Stealth RNAi™ siRNAは次世代のRNAi化学を用いて、標準siRNAより高い特異性と血清や細胞培養液中のより高い安定性を提供しています。 この化学はよりクリアな結果をもたらし、不要なオフターゲット効果を排除しながら、以下を提供しています:

Stealth RNAi™ siRNAは、もっとも厳しい品質管理基準で製造されています。 それぞれの一本鎖RNAオリゴは質量スペクトルで分析され、アニールされて指定された量の二本鎖をお届けしています。 デザイン済みStealth™ siRNAおよびカスタムStealth™ siRNAは凍結乾燥状態でお届けしており、再懸濁用に1 mLのDEPC水が付いています。

効率的なノックダウン

Stealth RNAi™ siRNAは、ターゲット遺伝子を確実にサイレンシングするために効率的なノックダウンを実現しています。(図1)では、RNAi™ siRNAと従来のsiRNAのサイレンシング能力を比較しています。 (図1)では、Stealth RNAi™ siRNA のノックダウンがsiRNAのノックダウンと同様に高い効果を示しています。

対応するコントロールは、塩基対組成が似ていて、化学修飾が一致し、配列がスクランブルのものからなるものを使用しました。 p53の発現の低下は、定量的リアルタイムPCRによって測定した当該コントロールに対してGAPDHでノーマライズしたp53発現の倍数変化により表しされています。

 

図1. Lipofectamine™を使用して導入したsiRNA およびStealth RNAi™ siRNA によるA549細胞中でのp53の発現低下2000。

より高い特異性

siRNAのセンス鎖が非ターゲット遺伝子と相同性を有し、RISC複合体に組み込まれるとオフターゲット効果が生じ、非ターゲット遺伝子の直接サイレンシングが生じます。 Stealth RNAi™ siRNAでは、従来のsiRNAでは低濃度でも問題となっていたセンス鎖オフターゲット効果を排除することができます。 標準のsiRNAでは センス鎖およびアンチセンス鎖の両方がRNAi経路に入ってしまうため、このような問題が起こります。 しかしStealth RNAi™ 修飾 siRNA では、アンチセンス鎖だけがRNAi経路に効率的に入るようになっています。 この修飾により、センス鎖オフターゲット効果を心配する必要がなくなります。

Stealth RNAi™ siRNAのアンチセンス鎖のみがRNAiノックダウンに関与し、アクティブな鎖が1本のみであるためにオフターゲット効果が低減されます。 Stealth RNAi™ siRNAのセンス鎖は、RNAi活性に関与しないため、オフターゲット効果に寄与しません。

 

図2。 Stealth RNAi™ siRNAにおいてはターゲットに対する特異性が向上しています。

より高い安定性

Stealth RNAi™ 修飾 siRNA は、従来のsiRNAと比較した時、安定性も向上しています。 従来のsiRNAは、ヌクレアーゼを含む血清中では時間が経つにつれ劣化し、動物に使用するには好ましくない状態になってしまいます。

図3。 Stealth RNAi™ siRNAは、標準的なsiRNAと比較して、血清中でより安定です。

 しかし、Stealth RNAi™ siRNAは最大72時間安定性を維持し(図3)、動物モデルを含むプロジェクトに最適なものとなっています。 この柔軟性により時間が節約でき、動物研究や細胞培養研究で異なる分子を開発し、検査を行う必要性がなくなります。

Stealth RNAi™ siRNAは、血清中におけるヌクレアーゼ分解に対して安定化されています。 10%マウス血清中でのインキュベーション後0、4、8、24、48および72 時間における、非修飾21-mer二本鎖RNAシークエンス(左パネル)および対応するStealth RNAi™ siRNAシークエンス(右パネル)。 インキュベーション後試料をNovex® 15%TBE-Ureaポリアクリルアミドプレキャストゲル上で分離しました。

より少ない細胞毒性

標準のsiRNAを用いた研究では、siRNAが、成長阻害や細胞の毒性を引き起こすインターフェロン反応などの細胞ストレス反応経路を誘導しうると報告されました。 これにより、観察される細胞の表現型が非特異性のストレス反応によるものなのか、標的の遺伝子の機能喪失によるものなのか判断が難しくなります。 Stealth RNAi™ siRNAは、PKR/インターフェロン反応経路の誘導をなくす次世代RNAi 分子であり、RNAi実験で確かな結果を保証しています(図4)。 Stealth RNAi™ siRNAを使用することで、結果の解釈をわかりにくくしてしまう細胞のストレス反応を活性化させるという危険を冒すことなく、強力な遺伝子ノックダウンが可能になります。

siRNAシークエンスはA549細胞への導入後に複数のインターフェロン遺伝子を誘導しました。 同じシークエンスのStealth RNAi™ siRNAバージョンは、インターフェロン応答遺伝子の発現パターンを変化させませんでした。

 

図4。 Stealth RNAi™ siRNAはインターフェロン応答遺伝子の誘導を回避しています。

概要

関連 一般的なsiRNA Stealth RNAi™ siRNA
Off-target効果siRNAのセンス鎖配列が、他のターゲットと相同性を持つ場合に起こり、目的としていないmRNAの分解につながります。アンチセンス鎖だけがRNAiに寄与する事により、望まないOff-target効果を回避します。 Stealth Select RNAi™ siRNAの最先端の特異性アライメントはオフターゲット効果の可能性をさらに制限しています。
siRNA 分解非修飾RNAは細胞培養液中において速やかに分解され、細胞培養液中での寿命は長くないと考えられます。また、多くのin vivoアプリケーションにおいて、あまり有効ではない可能性があります。Stealth RNAi™ siRNAの化学修飾は、細胞培養液および血清中においてより長寿命と安定性を実現し、in vivoアプリケーションまで適用可能です。
非特定的な毒性ストレス応答siRNAは非特異的な細胞内ストレス経路を誘導し、細胞死や遺伝子の基礎的発現を変えてしまい、RNAi効果の解釈を困難にする事があります。Stealth RNAi™ siRNA の化学修飾は、非特異的な細胞内ストレス応答経路の誘導を最小にします。
スクリーニング時の偽陽性および偽陰性の結果の増大Off-targetおよび非特異的影響は偽陽性に結びつく場合があります。 古いアルゴリズムおよびバイオインフォマティックデータは
偽陰性の増加につながる可能性があります。
Stealth Select RNAi™ siRNAは、標的からの逸脱と非特異なものへの影響を削減し、最も進んだ設計アルゴリズムと最新のバイオインフォマティクスで作られています。


図 5 非修飾21-merのsiRNAに関する最も一般的な課題への、Stealth RNAi™ siRNAによる対処機構

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