近畿大学からの参画を含む国際コンソーシアムにて結腸がんと肺がんを焦点に検証されたマルチプレックス診断薬
同リリースは、Thermo Fisher Scientificが、2015年1 月13日(米国現地時間)に発表したプレスリリースを日本語に翻訳再編集したものとなります。
英文プレスリリースは、こちらをご参照ください。
英文タイトル:Thermo Fisher Scientific Releases New CE-IVD Tumor Panel for Next Generation Sequencing
本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。
2015年1月23日
米国カリフォルニア州サンディエゴ2015年1月13日 - 米Thermo Fisher ScientificはCE-IVD マーキング(CE-IVD認証)を取得した腫瘍遺伝子パネル、CE-IVD Oncomine Solid Tumor DNA kitの欧州連合内での提供を開始ました。本製品は、ホルマリン固定したパラフィン包埋(FFPE)組織を用い、臨床検査室が必要とする質と処理速度にて、次世代シーケンサーをプラットフォームとした高度な精度と信頼性のあるマルチプレックスシーケンスを可能にします。
qPCR(定量PCR)やサンガー法など他の分子診断検査の手法と比較し、次世代シーケンシンス(NGS)では、1回の検査でより幅広い範囲の遺伝子変異を測定することが可能です。CE-IVD Oncomine Solid Tumor DNA kitはIon Torrent AmpliSeqテクノロジーを基盤としており、単一塩基による体細胞変異、 挿入、および欠失をFFPE組織から抽出したわずか10ナノグラムのDNA検体から検出することができます。このテクノロジーは、腫瘍のFFPE組織から得たDNA検体の必要量が少なくて済むため、臨床医たちは一部劣化を含む検体や少量しか採取できない腫瘍組織を用いての分析が可能となり、従来よりも幅広いサンプルから検査報告に使用できる結果を得ることができるようになります。
CE-IVD Oncomine Solid Tumor DNA kitは近畿大学医学部ゲノム生物学教室の西尾和人教授を含む、米国、欧州そして日本にまたがる結腸がんや肺がんを専門とする臨床医によって構成されたOncoNetwork Consortiumのメンバーによって検証されています。本製品は欧州連合内での体外診断薬としてのCE-IVD認証を受けており、NGSテクノロジーを用いた解析によって、がん関連遺伝子領域 に存在する、ヒト体細胞の変異(欠失、挿入、逆位、および置換)部位を特定します。
OncoNetworkの一員であり、イタリア、アヴェッリーノのCentro Ricerche Oncologiche Mercogliano 薬理ゲノム研究室長であるニコラ・ノルマノ氏は、「このCE-IVD Oncomine Solid Tumor DNA kitにより、結腸がんと肺がんに関与しうる遺伝子の突然変異を、臨床検査室が必要とする高い処理速度でスクリーニングできるようになりました」と述べています。
アイルランド、ダブリンのトリニティ・カレッジのオーラ・シールス教授は、「CE-IVD Oncomine Solid Tumor DNA kitの提供開始は、得られた検査結果の評価に必要な院内での検証作業を大幅に削減し、結腸がんと肺がんに関連した遺伝子変異のスクリーニングを高い精度と再現性で可能にすることで臨床サービスの提供に大きな進歩をもたらします」と述べています。
Thermo Fisher Scientific, Life Science Solutions部門プレジデントであるマーク・スティーブンソンは「CE-IVD Oncology Solid Tumor DNA kitの開発と欧州連合内での商業化は、地域ごとの規制に則しながらお客様のオンコロジー領域での臨床ケアの進歩を支援する、当社の継続的な取り組みを象徴しています。医薬品企業と先進的な臨床検査室からの参画を併せ持つThermo Fisher Scientificのオンコロジー・コンソーシアムとのパートナーシップによって、臨床分野のお客様とその患者さんたちのニーズに応える、規制に即したオンコロジー領域におけるNGS製品とサービスの提供を拡大していきたいと考えています」と述べています。
i EGFR、 ALK、 ERBB2、 ERBB4、 FGFR1、 FGFR2、 FGFR3、 MET、 DDR2、 KRAS、 PIK3CA、BRAF、 AKT1、 PTENNRAS、 MAP2K1、 STK11、 NOTCH1、 CTNNB1、 SMAD4、 FBXW7、 TP53
OncoNetworkについて
OncoNetwork Consortiumは以下の研究者により構成されています(敬称略、順不同)
ピエール・ロラン-プイグ氏(パリ第5大学、フランス、パリ)、セシリー・ヴォーン氏(ARUP- Institute for Clinical and Experimental Pathology、米国ユタ州)、ルドヴィック・ラクロワ氏(Institut Gustave Roussy、フランス、パリ)、 マージョリン・リーテンバーグ氏、バスチアーン・トップス氏(両者ともにラドバウド大学ニーメンゲン医療センター、オランダ)、クリス・ノッペン氏、ヘンリエッタ・クルト氏(両者ともにVIOLLIER AG、スイス、バーゼル)、ニコラ・ノルマノ(Centro Ricerche Oncologiche Mercogliano、イタリア、アッヴェリーノ)、アルド・スカルパ氏(ARC-NETベローナ大学、イタリア)、イアン・クリー氏 (ウォーウィック大学医学部、英国)、オーラ・シールス氏(トリニティ・カレッジ、アイルランド ダブリン)、ホセ・カルロス・マチャド氏(クイーンズ大学、カナダ、オンタリオ州)、ホセ・コスタ氏(IPATIMUP Medical Faculty of Porto、ポルトガル)、西尾和人氏(近畿大学医学部、日本、大阪)
Thermo Fisher Scientific (www.thermofisher.com) について
Thermo Fisher Scientific Inc. (NYSE:TMO) は、170億ドルの収益と世界50 ヵ国に 50,000 人の従業員を擁する、世界をリードする科学サービス企業です。私たちのミッションは、私たちの住む世界を「より健康で、より清潔な、より安全な場所」にするために、お客様へ製品・サービスを提供することです。私たちはお客様がライフサイエンス研究をさらに加速させ、分析における複雑な課題を解決し、臨床診断を向上させ、研究室の生産性を高めることを支援します。当社の 4 つの強力なブランド、Thermo Scientific、Life Technologies、Fisher Scientific、Unity Lab Servicesは、革新的な技術、購入における利便性、包括的なサポートについて、他に類を見ない組み合わせをご提供します。
この件に関する報道関係者お問い合わせ先:
サーモフィッシャーサイエンティフィック
ライフサイエンスソリューションズ
井川 敦子
03-6832-9446
atsuko.igawa@thermofisher.com