Search Thermo Fisher Scientific
Search Thermo Fisher Scientific
ビオチンは様々な生物学的反応における補酵素であり、アビジンとの強力な結合親和性に基づいて、標識目的で抗体や酵素へ結合しています。
標的抗原の検出を強化するために、一般にIHCにおいてアビジン-ビオチン複合体法が利用されています。この手法では遊離アビジンや標識アビジンを使用するため、アビジンの内因性ビオチンへの結合によって内因性ビオチンの豊富な組織(肝臓、乳腺、脂肪組織、腎臓など)が高バックグラウンド染色を示す可能性があります(Dakshinamurti, K. ら、1963年)。一般に内在性アビジン活性は、クリオスタット切片中に顕著に見られます。
アビジン-ビオチン複合体のIHC検出システムの場合、標的抗原だけでなく内因性ビオチンまで認識されるのを防ぐため、内因性ビオチンをブロックする必要があります。以下の基本手順で実行してください:
最終的に全ての内因性ビオチンがアビジンに結合して、各アビジン分子上の全てのビオチン結合部位の充填が完了します。HIERによりサンプル中に検出され得る内因性ビオチンレベルが上昇し得るため、上昇したビオチン検出から偽陽性の可能性を下げるために陰性対照サンプルもHIERに適用させる必要があります。
アビジンは高度にグリコシル化されており、アビジン炭水化物が組織中の糖結合レクチンに結合することによってバックグラウンドシグナルが上昇することがあります。アビジン炭水化物の類似体を使用して組織サンプル上の結合部位を飽和させれば、この相互作用を阻止できます(Naritoku, W.Y.ら.、1982年).またアビジンを非グリコシル化のストレプトアビジンまたは脱グリコシル化のアビジンであるNeutrAvidin タンパク質に置換すれば、この相互作用を排除することが可能です。
ペルオキシダーゼ[一般に西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)]は、IHCによる標的抗原の検出レポーターとして一般的に使用されています。この染色法の最終解析は、細胞や組織中の内因性ペルオキシダーゼやペルオキシダーゼ様活性の存在によって複雑化します。内因性ペルオキシダーゼが過酸化水素と反応して、3,3'-ジアミノベンジジン(DAB)基質またはペルオキシダーゼ基質が還元されます。その結果、組織が非特異的に染色されます。
内因性ペルオキシダーゼ活性の存在を確認するには、固定組織をDABなどのペルオキシダーゼ基質に反応させる必要があります。この処理により組織中に形成される着色沈殿物は、内因性活性を示します。組織がペルオキシダーゼ活性に富んでいる場合、ウシ腸アルカリホスファターゼ(AP)などの代替的な酵素標識の使用が可能です。
組織固定後に内因性ペルオキシダーゼ活性を阻害/破壊するために、いくつかの手法が考案されています。最も一般的な試薬は、3% H2O2 (inmethanol or water) です(Streefkerk, J.G.ら.、1972年) ただし、ペルオキシダーゼ活性を高効率でクエンチさせるペルオキシダーゼ抑制因子も販売されています。ペルオキシダーゼ抑制因子による一次抗体の免疫反応性への干渉を完全に防ぐために、一次抗体とのインキュベーション後で、ペルオキシダーゼ複合体とのインキュベーション前に抑制剤を適用してください(Fink, B. ら.、 1979年)。
ホスファターゼによって細胞基質上のリン酸基が加水分解されます。またIHCの検出レポーターとしては、一般にウシ腸アルカリホスファターゼ(AP)が使用されます。内因性ホスファターゼがIHC基質[ニトロブルーテトラゾリウムクロライド(NBT)と5-ブロモ-4-クロロ-3-インドリルリン酸(BCIP)の組み合わせ]と反応する結果、非特異的な染色が起こる可能性があります。
内因性ホスファターゼのクエンチが必要か否かについては、NBT/BCIPを用いてペルオキシダーゼの試験と類似した方法で判定が行えます。クエンチが必要な場合、一次抗体と二次抗体のインキュベーションステップの間にホスファターゼ阻害剤レバミゾールを添加すれば内因性ホスファターゼ活性を阻害できます。
For Research Use Only. Not for use in diagnostic procedures.