本リリースは、Thermo Fisher Scientificが、2018年4月16日(米国現地時間)に発表したプレスリリースを日本語に翻訳再編集したものです。
英文プレスリリースは、
http://thermofisher.mediaroom.com/2018-04-16-Thermo-Fisher-Scientific-Launches-Oncomine-Childhood-Cancer-Research-Assay-and-Establishes-International-Childhood-Oncology-Network をご参照ください。
英文タイトル: Thermo Fisher Scientific Launches Oncomine Childhood Cancer Research Assay and Establishes International Childhood Oncology Network
本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。
プレスリリース
2018年5月10日
サーモフィッシャーサイエンティフィック ジャパングループ
報道関係各位
サーモフィッシャーサイエンティフィック、
遺伝子パネルOncomine Childhood Cancer Research Assayを提供開始、
国際小児がんネットワークを確立
米国イリノイ州シカゴ(米国現地時間2018年4月16日) - 今年米国で生まれた子供の285人のうち1人は、20歳の誕生日より前にがんと診断されると考えられています1。しかし、最近まで、病気を適切に管理するための、がんを引き起こす遺伝的変化に関する知見が不足していました。Thermo Fisher Scientific(サーモフィッシャーサイエンティフィック、以下サーモフィッシャー)は、このグローバル規模での課題に取り組むために、国際小児がんネットワーク(International Childhood Oncology Network、以下ICON)の確立と、小児および若年成人がんに関連する突然変異を対象にロサンゼルス小児病院と共同開発した、包括的な次世代シーケンシング(以下NGS)パネルであるOncomine Childhood Cancer Research Assayの提供開始を発表しました。
サーモフィッシャーのICONは、小児および若年成人がんへの深い理解を促進するために、データ、ベストプラクティスおよび実験プロトコルなどの共有を通じて、連携している学術研究から臨床研究に至る研究者が、グローバル規模でコミュニティーを発展させるための支援ツールです。ICONの会員は登録手続きを行うことで、ネットワークメンバーがICONデータベースにアップロードしたデータセットへのアクセスが可能になります。
過去において小児および若年成人がんの高頻発変異の研究は、成人型疾患研究に後れを取っていたため、患者のためのコミュニティーは不十分なものでした。しかし、若年がん患者のゲノム突然変異のプロファイリングを目的とした近年の取り組みは、固有の高頻発体細胞変異を大規模に同定することに貢献し、成人型疾患との根本的な違いを明らかにしました。成人がんは一般的に、時間とともに蓄積する突然変異を有するがん腫ですが、小児がんはほとんどの場合、胚または神経外胚葉を起源とし、主として融合遺伝子に起因します。
これらの腫瘍サンプルの包括的な分析を可能にするために、サーモフィッシャーの新しいOncomine Childhood Cancer Research Assayは、特定の突然変異、遺伝子増幅および融合遺伝子を1つのパネルに組み込んでいます。有力な科学者および小児がん研究者によって設計されたこのアッセイは、シームレスなNGSワークフローを使用して、2つのDNAおよび2つのRNAプールからなる203個の固有遺伝子および1,700個の融合転写物を解析することが可能となります。
ロサンゼルス小児病院の医学博士でパーソナライズドメディカルセンター共同ダイレクターであるティモシー・J・トリッシュ(Timothy J. Triche)氏は次のように述べています。「Oncomine Childhood Cancer Research Assayは、小児がんにおいては不可欠なRNA融合遺伝子とDNA変異を同時に検出する、あらゆる小児がんのために設計された初めての、非常に重要なパネルです。そしてICONにより、会員メンバーが小児がんの臨床研究を推進するためにさらなるデータを収集したり、経験を共有したりできることを、とても楽しみにしています」
Oncomine Childhood Cancer Research Assayは、ライブラリの自動調製と増幅のためのIon Chefシステム、ダウンストリームのバイオインフォマティクスとレポート作成のための新しいIon GeneStudio S5システムと、サーモフィッシャーのIon Reporterとを統合的に活用できるように設計されています。
「小児がんを引き起こす遺伝子異常は、成人のがんとは大きく異なりますが、研究者が試料を分析するために包括的なアプローチで評価できるように設計された適切なツールは、従来の手法では不十分でした。私たちは、Oncomine Childhood Cancer Research Assayを、腫瘍由来のサンプルや保存されたホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)腫瘍組織にも使用することで、このアッセイが大変使いやすく、迅速かつ確実な結果を提供し、腫瘍細胞に対する標的因子との関係性をも迅速に評価できることを明らかにしました。このまったく新しいアッセイは、さまざまな研究課題を解決し、当研究室での研究を加速させることに役立ちます」と、カナダバンクーバーのBC小児病院の小児がんおよび血液研究グループの共同責任者であるクリス・マクスウェル(Chris Maxwell)博士は述べています。
サーモフィッシャーサイエンティフィックのクリニカル次世代シーケンシング・オンコロジー事業本部プレジデントであるジョイディープ・ゴスワミ(Joydeep Goswami)は次のように述べています。「強固なコラボレーションと最先端の技術を駆使することで、科学コミュニティーは小児がんにおける真の改革とより深い理解へと加速することができるでしょう。小児病院と提携して、Oncomine Childhood Cancer Research Assayを開発できたことを喜ばしく思います。ICONの設立により、研究コミュニティーにおけるコラボレーションをさらに支援し、促進したいと考えています」
1 https://www.acco.org/us-childhood-cancer-statistics/
サーモフィッシャーサイエンティフィック インコーポレイテッドについて
サーモフィッシャーサイエンティフィック インコーポレイテッド(本社:米国マサチューセッツ州ウォルサム、NYSE:TMO)は、200億ドルの収益と世界中に70,000人を超える従業員を擁する、世界をリードする科学サービス企業です。私たちのミッションは、私たちの住む世界を「より健康で、より清潔、より安全な場所」にするために、お客様に製品・サービスを提供することです。私たちはお客様がライフサイエンス研究をさらに加速させ、分析における複雑な課題を解決し、臨床診断を向上させ、医薬品を市場に提供し、研究室の生産性を高めることを支援します。当社の強力なブランドである、Thermo Scientific、Applied Biosystems、Invitrogen、Fisher Scientific、Unity Lab Servicesブランドは、革新的な技術、購入における利便性、包括的なサービスについて、他に類を見ない組み合わせを提供します。
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