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サーモフィッシャーサイエンティフィックは、シングルユースシステム(SUS)に基づくテクノロジーを使用した製造工程を開発しました。工程にはコマーシャルサプライ用の PCR 試薬中の DNA コンタミネーションのリスクを大幅に低減する広範な品質管理試験が含まれます。その結果、当社の従来の標準的な PCR 試薬に期待されるものと同等の高レベルの性能とロット間一貫性が得られています。これらの試薬は、不明瞭な結果または偽陽性結果を最小限に抑えるために高い感度と特異性が必要とされる PCR アッセイに最適な選択肢です。
ホワイトペーパーをダウンロードして、SUS テクノロジーによって、どのように DNA フリー PCR 試薬が製造されているかをお読みください。
市販の DNA ポリメラーゼの製造工程には、通常、研究者やオペレーターがオープンな環境で処理する複数のステップがあります(図 1)。さらに、他のタンパク質や酵素の製造に装置が共有される可能性もあります。結果として、調製の純度は、各工程間の効率的なコンタミネーション除去の段階に強く依存します。
酵素調製に一般的に見つかる DNA によるコンタミネーションは、全製造工程中のこれらの多くのステップの 1 つまたはすべてにおいて生じることがあります。当然のことながら、試験を行うと、これらの DNA ポリメラーゼに検出可能なレベルの DNA のコンタミネーションがあることがわかります [1]。これは DNA ポリメラーゼの商業規模の製造において許容できないリスクとなりますが、サーモフィッシャーサイエンティフィックでは SUS ベースの製造によって対処しています。
図 1.上記の組み換え酵素の従来の製造ワークフローは、DNA コンタミネーションのリスクを示しています。一般的な酵素調製の工程には、各工程間でのオープンな環境からオペレーターによる処理まで、潜在的な DNA コンタミネーションが生じる機会が繰り返し含まれています。他の酵素やタンパク質の調製用の他の製造工程と共有している装置を使用した際に、DNA コンタミナントのキャリーオーバーが生じる潜在的なリスクもあります。
サーモフィッシャーサイエンティフィックでは、商業規模の組み換え酵素の製造向けに当社の SUS テクノロジーを独自に採用しています(図 2)。SUS ベース製造のすべてのステップは、クローズドな環境で実施され、製造過程全体で無菌かつシングルユースのバッグ、チューブ、およびコネクターが使用されています。すべてのバッファーおよび洗浄溶液はシングルユースバッグで調製し、ろ過することにより無菌化しています。クローズドな SUS ベースの製造により、DNA コンタミネーションの確率は無視できるリスク水準まで低減されています。
図 2.組み換え酵素の製造におけるクローズドな SUS ベースの工程。この工程は、シングルユースのバッグ、チューブ、およびコネクターを使用する、完全に閉鎖されたシステムを表しています。これにより、環境からでもオペレーターからでも生じることのある潜在的な DNA コンタミネーションを無視できるリスク水準まで低減します。さらに、この工程はシングルユースであり、装置または材料が共有されないため、相互汚染源としてこれらを排除できます。
SUS テクノロジーを使用して製造された Invitrogen Platinum Taq DNA ポリメラーゼは、厳格な品質管理試験(アプリケーション特有の機能的アッセイなど)の対象となります。SUS テクノロジーを使用して製造された Platinum Taq DNA ポリメラーゼを用いて実施するリアルタイム PCR アッセイは、従来の製造体制で製造された Platinum Taq DNA ポリメラーゼと比較して、同等の性能を示します。
図 3.DNA フリー Taq DNA ポリメラーゼによる高感度、特異的、および高再現性の増幅。qPCR アッセイにおける、DNA フリー Platinum Taq DNA ポリメラーゼ(青い曲線)の性能と、Platinum Taq DNA ポリメラーゼ(赤い曲線)の性能を、E. coli 16S rRNA 遺伝子をターゲットとするプライマーを使用し、E. coli インプット DNA の量を変化させながら評価しました。
DNA フリーの酵素を、ヌクレアーゼおよび DNA コンタミネーションがないことを確実にするために、下記に示す仕様に従って(表 1 )最高水準の基準に従い分析しました。
