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ターゲットの抗原をIHC検出するため、蛍光色素をアビジンなどの二次抗体またはプローブに修飾します。発色検出法と蛍光検出法には、それぞれメリットとデメリットがあります。IHC検出法として蛍光法あるいは発色法のどちらを適用するか決定する際、以下の点について考慮することが非常に重要です。
処理工程数:蛍光検出法と発色検出法の主な違いは、処理手順の工程数にあります;発色検出法は酵素と基質を反応させる必要がありますが、 蛍光検出法では基質を添加する必要がありません。また酵素は、抗体、pHおよびバッファー成分に対して感受性であるため、発色検出では、より最適化する必要があります。
シグナル増幅:発色IHCおよび蛍光IHCは、間接手法を使用して標的抗原シグナルを増幅します。酵素や蛍光を、二次抗体またはアビジン/ストレプトアビジン/ニュートラアビジンタンパク質(最終的にビオチン化二次抗体にに結合)へ結合させることによって増幅を行います。しかしABC法を発色IHCに用いた場合、蛍光法よりも標的シグナル増幅の優れた大型のアビジン-ビオチン-酵素複合体が形成できます。
安定性:蛍光色素標識の組織サンプルは、蛍光を安定化させる褪色防止化合物を含有する溶液に浸す必要があります。蛍光は、スライド調製して適切に保管した場合、数週間~数ヶ月間検出が可能ですが、発色法では、シグナルを数年間にわたり長期保存できます。
顕微鏡: 発色検出法はごく簡単な光学顕微鏡だけで標的抗原の観察が行えますが、蛍光検出法は、適正な波長の蛍光励起が得られる高価な顕微鏡が必要になります。
画質:蛍光検出法は、次のような様々な理由から優れた画質が得られます:(1)蛍光顕微鏡を用いて、高解像度の多断面顕微鏡法(共焦点)が実行できる;(2)発色酵素複合体では、形成される沈殿物が原因で、標的抗原の周囲が「不明瞭」となる可能性があり、タンパク質局在性を測定する高解像度の顕微鏡法が妨害される。
定量化とハイスループット能力: 近年では発色IHCの半定量分析のためのアルゴリズムが開発されていますが、発色法の酵素的性質が原因で定量的能力が妨害されます。その点、蛍光プローブは正しい定量が実行可能です。実際、最新のハイスループット法は、迅速で定量的な自動顕微鏡による蛍光検出に基づいています。
多重性: 種々の色素原で複数の抗原を標識できますが、初回の染色で抗原がマスクされるため、各抗原はお互い近接できません。蛍光色素は無数に存在するため、多数の抗原を同時に染色できます。検出は、さまざまな蛍光色素を修飾した一次抗体を用いる方法か、あるいは異なる生物種由来の一次抗体と蛍光標識した二次抗体の組み合わせで検出する方法のいづれかの方法を選択できます。この染色法は、共局在研究における多重抗原の高解像度な画像化に最適です。
この染色法に必要なのは、一次抗体および蛍光修飾した二次抗体のみであり、シグナル増幅法としては最もシンプルです。さらにこの染色法は、一次抗体が異なる生物種由来である場合であれば、複数の抗原を同時に標識できるといった利点があります。
この手法は、 一次/二次抗体複合体に局在する蛍光色素の分子数が3~5倍に達するため、増幅能力に優れています。
この手法では、各二次抗体上の複数のビオチン化現象によって、複数のフルオロフォア結合のビオチン結合性タンパク質(アビジン、ストレプトアビジン、NeutrAvidin)がリクルートされます。ビオチン結合タンパク質は、最大5個の蛍光分子を結合する事が可能で、増幅を強化します。
For Research Use Only. Not for use in diagnostic procedures.