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byThermo Scientific Pierce Protein Biology Team - 06/01/11
化学発光はウェスタンブロットの検出に最もよく使われる方法の1つです。その理由は高感度、高S/N比、ストリッピング後の再検出が可能であるなどの利点があるためです。また、化学発光は目的タンパク質をCCDベースのイメージャーを使って、比較的定量的に解析することができます。1 化学発光基質の中でも、ルミノールベースの基質は西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)で発光し、この基質とペルオキシダーゼは最もよく使用されます。
Thermo Scientific Pierce化学発光HRP基質は、簡便で信頼性が高い基質であり、検出感度やシグナルの持続時間によって複数の製品を提供しています(表1)。Thermo Scientific SuperSignal Substratesは正確で一貫性のある安定した結果を、他の市販基質より高感度かつ長いシグナル持続時間で得られます。Thermo Scientific Pierce ECL Substratesは日常のウェスタンブロットに使用する経済的な化学発光基質として使用できます。
一般的な化学発光基質のシグナル持続時間と検出感度を、複数の検出系と異なるターゲットタンパク質で分析しました。Pierce Substratesの性能をLuminata Substrates(EMD Millipore)と比較しました。分析した2つのパラメーターはウェスタンブロットのデータ品質の重要な要因となります。
Pierce ECL SubstrateおよびLuminata Classico Substrate(EMD Millipore)のシグナル持続時間を比較しました。Pierce ECL Substrateは基質を加えた後1時間シグナルが持続し、より強いシグナルを発しました。一方、Luminata Classico Substrateは1時間後には完全にシグナルが消失しました(図1)。同様に、SuperSignal West Dura Substrateのシグナル持続時間をLuminata Crescendo Substrateと比較しました。Luminata Crescendo Substrateのシグナルは基質を加えた後2時間でかなり減弱しました。それに対して、SuperSignal West Dura Substrateは持続したシグナルを示しました(図2)。
図1. Thermo Scientific Pierce ECL Western Blotting Substrateは他社製基質より優れた感度および持続するシグナルを示す。 K562細胞ライセートをLaemmliサンプルバッファーで希釈し、95˚Cで5分間加熱した。 レーン1は総タンパク質10 μgを添加し、1:1の希釈を4回連続して行い、レーン2~5に添加した。 電気泳動後、タンパク質はニトロセルロースメンブレン(品番88013)に転写し、TBSTで調製した5%スキムミルクでブロッキングした。 メンブレンを1:1000に希釈したマウス抗ERK 1抗体(抗体品番MA1-13041)、ヤギ抗マウスHRP抗体(品番31430)で100 ng/mLにてインキュベートした。 Pierce ECL Chemiluminescent Substrate(品番32106)またはLuminata Classico Substrate(EMD Millipore)をメーカーの指示に従って検出に使用した。 メンブレンはThermo Scientific CL-XPosureフィルム(品番34091)に、基質インキュベーション1分間後(フィルムへの露光1分間)または1時間後(フィルムへの露光20分間)感光させた。
図2. Thermo Scientific SuperSignal West Dura Substrateは他社製の類似基質を上回る。 HeLa細胞ライセートをLaemmliサンプルバッファーで希釈し、95˚Cで5分間加熱した。 レーン1は総タンパク質10 μgを添加し、1:1の希釈を4回連続して行い、レーン2~5に添加した。 電気泳動後、タンパク質をニトロセルロースメンブレンに転写した。 ブロッキングにはThermo Scientific StartingBlock(品番37542)を使用した。 メンブレンを1:2000に希釈したウサギ抗β-カテニン(抗体品番PA5-16429)、ヤギ抗ウサギHRP抗体(品番31460)で4 ng/mLにてインキュベートした。 SuperSignal West Dura SubstrateまたはLuminata Classico Substrate(EMD Millipore)をメーカーの指示に従って検出に使用した。 メンブレンはX線フィルム(品番34091)に基質インキュベーション10分後または2時間後感光させた(フィルムへの露光5分間)。
SuperSignal West Dura Substrateは高感度および長いシグナル持続時間の両方を実現するように最適化されており、冷却CCDカメラベースの検出システムに理想的です。SuperSignal West Dura Substrateのシグナル持続時間をAmersham ECL Prime Substrate(GE Healthcare Life Sciences)と比較しました。基質インキュベーション後の発光はCCDカメラを使って30分後、1時間後、4時間後、20時間後にそれぞれ取り込み定量解析しました。SuperSignal West Dura Substrateはインキュベーション後20時間発光が持続しました(図3)。
図3. Thermo Scientific SuperSignal West Dura SubstrateはAmersham ECL Prime Substrateと比較してシグナル持続時間が長い。 HeLa細胞ライセートをサンプルバッファーで希釈し、95˚Cで5分間加熱した。 レーン1は総タンパク質10 μgを添加した(総量10 µL/ウェル)。 1:1の希釈を4回連続して行い、10 µL/ウェルでロードした(レーン2~5)。 電気泳動後、タンパク質をThermo Scientificニトロセルロースメンブレン(品番88024)に転写した。 TBSブロッキングバッファーのStartingBlock(品番37542)をブロッキングに使用した。 ウサギ抗hsp86抗体(抗体品番PA3-013)を1:2000で希釈して一次抗体として使用し、ヤギ抗ウサギHRP抗体(品番31460)を二次抗体として、6.6 ng/mLにて使用した。 SuperSignal West Dura Substrate(品番34076)またはAmersham ECL Prime(GE Healthcare Life Sciences)を検出に使用した。 メンブレンはG:Box iChemiXT Imager(Syngene)を用いて、グラフに示した時間後イメージングした。 シグナル強度の定量は、GeneSnapイメージ取得ソフトウェアを使用して行った。
一次抗体によっては希少でコストが高いものもあるため、抗体濃度が低くても使用できる超高感度な基質が適しています。SuperSignal West Femto Maximum Sensitivity Substrateは一次抗体0.05 μg/mL(1 mg/mLを1:20,000希釈)、および二次抗体2.5 ng/mLで使用すると、シグナルが検出できました(図4)。
細胞ライセート中の総タンパク質を電気泳動し、ニトロセルロースメンブレンに転写しました。メンブレンはブロッキングバッファーで1時間室温で、または一晩4°Cでインキュベーションしました。一次抗体はブロッキングバッファーで希釈し、1時間室温でインキュベーションしました。HRPコンジュゲートした二次抗体をブロッキングバッファーで希釈しました。メンブレンを洗浄後、二次抗体で30分間室温でインキュベーションしました。
Thermo Scientific Pierce ECL Western Blotting Substrateは増強化学発光(ECL)に用いる経済的なペルオキシダーゼ用基質です。条件を再び最適化する必要がなく、高価な製品と置き換えることが可能です。
Pierce ECL Western Blotting Substrateの特長:
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For Research Use Only. Not for use in diagnostic procedures.