表 1.DNA フリー Platinum Taq DNA ポリメラーゼを検証するための厳重な品質管理試験。
純度試験 | 必要条件 |
---|---|
エキソヌクレアーゼおよびエンドヌクレアーゼ | 検出なし |
RNase | 検出なし |
細菌 gDNA(16S rRNA) | 0.01 コピー以下/酵素ユニット |
ヒト gDNA(Alu) | 0.001 コピー以下/酵素ユニット |
プラスミド DNA(ori1) | 0.01 コピー以下/酵素ユニット |
市販の DNA ポリメラーゼの製造工程には、通常、研究者やオペレーターがオープンな環境で処理する複数のステップがあります(図 1)。さらに、他のタンパク質や酵素の製造に装置が共有される可能性もあります。結果として、調製の純度は、各工程間の効率的なコンタミネーション除去の段階に強く依存します。
酵素調製に一般的に見つかる DNA によるコンタミネーションは、全製造工程中のこれらの多くのステップの 1 つまたはすべてにおいて生じることがあります。当然のことながら、試験を行うと、これらの DNA ポリメラーゼに検出可能なレベルの DNA のコンタミネーションがあることがわかります [1]。これは DNA ポリメラーゼの商業規模の製造において許容できないリスクとなりますが、サーモフィッシャーサイエンティフィックでは SUS ベースの製造によって対処しています。
図 1.上記の組み換え酵素の従来の製造ワークフローは、DNA コンタミネーションのリスクを示しています。一般的な酵素調製の工程には、各工程間でのオープンな環境からオペレーターによる処理まで、潜在的な DNA コンタミネーションが生じる機会が繰り返し含まれています。他の酵素やタンパク質の調製用の他の製造工程と共有している装置を使用した際に、DNA コンタミナントのキャリーオーバーが生じる潜在的なリスクもあります。
サーモフィッシャーサイエンティフィックでは、商業規模の組み換え酵素の製造向けに当社の SUS テクノロジーを独自に採用しています(図 2)。SUS ベース製造のすべてのステップは、クローズドな環境で実施され、製造過程全体で無菌かつシングルユースのバッグ、チューブ、およびコネクターが使用されています。すべてのバッファーおよび洗浄溶液はシングルユースバッグで調製し、ろ過することにより無菌化しています。クローズドな SUS ベースの製造により、DNA コンタミネーションの確率は無視できるリスク水準まで低減されています。
図 2.組み換え酵素の製造におけるクローズドな SUS ベースの工程。この工程は、シングルユースのバッグ、チューブ、およびコネクターを使用する、完全に閉鎖されたシステムを表しています。これにより、環境からでもオペレーターからでも生じることのある潜在的な DNA コンタミネーションを無視できるリスク水準まで低減します。さらに、この工程はシングルユースであり、装置または材料が共有されないため、相互汚染源としてこれらを排除できます。
SUS テクノロジーを使用して製造された Invitrogen Platinum Taq DNA ポリメラーゼは、厳格な品質管理試験(アプリケーション特有の機能的アッセイなど)の対象となります。SUS テクノロジーを使用して製造された Platinum Taq DNA ポリメラーゼを用いて実施するリアルタイム PCR アッセイは、従来の製造体制で製造された Platinum Taq DNA ポリメラーゼと比較して、同等の性能を示します。
図 3.DNA フリー Taq DNA ポリメラーゼによる高感度、特異的、および高再現性の増幅。qPCR アッセイにおける、DNA フリー Platinum Taq DNA ポリメラーゼ(青い曲線)の性能と、Platinum Taq DNA ポリメラーゼ(赤い曲線)の性能を、E. coli 16S rRNA 遺伝子をターゲットとするプライマーを使用し、E. coli インプット DNA の量を変化させながら評価しました。
DNA フリーの酵素を、ヌクレアーゼおよび DNA コンタミネーションがないことを確実にするために、下記に示す仕様に従って(表 1 )最高水準の基準に従い分析しました。
表 1.DNA フリー Platinum Taq DNA ポリメラーゼを検証するための厳重な品質管理試験。
純度試験 | 必要条件 |
---|---|
エキソヌクレアーゼおよびエンドヌクレアーゼ | 検出なし |
RNase | 検出なし |
細菌 gDNA(16S rRNA) | 0.01 コピー以下/酵素ユニット |
ヒト gDNA(Alu) | 0.001 コピー以下/酵素ユニット |
