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byDouglas A. Hayworth, Ph.D.; Greg T. Hermanson, B.S. - 03/03/14
タンパク質学について私達が知る限りでは、タンパク質とアフィニティーリガンドの固定化には、様々なクロマトグラフィー樹脂やビーズ、膜、プラスチックまた他の固形または多孔性材料がなければ不可能です。これらのツールおよび方法は研究の主要な目的ではなく、むしろ完了のための手段であるため、研究者はプロセスに用いる相対分子、高分子および物理的なスケールについて見落としがちです。タンパク質精製および検出のベースとなる化学反応の研究者達は、スケールについて誤った認識をしてしまいがちです。例えば、次の図(図1)は、抗体の固定化における化学反応について参考になりますが、同時に、反応内の構成要素の相対的寸法について大きな誤解を招いています。
固定化メカニズムの主な特徴を示すために、官能基とビーズ状の担体を圧縮していますが、実際の官能基の分子サイズは6桁近くあります。(表1)。図2は、低ナノメートル領域の直径を有する高分子を用いて処理する場合の正確なサイズを表しており、ミクロン領域の直径を有する多孔質樹脂と比較できます。この図では、個々の官能基や原子は見えません。固定化された高分子の約百分の一の大きさしかないからです。
グループ | サイズ (直径または長さ) | 桁 |
---|---|---|
アガロースビーズ† | 45 ~165µm (100µm) | 10-4 meters |
タンパク質 (抗体) | 10 ~12nm (11nm) | 10-8 meters |
化学結合 (C-N) | 0.13~0.15nm (0.14nm) | 10-10 meters |
†アフィニティー担体生成のビーズ状アガロースの基準およびソースは、GE HealthcareのSepharose™ 4B 、 6B 、CL4BおよびCL6B培地でした。いくつかのメーカーは現在、同様の樹脂を生産しています。 |
図2。 アガロースビーズおよび抗体(タンパク質)の相対的なサイズについての図。
この図と対比して、リガンドのロードおよび結合性能を示す実際のスペックがあり、調製アフィニティー樹脂に対する固定化リガンドやタンパク質の濃度を示しています。通常これらは、アガロース樹脂のミリリットル(mL)あたりのリガンドの結合量(milligrams、mg)またはリガンドの結合濃度(micromoles、µmolまたはnanomoles、nmolの場合もあります)として表されます(表2 )。
値は製品のクレームやテストスペックで、1mLのアフィニティーカラムへの充填と同様、ビーズのミリリットル当たりの値で示されています。詳細はそれぞれの製品ページを参照ください。
Thermo Scientific製品 | リガンドロード | 結合またはカップリング性能 |
---|---|---|
AminoLink Plus Coupling Resin | 未報告 | 1~20mgの抗体 (IgG) |
NHS-Activated Agarose | 未報告 | >25mg ヒトIgG |
SulfoLink Coupling Resin | 未報告 | >5mg reduced ヒト IgG |
CarboxyLink Immobilization Resin | >16µmol アミン | 0.5 ~1mg ペプチド |
HisPur Ni-NTA Agarose | >15µmol ニッケル | 最大60mg His-GFP (27kDa) |
Pierce Glutathione Agarose | 未報告 | >40mg 精製GST; 10mg GST-taggedタンパク質 |
Pierce Streptavidin Agarose | 未報告 | 15 ~28µg ビオチン; 1~3mgビオチン化BSA |
Pierce Protein A/G Agarose | 未報告 | >7mg ヒトIgG |
固定化アフィニティー樹脂に含まれる分子と物理的サイズを正確に把握したい思う研究者にとって、リガンドのロード値と結合容量が各分子数とサイズにどのように関係しているかを計算することは有益です。以下のような質問に答えるために必要な計算を本文に提示します:
濃度から(例えば、ビーズの1mL当たりのμgリガンド)ビーズ当たりのリガンド分子の数へ変換するための最初のステップは、充填された樹脂の1ミリリットル当たりのビーズの数を決めることです。この値は、細胞を数える方法と同じやり方で実験的に決めるのが理想的です:測定された量のビーズに従来の希釈を行い、その後、顕微鏡でサンプル内のビーズを数えます。私達はこの測定方法による公開された結果を見つけることができませんでした。従って私達のアプローチは、ビーズの平均量を計算し、その後、sphere-packing理論をベースとして、1ミリリットルの樹脂中のこれらのビーズの数を推測します。
アフィニティー精製について個々のアガロースビーズレベルで正確に視覚化しようとしたときに、他に考慮すべき重要な事柄があります。アガロースビーズは硬い固体ではなく、不浸透性でもありません;むしろメッシュ状構造の多孔性エアロゲルで、らせん構造の緩く織り合わされた多糖鎖からなります。従って、リガンドと標準的なタンパク質分子は、マトリックス内に拡散し、アガロースビーズ全体を通じて付着・結合できます。言い換えれば、付着は表面部分に限りません。
標準的な4%または6%のビーズアガロース樹脂のビーズ(多くのサプライヤーから入手可能)は、直径サイズ45〜 165μmで、これは抗体や他のタンパク質の球状タンパク質の長さ・幅の約5000 〜50,000倍に相当します。共有結合固定化方法についての図は、カップリング反応の化学的根拠を説明するのには有益ですが、官能基の相対的なサイズや数については誤解を招いています。いくつかの簡単な計算を用いて、私達は必要な単位を変換して、例となる濃度値(活性化レベル、ローディングレベル、カップリングと結合能力)を個々のアガロースビーズ当たりの分子数として表しました。Perhaps for most researchers, knowing these values satisfies merely academic curiosity and provides little practical value.However, we suggest that it is generally helpful for scientists to maintain accurate perceptions about the molecular dynamics of laboratory methods.
パラメーター | 値 |
---|---|
平均ビーズサイズ(直径) | 100µm |
平均的なビーズの球状ビーズ量 | 5.0 x 10-10L (0.5nL) |
樹脂1ml当たりのアガロースビーズの数 | 1.5 x 106 (150万) |
ビーズ当たりの官能反応基の数 | >1 x 1012 (>1兆) |
ビーズ当たりのアフィニティー結合タンパク質の数 | >1 x 109 (>11兆) |
Thermo Scientific AminoLink Plus Coupling Resinは、アルデヒド活性化アガロースビーズを用いて、第一級アミンを介して抗体(タンパク質)を高収率で共有結合し、アフィニティ精製のカラムを調製します。
AminoLink Plus Coupling Resinの特徴:
For Research Use Only. Not for use in diagnostic procedures.