RT-PCRを実施するには2つのアプローチがあります。One-Step RT-PCRとTwo-Step RT-PCRです。

RT-PCRキットを注文する

1ステップ逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)

One-Step RT-PCRは1本鎖cDNA合成(逆転写)反応とPCR反応を同じチューブでまとめて行う方法です。反応セットアップが簡単で、コンタミネーションのリスクが低くなります。サンプル数が多い場合はOne-Step RT-PCRの方が簡単です。cDNA合成ステップとPCRステップの間でチューブを開かないため、キャリーオーバーのコンタミネーションを最小限に抑えることができます。cDNA試料全体を増幅することで、One-Step RT-PCRはわずか0.01 pgの全RNAからでも感度を高めることができます。One-Step反応は配列特異的プライマーでのみ使用できます。

2ステップ逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)

Two-Step PCRは、トータルRNAまたはpoly(A)+ RNAを逆転写酵素でcDNAへ逆転写することから始まります。1本鎖合成後にcDNAを別のチューブに移し、続いて次のPCRを行います。Two-StepのRT-PCRは、単一のRNAサンプルから複数のメッセージを検出する場合に有用です。One-Step RT-PCRシステムに比べてプライマーやポリメラーゼを自由に組み合わせられます。Two-Step RT-PCRを行うときには、オリゴ(dT)、ランダムヘキサマー、遺伝子特異的プライマーのいずれかを使用し、PCRはPlatinum® Taq DNA Polymerase、Platinum® Taq DNA Polymerase High Fidelity、または任意のPCR酵素で行います。

One-StepおよびTwo-StepのRT-PCR手順比較

  Two-Stepの手順One-Stepの手順
1本鎖cDNAに使用するプライマー:
  • オリゴ(dT)プライマー
  • ランダムヘキサマー
  • 遺伝子特異的プライマー
  • 遺伝子特異的プライマー
特徴:柔軟性
  • プライマーの選択肢
  • 増幅システムの選択肢
  • 後日使用するためにRNAサンプルを保存可能
  • 酵素の最適化が可能(特異性の高いPlatinum®酵素、フィデリティーの高いPlatinum® Pfxとの組み合わせ)
利便性
  • 逆転写酵素とPCR酵素があらかじめ混合済み
  • ピペット操作回数の最小化とコンタミネーションリスクの低減
  • 高感度
推奨使用法:
  • 単一サンプルから複数のメッセージを検出または定量するのに最適
  • 多数のサンプル解析に最適
  • リアルタイム定量RT-PCRに最適