プラスミド DNA(ori1) | 0.01 コピー以下/酵素ユニット |
Platinum Taq DNA ポリメラーゼ、DNA フリーは、低コピー数(1 コピーなど)のターゲット DNA の正確な検出の実現に役立ちます。PCR ベースのアッセイにおいて、ターゲット DNA のサンプル中濃度が低い場合、または出発物質の量が限られている場合に、妥協のない感度は利点となります。(図 4)。
図 4.他社製品と比較した際の Platinum Taq DNA ポリメラーゼ、DNA フリーの妥協のない感度qPCR アッセイにおける、Platinum Taq DNA ポリメラーゼ、DNA フリー(青い曲線)の性能と、Promega GoTaq Mdx ホットスタートポリメラーゼ(緑の曲線)の性能を、E. coli 16S rRNA 遺伝子をターゲットとするプライマーを使用し、E. coli インプット DNA の量を変化させながら評価しました。
Platinum Taq DNA ポリメラーゼ、DNA フリーは、PCR ベースのアッセイにより生じる偽陽性を最小限に抑える点で、最も高い信頼水準を提供します。偽陽性は、テンプレート DNA がない、テンプレートなしのコントロール(NTC)の反応で生成されるシグナルです。特異性の高い試験では、偽陽性を引き起こすことや DNA ターゲット同定の分類を誤ることはないはずです。
図 5.他社製品と比較した際の Platinum Taq DNA ポリメラーゼ、DNA フリーの妥協のない特異性。qPCR アッセイにおける、DNA フリー Platinum Taq DNA ポリメラーゼ(青い曲線)の性能と、Promega GoTaq Mdx ホットスタートポリメラーゼ(緑の曲線)の性能を、E. coli 16S rRNA 遺伝子をターゲットとするプライマーを使用し、E. coli インプット DNA の量を変化させながら評価しました。 陰性コントロール(DNA テンプレートの添加なし)の 80 個のウェル中に E. coli DNA は検出されませんでした。
図 6.Platinum Taq DNA ポリメラーゼ、DNA フリーの純度によって、試薬のみ/テンプレートなしのコントロール(NTC)においてクリーンなバックグラウンドが確保されます。DNA フリー Platinum Taq DNA ポリメラーゼまたはP社製ホットスタートポリメラーゼを使用して、PCR 法で 16S rRNA 遺伝子を増幅しました。E. coli gDNA(10 ~ 1,000 コピー/反応)の容量を変化させながら、または DNA を添加しない反応液で、PCR を 40 サイクル実行しました。
Taq DNA ポリメラーゼの市販メーカーの多くは、DNA コンタミネーションの懸念を認識しており、PCR ベースのアッセイ用に「DNA フリー」酵素を提供しています。これらの酵素を Platinum Taq DNA ポリメラーゼ、DNA フリーと比較しました。その結果、Platinum Taq DNA ポリメラーゼ、DNA フリーは、100 ユニットの酵素中、DNA コンタミネーションが 1 コピー未満の唯一の酵素であることがわかりました(表 2)。
表 2.DNA 低コンタミネーションと DNA フリー Taq DNA ポリメラーゼに対する品質管理基準
製品 | 細菌 gDNA コピー数/100 ユニット | プラスミド DNA コピー数/100 ユニット | ヒト gDNA コピー数/100 ユニット |
---|---|---|---|
Platinum Taq DNA ポリメラーゼ、DNA フリー | 0.4 | 0.4 | 0.00 |
E 社 Taq ポリメラーゼ | 11.7 | 300 | 0.04 |
R 社 Taq DNA ポリメラーゼ、GMP グレード | 18 | 80 | 0.12 |
R 社 DNA ポリメラーゼ、LDx、グリセリン未配合 | 4.1 | 50 ユニットで不検出 | 0.17 |
S 社 Taq DNA ポリメラーゼ | 13.2 | 11,600 | 0.12 |
PG 社 ホットスタートポリメラーゼ | 18.5 | 400 | 0.06 |
Platinum Taq DNA ポリメラーゼ、DNA フリーは、低コピー数(1 コピーなど)のターゲット DNA の正確な検出の実現に役立ちます。PCR ベースのアッセイにおいて、ターゲット DNA のサンプル中濃度が低い場合、または出発物質の量が限られている場合に、妥協のない感度は利点となります。(図 4)。
