タンパク質特異的な官能基を検出するので、各タンパク質アッセイによってそれぞれ異なります。一部のアッセイ法ではペプチド結合の検出を行いますが、ペプチド結合の検出にのみ特化したアッセイ法は存在しません。むしろ各タンパク質アッセイには、他アッセイよりも高感度に検出できるアミノ酸が1種~数種あります。そのため、アミノ酸組成のそれぞれ異なるタンパク質は、所定タンパク質アッセイでの測定速度や感度も互いに異なります。

Thermo Scientific Pierce Protein Assays数種類の色素応答におけるタンパク質間変動について、以下の比較表をご覧ください。タンパク質サンプル間の変動を評価する際の一般指針として、表中のデータをご利用ください。しかし単一のタンパク質濃度/バッファを用いて比較を行っているため、正確なキャリブレーション因子として表中データを使用することはできません。

タンパク質スタンダードを選択する際に、以下の変動情報データは有益です。例えばアッセイ対象のサンプルが精製抗体である場合、ウシガンマグロブリン(BGG、タンパク質 #5)は、スタンダード物質としてウシ血清アルブミン(BSA、タンパク質 #1)よりも精度が高くなります。このデータからも判るように、タンパク質アッセイ結果は、適用したアッセイスタンダードの種類が重要です。

各Thermo Scientific Pierce Protein Assaysにおけるタンパク質間変動

各タンパク質アッセイについて、標準プロトコルに従い14種類のタンパク質をアッセイしました。各タンパク質の実測(ブランク補正)吸光度の平均値を算出しました。各タンパク質の吸光度は、 BSAの吸光度に対する比率で表されます(例:比率が0.80である場合、BSAの等価質量に対する発色の80%がタンパク質によって生成されたことを意味します)。タンパク質濃度は、全て1000 µg/mLに設定しました(ただし、マイクロBCAアッセイのみ10 µg/mLを適用)。

結果BCA
(注1)
マイクロ
BCA
Modified
ローリー法
Coomassie
Plus
Coomassie
(Bradford)
Pierce
660nm
相対的均一性低 (注2)
変動係数14.7%11.4%11.9%28.8%38.2%37%
標準偏差0.150.120.130.210.260.27
平均比率1.021.051.090.730.680.74
試験タンパク質^^^^^^
1.アルブミン、ウシ血清1.001.001.001.001.001.00
2.Aldolase、ウサギ筋0.850.800.940.740.760.83
3.alpha-Chymotrypsinogen1.140.991.170.520.48
4.CytochromeC、ウマ心臓0.831.110.941.031.071.22
5.Gamma Globulin、ウシ1.110.951.140.580.560.51
6.ウシIgG1.211.121.290.630.58
7.ヒトIgG1.091.031.130.660.630.57
8.マウスIgG1.181.231.200.620.590.48
9.ウサギIgG1.121.121.190.430.370.38
10.ヒツジIgG1.171.141.280.570.53
11.インスリン、ウシ膵臓1.081.221.120.670.600.81
12.ミオグロビン、ウマ心臓0.740.920.901.151.191.18
13.Ovaalbumin0.931.081.020.680.320.54
14.Transferrin、ヒト0.890.980.920.900.840.8
15. a-Lactalbumin0.82
16.リゾチーム0.79
17.Trypsin inhibitor、soybean0.38
訳注:
1.BCA - Reducing Agent Compatible (BCA-RAC) アッセイにおいても、低い変動係数が得られます。
2.当社のCoomassie (Bradford) Assayで用いた同じタンパク質を用いて試験したBio-Rad Bradford Protein Assayは、極めて高い変動係数(46%)が得られました。

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