お知らせ

セルリソーシズ株式会社とCAR-T細胞の製造技術開発を支援する契約を締結

2024年9月9日
サーモフィッシャーサイエンティフィック
バイオサイエンスビジネス

 

 サーモフィッシャーサイエンティフィックのバイオサイエンスビジネス(以下、サーモフィッシャー)は、日本国内における遺伝子治療の産業化に貢献するために、CDMOサービスを展開するセルリソーシズ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役:有田孝太郎、以下、セルリソーシズ)とCAR-T細胞の製造技術開発を支援する契約(以下、本契約)を2024年7月18日に締結したことをお知らせいたします。

 

 細胞医療や遺伝子治療は、難治性疾患や希少疾患に対する新たな治療法として注目されています。中でも、T細胞の遺伝子を改変することでがん治療を行うCAR-T細胞療法は、その奏効率の高さから医薬品として承認数が増加し、セカンドラインでの適応拡大も進んでいます。一方で、CAR-T細胞を医薬品として開発し製造を担う国内人材が不足していることが、画期的な治療法の開発や製造の妨げになっています。そのため、専門性の高い最新技術を学び、手法を習得するためのトレーニングの場の提供が必要とされています。

 

 サーモフィッシャーはこれまで、細胞製造に用いる培地や試薬といった補助材料の提供に加え、近年では自動化を可能にする装置の開発にも注力し、製造ワークフロー全体での手法を開発してきました。また、セルリソーシズは、アルフレッサ ホールディングス株式会社の子会社として、細胞医療の細胞ソースの提供やCDMOサービスの構築を開始し、国内の細胞医療や遺伝子治療の発展に貢献することを目指しています。

 

 この度の契約を通じて、セルリソーシズは、サーモフィッシャーが2022年10月にシンガポールに開設したセルセラピー・コラボレーション・センターにおける協力支援プログラム*を活用し、体系化されたCAR-T細胞の製造ノウハウや最新機器の操作を早期に習得することで、CDMOサービスをさらに拡充することができます。

 

 日本国内において、細胞医療や遺伝子治療技術の産業化に向けて、CDMOサービスの活用が求められています。サーモフィッシャーは本契約を通じて、日本国内におけるCDMOサービスの拡充を支援し、より多くの患者さんが可能な限り早期に、画期的な細胞医療や遺伝子治療にアクセスできる社会の実現に貢献します。

 

*セルセラピー・コラボレーション・センターにおける協力支援プログラム
 サーモフィッシャーのセルセラピー・コラボレーション・センター(シンガポール)にて提供している、細胞治療に関する協力支援プログラムを指します。主に以下のようなサービスを提供しています。

  • サーモフィッシャーのテクニカルエキスパートによるプロトコル開発およびプロセスの最適化
  • 臨床応用へ迅速に移行するための製品に応じたレギュラトリーサポート
  • 実用化に向けた製品選択やプロセスのスケールアップ、サプライチェーンの計画、リスク低減など継続的なサポート

 詳細は、2023年3月27日配信プレスリリース「サーモフィッシャーサイエンティフィック、アジア太平洋地域での細胞治療開発の加速に向けて、シンガポールにて協力支援プログラムを開始」をご参照ください。
https://www.thermofisher.com/jp/ja/home/about-us/news-gallery/release/2023/pr032723.html

以上