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PEGとは、polyethylene glycol (ポリエチレングリコール )、正確には「ポリ(エチレングリコール)」を表す一般的な略称であり、エチレングリコール反復単位から構成される化学化合物を指しています:
構成モノマーまたは親分子(エチレングリコール、エチレンオキシド、またはオキシエチレンなど)の定義の設定法にもよりますが、PEG化合物はPEO(ポリエチレンオキシド)やPOE(ポリオキシエチレン) としても知られます:
精製PEGは、広義/狭義の分子量(MW)範囲で各種サイズのオリゴマー混合物の形態で、広く一般的に購入が可能です。例えば「PEG 600」とは、一般に、平均分子量600を有するオリゴマー混合物を含む調製物を指します。同様に「PEG 10000」は、平均分子量10,000 g/molを有するPEG分子混合物(n = 195~265)を表しています。
ポリ(エチレングリコール)は様々な化学的性質を有しており、種々の生物学的/化学的/製薬的な状況において極めて有用性が高いです:
プロテオミクスや様々な生物学的研究法において高精度かつ汎用性高いPEG化を実行するには、特定官能基で活性化される所定長(MW)のポリエチレングリコール誘導体を使用することが不可欠です。Thermo Scientific Pierceタンパク質研究用の製品群は、多種多様なPEG含有試薬を取り揃えています。各Pierce製品では、PEG含有誘導体を用いた表面/タンパク質/分子類の共有結合や修飾(PEG化と呼ばれるプロセス)に必要なビルディングブロックが提供されます。従来のPEG化合物とは対照的に、Pierce PEG化試薬は、厳密な所定PEGユニットから構成されています。以下、本ページでは様々なクラスのPierce PEG化試薬について解説いたします。
タンパク質/ペプチド/高分子の固定化や結合の用途に、多種多様なPierce架橋剤を取り揃えております。ホモ二官能性(両末端の反応基が同一)やヘテロ(各末端の反応基が異なる)の各架橋剤製品は、それぞれ様々なスペーサーアーム長・溶解性・切断特性を備えています。
現在は多様な架橋試薬製品が揃っており、分散長のポリエチレングリコールスペーサーを含有するタイプの試薬も存在します。このPEG基の効果により試薬や結合溶解性が向上し、非PEG化スペーサーに比べて、毒性影響や免疫学的影響が最小限に抑えられます。また、オプションにより種々の架橋距離にも対応します。
BS(PEG)n試薬はホモ二官能性のアミン間架橋剤であり、PEGスペーサーの両末端にN-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)エステルを含有しています。
BM(PEG)n試薬はホモ二官能性のスルフィドリル反応性架橋剤であり、PEGスペーサーの両末端にマレイミド基を含有しています。
SM(PEG)n試薬はアミン-スルフィドリルリンカーであり、NHSエステルとマレイミド基をそれぞれ各末端に含んでいます。SM(PEG)n架橋剤は、一般的な試薬製品であるSMCC(製品番号:22360または22322)と同じヘテロ構造を有しています。2〜24個のPEGユニット有する6タイプが揃えられており、18~95オングストローム長のスペーサーが提供されます。
抗体や分子のビオチン標識は、あらゆる分野のプロテオミクスや分子生物学研究における様々なアッセイ/精製プラットフォームで一般的に行われています。Thermo Scientific Pierce EZ-Link Biotinylation Reagentsは、多種多様な標的反応性・スペーサーアーム長・溶解性/切断性特性を備えています。
現在は多様なビオチン標識試薬製品が揃えられており、スペーサーアームの主要構成要素として分散長のポリエチレングリコール基を組み込む様々な化合物クラスをはじめとしたタイプが存在します。このPEG基の効果により試薬や結合溶解性が向上し、非PEG化スペーサーに比べて、毒性影響や免疫学的影響が最小限に抑えられます。オプションの各種スペーサー長を利用して、ストレプトアビジン/アビジン/ニュートラアビジンタンパク質の関与する特異的なビオチン結合アッセイの結合機能への最適化が行えます。
NHS-PEG4-ビオチンは、一般的な試薬製品であるSulfo-NHS-LC-Biotin (製品番号:21335) や関連試薬と同等のPEG化が行えます。PEG類似体は、アミン反応性基スルホNHSを水溶性形態で適用はしませんが、親水性のポリエチレングリコールスペーサーアームの作用によって、試薬と同等の水溶解性および膜透過性が得られます。また、抗体の標識ビオチンタグがPEG含有である場合、PEG非含有である場合よりも、その抗体の溶解度はより良好に維持される(長期保存時の凝集が低減される)ことが、実験により実証されています。
