安心して水道を使えるように

一歩先へ進む、それは米国ミシガン州フリント地域に希望を取り戻すことです。

子どもをお風呂に入れる。水を飲む。水道水で歯を磨く。それさえもミシガン州フリント地域では、もはや不可能です。「それができないことなのです」と、マッケンジー・パトリス・クルーム・フリント・コミュニティ・ラボの創設者であるマイケル・ハリスは言います。

 

2014年、フリント市は水道管を腐食防止剤で処理していなかったことから、水道管から鉛が溶出し、数万人の家屋に汚染された水が供給されたのです。その結果は壊滅的なものでした。鉛はいったん体内に入ると2週間ほど血液中に残留し、その後骨や脳に染み込んで、神経障害や子どもの行動障害、女性の不妊や流産の原因となります。「フリントで起きたことは、信頼関係を大きく損ないました」と、フリント・コミュニティ・ラボの責任者であるキャンディス・ムシャットと言います。「私たちは水に対する信頼を回復する方法が必要であり、住民に力を与える方法が必要だったのです」 

 

こうしてフリント・コミュニティ・ラボが誕生しました。 

古い学校を研究室に改造し、高校1年生から3年生と、化学を専攻する大学4年生と5年生にこの活動に参加するよう招待しました。サーモフィッシャーサイエンティフィックが ICP-MS装置サンプルボトルを寄贈して協力を行い、若い理系の学生たちは、家庭から水のサンプルを集め、ラボに運び、ICP-MS装置を使って鉛、銅、その他の汚染物質の検査を行っています。「ICPは簡単に使える技術ではありません。この技術を取り入れることができた学生たちを、とても誇りに思います」とサーモフィッシャーサイエンティフィックの営業担当であるジェリー・ホリークロスは言います。

私たちがここで行っている最も素晴らしいことの一つは、次世代の検査技師や化学者を育成していることです。実地訓練を通じて『あなたならできます。ここはあなたのトレーニングの場です。さあ、他の地域も訪れて救ってきてください!』と伝えています」- キャンディス・ムシャット

フリント地域にとって、ラボは希望と誇りの発信地となっただけでなく、水という生命力を地域に還元し、数年前に失われたつながりを取り戻す手助けをしています。現在までに、フリント・コミュニティ・ラボは600軒以上の家庭でテストを実施し、年内に2,000軒に到達することを目指しています。しかしマイケルとそのチームにとって、これは始まりに過ぎません。「一緒に世界をより良い場所にしましょう。それが事実なのです」

 


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