図 4.他社製品と比較した際の Platinum Taq DNA ポリメラーゼ、DNA フリーの妥協のない感度qPCR アッセイにおける、Platinum Taq DNA ポリメラーゼ、DNA フリー(青い曲線)の性能と、Promega GoTaq Mdx ホットスタートポリメラーゼ(緑の曲線)の性能を、E. coli 16S rRNA 遺伝子をターゲットとするプライマーを使用し、E. coli インプット DNA の量を変化させながら評価しました。
Platinum Taq DNA ポリメラーゼ、DNA フリーは、PCR ベースのアッセイにより生じる偽陽性を最小限に抑える点で、最も高い信頼水準を提供します。偽陽性は、テンプレート DNA がない、テンプレートなしのコントロール(NTC)の反応で生成されるシグナルです。特異性の高い試験では、偽陽性を引き起こすことや DNA ターゲット同定の分類を誤ることはないはずです。
図 5.他社製品と比較した際の Platinum Taq DNA ポリメラーゼ、DNA フリーの妥協のない特異性。qPCR アッセイにおける、DNA フリー Platinum Taq DNA ポリメラーゼ(青い曲線)の性能と、Promega GoTaq Mdx ホットスタートポリメラーゼ(緑の曲線)の性能を、E. coli 16S rRNA 遺伝子をターゲットとするプライマーを使用し、E. coli インプット DNA の量を変化させながら評価しました。 陰性コントロール(DNA テンプレートの添加なし)の 80 個のウェル中に E. coli DNA は検出されませんでした。
図 6.Platinum Taq DNA ポリメラーゼ、DNA フリーの純度によって、試薬のみ/テンプレートなしのコントロール(NTC)においてクリーンなバックグラウンドが確保されます。DNA フリー Platinum Taq DNA ポリメラーゼまたはP社製ホットスタートポリメラーゼを使用して、PCR 法で 16S rRNA 遺伝子を増幅しました。E. coli gDNA(10 ~ 1,000 コピー/反応)の容量を変化させながら、または DNA を添加しない反応液で、PCR を 40 サイクル実行しました。
Taq DNA ポリメラーゼの市販メーカーの多くは、DNA コンタミネーションの懸念を認識しており、PCR ベースのアッセイ用に「DNA フリー」酵素を提供しています。これらの酵素を Platinum Taq DNA ポリメラーゼ、DNA フリーと比較しました。その結果、Platinum Taq DNA ポリメラーゼ、DNA フリーは、100 ユニットの酵素中、DNA コンタミネーションが 1 コピー未満の唯一の酵素であることがわかりました(表 2)。
表 2.DNA 低コンタミネーションと DNA フリー Taq DNA ポリメラーゼに対する品質管理基準
製品 | 細菌 gDNA コピー数/100 ユニット | プラスミド DNA コピー数/100 ユニット | ヒト gDNA コピー数/100 ユニット |
---|---|---|---|
Platinum Taq DNA ポリメラーゼ、DNA フリー | 0.4 | 0.4 | 0.00 |
E 社 Taq ポリメラーゼ | 11.7 | 300 | 0.04 |
R 社 Taq DNA ポリメラーゼ、GMP グレード | 18 | 80 | 0.12 |
R 社 DNA ポリメラーゼ、LDx、グリセリン未配合 | 4.1 | 50 ユニットで不検出 | 0.17 |
S 社 Taq DNA ポリメラーゼ | 13.2 | 11,600 | 0.12 |
PG 社 ホットスタートポリメラーゼ | 18.5 | 400 | 0.06 |
サーモフィッシャーサイエンティフィックでは、PCR または qPCR ベースのアッセイ向けの高品質かつ優れた性能の幅広い DNA ポリメラーゼおよび逆転写酵素を提供してきました。今回当社では、クローズドな SUS に基づくテクノロジーを使用して製造された Invitrogen Platinum Taq DNA ポリメラーゼ、DNA フリーを導入しました。これにより、商業規模の PCR ベースのアッセイに比類ない信頼性がもたらされます。Platinum Taq DNA ポリメラーゼ、DNA フリーまたは他の DNA フリー酵素に関する詳細な情報をご希望の場合は、当社までご連絡ください。お客様の要件を満たすようお手伝いします。
For Research Use Only. Not for use in diagnostic procedures.