同一試料中の異なるルシフェラーゼシグナルを識別可能

ルシフェラーゼ酵素は、ある所定の実験において、単一の生物学的事象を研究するためのシングルレポーターとして使われることがありますが、その多様なスペクトル特性と基質から、複数のルシフェラーゼ酵素を組み合わせたマルチプレックス実験に用いられる場合もあります。デュアルレポーターアッセイと呼ばれるこのようなタイプの実験では、単一サンプル中で2つのルシフェラーゼ酵素を同時に発現させ、検出します。

Thermo Scientific Pierceデュアルスペクトルルシフェラーゼ計算表は、シンプルでダウンロード可能なツールであり、同一試料中で同時に測定した2つのルシフェラーゼ反応による発光シグナルを識別することができます。2つの発光反応には、少なくとも波長による発光シグナルの部分的な分離が行えるよう、別々の発光プロファイルが必要です。2つのルシフェラーゼ反応による発光は、標準的なフィルターベースのルミノメーターかマルチモード式の装置で測定します。フィルターは、当該レポーターからの光シグナルを最大化し、他のレポーターからの光シグナルを最小化するよう、各ルシフェラーゼレポーターの発光スペクトルに応じて選択する必要があります。この計算表は、波長の分離が不十分であったり、フィルターセットが適切でないことで、他のレポーターからの迷光をフィルターで完全にカットできない場合に最適です。

Pierceデュアルスペクトルルシフェラーゼ計算表のダウンロード

注意:フィルターの使用だけで2つのレポーターからの発光を明確に分離可能な場合には、この計算表を使う必要はありません。実のところ、このような場合に計算表を使用すると、データに無用なエラーをもたらす可能性があります。

 

Pierceデュアルスペクトルルシフェラーゼ計算表のアルゴリズム

Pierceデュアルスペクトルルシフェラーゼ計算表は、以下の線形アルゴリズムに基づいている

pl1.png

上の方程式は以下のように記述することもできる

pl2.png

ここで、各変数が表すものは以下のとおり

 

 
Fg緑色光フィルターからの全発光
FR赤色光フィルターからの全発光
KGg緑色光フィルターを通過した緑色発光ルシフェラーゼの透過率
KRg緑色光フィルターを通過した赤色発光ルシフェラーゼの透過率
KGr赤色光フィルターを通過した緑色発光ルシフェラーゼの透過率
KRr赤色光フィルターを通過した赤色発光ルシフェラーゼの透過率
G緑色発光ルシフェラーゼからの全発光
R赤色発光ルシフェラーゼからの全発光

次の方程式は上記アルゴリズムに由来し、この計算表で用いられている

pl3.png
pl4.png

For Research Use Only. Not for use in diagnostic procedures.