化学のバーチャル教育

遠隔地からFT-IRなど装置技術の基礎を学生に教えることは可能ですか?答えは「Yes」です。

Thermo Scientific Nicolet Summit FT-IR分光光度計は、高度な接続機能と新しいソフトウェアで設計されており、完全なリモート分析を可能にします。学生は、化学ラボラトリーへ足を運ぶ必要がなく、実際のスペクトルデータを収集、処理、分析できます。

FT-IRバーチャルラボラトリーには、FT-IR分光法の基礎を学部で化学の学生に教えるのに役立つ3つの学習モジュールが含まれています。ソフトウェアワークフローとオンライン分析ツールにより、いつでもどこでも、どのようなデバイスからでも実行できる収集と処理のステップを学習できます。

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Summit分光光度計を使用してFT-IRの基礎を学生に教えましょう。ここから始めましょう

Summit分光光度計をお持ちでない場合は、ご連絡ください


学習モジュール1:収集パラメーターの基礎

Learning module 1

FT-IR分光光度計には、スペクトルを最適化するために複数の変更可能なデータ収集パラメーターが含まれています。このモジュールでは、スキャン回数や分解能など、収集パラメーターを変更した場合の影響について学習します。収集パラメーターがシグナル対ノイズ比およびピーク分解能に与える影響をご覧ください。

学習モジュールの目標:スキャン回数やスペクトル分解能など測定パラメーターの変更でスペクトルデータに生じる影響を理解すること。

モジュール1で実施する質問と観察事項:

S/N比

  • 3つのノイズスペクトルの相対ノイズ強度について、どのようなことに気づきましたか?ノイズの多い順にランク付けしてください。
  • ノイズの減少はスキャン回数に正確に比例しますか?説明してください。
  • スペクトルのノイズを1/3に抑えるには、いくつの追加スキャンを収集する必要がありますか?
  • ノイズの少ないデータの利点は何ですか?「コスト」とは何ですか?
  • スキャン回数を増やす以外に、スペクトルノイズを低減させるための他の方法は何ですか?

分解能

  • 分解能はスペクトル特性にどのような影響を与えますか?
  • 分解能が向上すると、すべてのスペクトル特性に影響しますか?それとも、一部にすぎませんか?
  • 高分解能の利点は何ですか?すべての試料を高分解能で測定しますか?
  • 固体、液体、またはガス分析では、より高い分解能が重要となりますか?それはなぜですか?
  • 高分解能データの収集に時間がかかるのはなぜですか?

学習モジュール2:ポリマー材料解析

Learning module 2

学生は、ピーク位置、ピーク高さ、官能基IDなどすべての重要な解析スキルを習得できます。ポリマー材料解析モジュールでは、装置に内蔵されたポリスチレン標準を使用して、高品質のポリスチレンスペクトルを迅速に収集します。その後、基本的なFT-IR処理および解析手順を実施し、ポリスチレンスペクトルとその化学構造を関連付けます。

学習モジュールの目標:スペクトルのピーク位置をポリスチレンの化学構造や官能基と関連付け、ピーク高さとピーク面積の重要性を説明すること。

モジュール2で実施する質問と観察事項:

  • ポリスチレンの化学構造には、どのような主要官能基が存在しますか?各官能基とそれに対応するピーク位置をリストしてください。
  • 2つの注釈付きピーク領域の違いを説明してください。一方の領域が他方の領域よりも大きいのはなぜですか?それは何を意味しますか?
  • 2つの注釈付きピーク高さの違いを説明します。1つの高さが他の高さよりも大きいのはなぜですか?それは何を意味しますか?
  • 3,000 cm-1付近に2つのCH伸縮ピーク位置があるのはなぜですか?それらすべてがCH伸縮ピークの場合、若干異なる位置になるのはなぜですか?

学習モジュール3:ATR分析

Learning module 3

今日のほとんどのFT-IR分光装置では、全反射法(ATR法)アクセサリーが使用されます。ATR法アクセサリーを介してデータを収集すると、ピーク強度が根本的に変化し、スペクトルライブラリの検索結果に影響を及ぼす可能性があります。このモジュールでは、透過スペクトルとATRスペクトルの違いを明確に示し、ライブラリ検索や材料同定に与える影響も明らかにします。

学習モジュールの目標:ATR分析によりスペクトルの相対ピーク強度が変化する理由を理解し、ATR補正がスペクトルライブラリ検索に与える影響を調査すること。

モジュール3で実施する質問と観察事項:

  • ATR補正による相対ピーク強度の変化について説明してください。スペクトルをATRで収集する場合と透過モードで収集する場合に、ピーク高さがどのくらい高くなり、どれが減少するでしょうか?
  • ATRアクセサリーを使用してスペクトルを収集すると、相対ピーク強度が変化するのはなぜですか?(ヒント:ATR侵入深さの式を考慮してください)
  • OMNIC Anywhereレポートから、ATR補正が適用されるスペクトルを特定してください。ライブラリのマッチ率はどのくらい改善されましたか?
  • ATRスペクトルを透過ベースのスペクトルライブラリと比較する前に補正することが重要なのはなぜですか?ATR補正を行わずに、他にどのような方法でライブラリの整合性を高めることができるでしょうか?

バーチャル・ラボラトリーを開始しますか?

開始する前に、下記の資料をダウンロードしてください。

  1. リモート操作用に装置を構成するには、「FT-IRバーチャル・ラボラトリーのセットアップ手順」をお読みください。
  2. FT-IRバーチャル・ラボラトリーフォルダー学習モジュールワークフロー」をダウンロードしてください(zipフォルダー)
OMNIC Anywhere

セットアップでは、教授と各学生が無料の「Thermo Fisher Connect」アカウントを作成し、FT-IRバーチャル・ラボラトリーのデータにアクセスして分析する必要があります。装置に搭載されているThermo Scientific OMNIC Paradigmソフトウェアによって、効率よくデータ収集を行うことができます。OMNIC Anywhereクラウドベースソフトウェアによって、学生はどこにいても個別にデータ分析を行うことができます。。

リソース