてください。(詳細はオートサンプラの取扱説明書を参照してください)
シリンジの気泡が原因でない場合は、オートサンプラのメンテナンスを実施してください。(詳細はオートサンプラの取扱説明書を参照してください)
「オートサンプラのニードルの軸ずれ」「オートサンプラのニードルポートからの液漏れ」などを確認してください。
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特定のピークだけが検出されません。何が原因でしょうか?
保持時間が変わったことでピークが検出されていても同定できていないか、汚染によりピークが消失してしまった場合があります。
- 他のピークと重なっている場合や保持時間が変わり同定できていない場合
トータル電気伝導度・ピーク高さ・保持時間を確認してください。
- 溶離液の問題
溶離液を試薬から調製されている場合は調製方法が正しいか、ストック溶液を変更してないかなどを確認し、溶離液を再調製してください。溶離液ジェネレーターを使用している場合はグラジェントプログラムが正しいか確認してください。 - 温度の問題
カラム温度の設定がOFFまたは変更されていないかを確認してください。
問題ない場合は、カラムヒーターまたはカラムオーブンが設定された温度に温まっている(冷えている)かどうか確認してください。
- 汚染により検出されなくなった場合
- サプレッサーの汚染
サプレッサーの取扱説明書を参考にサプレッサーを洗浄してください。 - カラムの汚染
まずはガードカラムを外して確認をしてください。改善しない場合はカラムを洗浄するか交換してください。
カラムの洗浄方法はイオンクロマトグラフ (IC) FAQ > カラム・サプレッサー・EGC・CRD FAQ > カラム > 「カラムの洗浄方法を教えてください。」をご参考ください。
- オートサンプラーからサンプルが注入されていない
バイアルにサンプルが十分に入っていることを確認してください。
バイアルいっぱいにサンプルが入っているとバイアル内が陰圧となってサンプルが吸引されないことがあります。サンプルはバイアルの八分目を目安に入れることをお勧めします。
シリンジの洗浄液ボトルに純水が入っているか、シリンジ内は純水で満たされているか確認してください。シリンジ内に気泡が入っているとサンプルが正確に吸引できません。
オートサンプラーの注入ポートから液漏れがないか確認してください。
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Fの感度低下
はじめにF以外の成分の感度を確認してください。他の成分が正常でFとPO4の感度低下がみられる場合、サプレッサーの汚染が考えられます。
Fはアルミニウムイオンや鉄イオンなどと強く相互作用するイオンです。試料中にアルミニウムイオンが存在やサプレッサーにアルミニウムの汚染があるとFの感度が減少します。このような試料の場合、蒸留してから分析をおこなってください。また、サプレッサーの汚染が考えられる場合は金属汚染による洗浄を試してください。
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PO4の感度低下
はじめにPO4以外の成分の感度を確認してください。他の成分が正常でPO4の感度低下がみられる場合、カラムあるいはサプレッサーの汚染が考えられます。
PO4は遷移金属イオンと強く相互作用する成分です。カラムやサプレッサーに金属汚染があるとPO4の感度が減少します。
金属イオンを大量に含む試料を分析する場合にはOnGuard HやOnGuard Naを用いて試料処理を行ってください。
また、カラムやサプレッサーの汚染が考えられる場合には金属汚染による洗浄を試してください。
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ピークの前や後ろがマイナスに下がります
- サプレッサーの活性が落ちていることが考えられます。サプレッサーのマニュアルを参照してサプレッサーの電解再生または化学再生を行ってください。
- CRD(炭酸除去デバイス)を使用している場合はCRDが原因である可能性があります。CRDを外して分析して確認してください。
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IC-PC 臭素酸
臭素酸分析でピーク強度が小さくなりました。考えられる原因と対処方法を教えてください。
- 試薬の問題
トラブルが発生+A16:A57する直前に試薬メーカーやLotを変更しませんでしたが?
また、反応液は調製後日数が経っていませんか?