蛍光プローブは、多種多様な検出法で一般的に利用されるようになっています。蛍光化合物の新タイプ/誘導体の開発が続けられ、また各種研究法への導入も続けられています。さらに、細胞/in vivoイメージングなど様々な用途で溶解度や安定性を向上させるため、蛍光標識化合物へPEG基を組み込む開発まで進められています。
一般的な蛍光標識化反応は、次のように実行します:各モル量の色素をアミン非含有バッファ(標識タンパク質を含有)へ添加する前に、最初に色素を無水ジメチルホルムアミド(DMF) または他の適切な有機溶媒に溶解させる。しかしPEG化蛍光体の溶解度が高い場合であれば、タンパク質溶液を標識培養液に直接添加することができます。
実験系やアッセイのプラットフォームは、タンパク質/免疫原性/反応容器/その他物質に関する質量・溶解性・その他性質を変更する能力に依存しています。こうした修飾を行う手法としては、PEG化(エチレングリコールまたはエチレンオキシドポリマーの添加)が有用です。
PEG基の共有結合修飾を行うには、片側末端に反応性または標的可能な官能基を含有するPEG化合物が必要とされます。表面第一級アミンを豊富にもつタンパク質をPEG化するには、一端にNHSエステル基を含有するPEG化合物を使用する方法が最も簡便です。これはMS(PEG)n試薬の基礎となっており、4種類のPEG長(n = 4、8、12、24)が用意されています。
TMS(PEG)nはこの試薬の分岐型であり、PEG4-NHSエステル基部に結合した3個のメチルPEG12アームを含有しています。
SAT(PEG)4は、アミン反応性NHSエステル基と保護スルフィドリル基(S-アセチル)を、各末端にそれぞれ含有しています。SAT(PEG)4の非PEG類似体と同様に、SATA (製品番号:26102)、SAT(PEG)4は、短いスペーサーアームの付加により第一級アミンをスルフィドリル基へと変換させます。この試薬は、一般的に架橋/固定化戦略の一環として使用されます。
MM(PEG)n化合物は、ペグ化スルフィドリル基用のリニア試薬です。反対側の末端に存在する不活性メチル基はマレイミド部分であり、反応によってスルフィドリル基との安定なチオエーテル結合を形成します。MM(PEG)nには、2種類のPEG長(n = 12および24)が用意されています。
MA(PEG)nやCA(PEG)nは、各種の長さ(n = 4、8、12、24)を備えたポリエチレングリコール化合物であり、メチル-アミン末端またはカルボキシル-アミン末端を含有しています。これらの官能基は自発的な反応性を示しませんが、表面化学の構築やその他用途において様々な架橋/固定化試薬を用いて容易に標的が行えます。
Bioconjugate Techniques, 3rd Edition (2013) by Greg T. Hermanson is a major update to a book that is widely recognized as the definitive reference guide in the field of bioconjugation.
Bioconjugate Techniques is a complete textbook and protocols-manual for life scientists wishing to learn and master biomolecular crosslinking, labeling and immobilization techniques that form the basis of many laboratory applications. The book is also an exhaustive and robust reference for researchers looking to develop novel conjugation strategies for entirely new applications. It also contains an extensive introduction to the field of bioconjugation, which covers all the major applications of the technology used in diverse scientific disciplines, as well as tips for designing the optimal bioconjugate for any purpose.
For Research Use Only. Not for use in diagnostic procedures.