IC-ICP-MS Speciation Analyzer

微量元素の分離と検出

サンプルに含まれる元素総量を計測するだけでは、詳細まで完全に把握することはできません。医薬品、食品、環境などの分野では、異なる生理化学的特性を示す複数の分子形態(これを「種」といいます)として存在する可能性がある元素を測定します。それらの一部は毒性を持つ可能性があります。

サンプルの安全性や毒性を判断するには、サンプルに含まれる可能性がある元素の異なる種を同定し定量することが必要です。スペシエーション分析には、イオンクロマトグラフィー(IC)と誘導結合プラズマ質量分析(ICP-MS)を組み合わせる手法が最適です。

お問い合わせ


スペシエーション分析に適した IC-ICP-MS 分析計

元素総量は ICP-MS で分析可能ですが、微量元素のスペシエーション分析には Thermo Scientific IC-ICP-MS システムが最適です。スペシエーション分析計は、高分解能イオン交換カラムと簡単なオンライン接続を特長とする無金属 IC システムに加え、高感度の ICP-MS と統合ソフトウェアを備えています。

IC システムと ICP-MS システムを組み合わせて設定することにより、予算、スループット、パフォーマンス、検出などのアプリケーション要件を満たすことができます。

無金属 IC システム

金属汚染を発生させることなく、個々のイオン種を分離。

Integrion IC system

ICP-MS システム

微量元素の検出と定量。
 

iCAP RQplus ICP-MS

ソフトウェア

データを制御・処理して、ワークフローを簡素化し、効率性を最大限まで高めます。

Qtegra Intelligent Scientific Data Solution

システム構成

スペシエーション対象元素Dionex Aquion IC システムDionex Integrion HPIC システムDionex ICS-6000 HPIC システム
ヒ素無機種に限る適合*推奨*、**
臭素酸無機種に限る推奨*適合
クロム適合推奨適合
水銀適合推奨適合
セレン無機種に限る適合*推奨*、**
無機種に限る 無機種に限る適合 適合推奨 推奨
* 有機種** 最適化を強化 


元素とその毒性種の例

ヒ素
  • 亜ヒ素塩 As (III) とヒ素塩 As (V) は、ヒ素の無機毒性形態です。
  • 有機ヒ素種の毒性は低くなっています。
水銀
  • 毒性水銀(MeHg+)種は、魚などの食品に存在する可能性があります。
  • エチル水銀(EtHg+ または EtHgX)は劣化と排泄が速く、慢性毒性は比較的低くなっています。ただし、チオメルサール(点眼薬、コンタクトレンズ溶液、ワクチンなどの製品に含まれる細菌)への曝露により、EtHg+ の急性摂取が発生する場合があります。
クロム
  • クロム Cr (III) は人間に不可欠なものであり、体内のさまざまな代謝に関与します。
  • Cr (VI) は高い毒性を有しています。

上記以外に、イオンクロマトグラフィー分離の利点を活用できる元素分析の例としては、セレンとランタニドが挙げられます。


関連するリソース

リソース

参考文献

ラーニングセンター

動画