試薬メーカーのLotによって感度不良を起こすケースがあります。まずはLotを替えて反応液を再調製してみてください。
また、調製後長期間経過した反応液を使用すると感度が低下することがあります。調製後数日以内のものを使用するようにしてください。 - 反応液が適切に流れていない
反応液が適切に送液されていない可能性があります。反応液ポンプの圧力を確認し、正常時より圧力が低い場合は反応液ポンプの気泡抜きを再度おこなってください。改善されない場合は、パージモードで流速をMAXに上げて数分間送液をおこなってみてください。 - サプレッサーの劣化
サプレッサーを使用されている場合は、サプレッサー内部で液漏れを起こしている可能性があります。サプレッサーを外して確認をしてみてください。 - カラムの汚染
カラムの汚染が影響する場合があります。まずは、ガードカラムを外して測定してみてください。少しでも改善がみられればカラム汚染の可能性があります。カラム交換をお薦めします。 - 配管の汚染
サンプルや反応試薬由来の汚染物質が配管に蓄積し、臭素酸の生成反応を阻害し、感度を低下させることがあります。
このような場合は亜硝酸ナトリウムによる配管洗浄をお勧めします。手順は以下を参照ください。
<亜硝酸洗浄手順>
洗浄液:0.12mol/L 亜硝酸ナトリウム溶液(反応液Aの原液)
反応液ボトルA, B両方に洗浄液を入れて反応液同様に送液します。ボトル、セルを含んだすべての配管を同時に洗浄してください。このとき、溶離液を送液する必要はありませんので、必ず溶離液と反応液Aが混ざるT字コネクタの部分に密栓をして、洗浄液がカラムに逆流しないように注意してください。
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臭素酸分析で以前よりノイズが大きくなりました。対処方法を教えてください。
ノイズの形状によって原因の推測が可能です。
以下を参考に対処してください。
- スパイク状のノイズ
- 反応液ポンプの動作不良
チェックバルブの気泡混入または動作不良が考えられます。チェックバルブの洗浄また交換をお薦めします。 - 反応液の調製方法
調製に超音波洗浄を用いている場合は使用せずに調製してください。また、脱気は減圧ポンプによる吸引脱気をお薦めします。 - 試薬の問題
まれに試薬のLotによりスパイクノイズが発生したケースがあります。試薬のLotを替えてみてください。
- 周期性のある小刻みなノイズ
- 溶離液ポンプの気泡混入
溶離液ポンプの圧力変動と同期していないか確認し、同期していればポンプの気泡抜きを入念におこなってください。 - 反応液ポンプの気泡混入
再度気泡抜きをおこない、パージモードで流速を上げて数分間送液してください。改善しない場合はチェックバルブの洗浄または交換をお薦めします。
- 周期性のない不規則なノイズ
- サプレッサーの劣化
サプレッサーを使用されている場合はサプレッサーを外してカラムから直接ポストカラムに接続して確認してください。
- カラムの汚染
カラムの汚染が影響する場合があります。まずは、ガードカラムを外して測定してみてください。少しでも改善がみられればカラム汚染の可能性があります。カラム交換をお薦めします。 - 配管の汚染
サンプルや反応試薬由来の汚染物質が配管に蓄積し、ノイズを増大させることがあります。
このような場合は亜硝酸ナトリウムによる配管洗浄をお勧めします。手順は以下を参照ください。
<亜硝酸洗浄手順>
洗浄液:0.12mol/L 亜硝酸ナトリウム溶液(反応液Aの原液)
反応液ボトルA,B両方に洗浄液を入れて反応液同様に送液します。ボトル、セルを含んだすべての配管を同時に洗浄してください。このとき、溶離液を送液する必要はありませんので、必ず溶離液と反応液Aが混ざるT字コネクタの部分に密栓をして、洗浄液がカラムに逆流しないように注意してください。
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臭素酸分析の検量線が曲がります。何が原因でしょうか?
- 反応液Aが送液されていない場合
臭素酸の検出は、過剰の酸と臭化物イオン共存下で、臭素酸イオンが三臭化物イオンに生成される原理に基づいています。この三臭化物イオンは非常に不安定なため亜硝酸イオンによってアダクトされています。反応液Aである亜硝酸イオンの供給が不十分な場合にこのような現象が起こることがあります。
反応液Aの送液を確認し、改善しない場合は反応液Aを再調製してください。
- 配管が汚染されている場合
上述の原理で亜硝酸イオンが供給されている場合でも配管などに汚染があると同様の現象がおこります。亜硝酸洗浄を実施してみてください。
<亜硝酸洗浄手順>
洗浄液:0.12mol/LNaNO2亜硝酸ナトリウム溶液(反応液Aの原液)
反応液ボトルA,B両方に洗浄液を入れて反応液同様に送液します。ボトル、セルを含んだすべての配管を同時に洗浄してください。このとき、溶離液を送液する必要がありません。必ず溶離液と反応液Aが混ざるT字コネクタの溶離液が入る部分に密栓をして、洗浄液がカラムに逆流しないように注意してください。
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解決しなかった場合
こちらにもイオンクロマトグラフ (IC) に関するFAQがございます。