MicroRNAの機能解析の新しいツール

mirVana™ miRNA Mimicsと Inhibitors

mirVana™ miRNA mimics &inhibitorsは一連の生物がもつmiRNAの機能を解析し、ターゲット遺伝子の抑制における役割を検証するツールになります。 Life Technologiesは第二世代のmimicsとInhibitorsを販売しました。新製品は第一世代よりmimicsにおいては特異性、Inhibitorsにおいては性能を向上させました。 mirVana™ oligonucleotidesはin vitro 用と in vivo用がございます。こららは最新のSanger miRBase をもとに作成されています。

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Mimics の卓越した特異性

mirVana™ miRNA mimics は、化学修飾された短い二本鎖 RNA 分子です。内在性の成熟 miRNA を模倣し、結果としてターゲット mRNA の翻訳を人為的に抑制します。一部のケースでは、ターゲットmRNAの転写産物の量も低下します。 天然の miRNA と同様に、mimicは二本鎖です。成熟miRNA区域を含む鎖は、機能的で、Argonaute(Ago)タンパク質によってターゲット mRNA に働きかけます。スター側の鎖(スター鎖)は、非機能的で、切り離されて複合体から排除されます。 mirVana™ miRNA mimics の化学修飾が スター鎖を不活化させているため、ガイド鎖(目的の成熟 miRNA 配列)が確実に Ago に取り込まれmiRNAとして機能します(図 1)。mirVana™ miRNA mimics は、濃度わずか 0.3 nM で最大かつ安定した効果を実現します。個別、単品製品、またはライブラリーで販売を行っています。

 

mirVana™ miRNA mimics の高い特異性 
図1 mirVana™ miRNA mimics の高い特異性
HeLa 細胞に異なる 6 種類の miRNA mimics(濃度 3 nM)とmimicsに対応するレポーター プラスミドをCotransfectionしました。 各miRNA mimic鎖に対するレポーター遺伝子の発現の倍率変化は、ネガティブ コントロール(1.0 に設定)に対する、Mimic存在下でのレポーター遺伝子の発現量から決定しました。レポーター遺伝子はmiRNA mimicの成熟鎖が活性を見ることができるフォワード(Fwd)と非機能的なスター鎖の活性をみるためのリバース/相補(Rev)の双方向にクローニングされています。 6 つの mimics すべてで、成熟型配列の活性が高く(レポーター遺伝子の発現がネガティブ コントロールに比べ 5 〜 10 分の 1)、スター側配列の活性が低いかまたは不検出(ネガティブ コントロールと同等)でした。

卓越した性能の Inhibitors

mirVana™ miRNA inhibitors は、化学修飾された一本鎖オリゴヌクレオチドです。内在性 miRNA 分子に特異的に結合し、その活性を抑制することで人為的にターゲット mRNA の翻訳を増加させます。 in vitro 実験において、競合他社の製品と比べると、mirVana™ miRNA inhibitors は、一番低い濃度で、最高の性能を発揮しています(図 2)。 mimics と同様 mirVana™ miRNA inhibitors も、個別、単品製品、またはライブラリーで販売を行っています。

 

競合製品より高い性能を発揮するmirVana™ miRNA inhibitors 
図 2。競合製品より高い性能を発揮する mirVana™ miRNA inhibitors。 mirVana™ miRNA inhibitors と他社の 2 種類の let-7 inhibitor を、それぞれ Lipofectamine® RNAiMAX 試薬を用いて濃度 10 nM で HeLa 細胞に導入しました。 24 時間後、TaqMan® assays(Roche Molecular Systems, Inc.)を使用した qRT-PCR で HMGA2 mRNA の発現レベルを測定しました。

In Vivo Readyツールのメリット

mirVana™ miRNA mimics and inhibitors は、in vitroin vivo どちらのアプリケーションにも対応できます。細胞ベースシステムには Lipofectamine® RNAiMAX Transfection Reagent を使用してバリデーションされ(図 2)、in vivo のアプリケーションには Invivofectamine® 2.0 試薬を使用してバリデーションされています(図 3、4)。 これらのオリゴヌクレオチドには毒性がなく、動物モデルを使用した実験では免疫反応を引き起こしませんでした。 In vivo 用 mirVana™ miRNA mimics と inhibitors は、HPLC と透析によって精製されており、そのまま in vivo 用に使用できます。

 

mirVana™ miRNA inhibitors が in vivo で miRNA を効果的に抑制 
図 3. mirVana™ miRNA inhibitors は、in vivo で miRNA を効果的に抑制します。miR-122 および Negative Control #1 のmirVana™ miRNA inhibitorsを、Invivofectamine® 2.0 試薬を使用して Balb-C マウスの尾静脈に用量 7 mg/kg で 3 日間連日注射しました。 最後の静注から 24 時間後、肝臓に含まれる miR-122 の 4 種類のターゲット遺伝子の発現レベルを TaqMan® assays で測定しました。 miR-122 inhibitor で処理したマウスでは、未処理のマウスやNegative controlを投与したマウスに比べ、4 つの mRNA すべての発現量が大幅に増加していました。 この結果は、mirVana™ miRNA inhibitors が Invivofectamine® 2.0 によって効果的に肝臓に導入され、miR-122 を不活化したことで miR-122 によって本来抑制されていた遺伝子が活性化されたことを示しています。

 

in vitroおよびin vivoでのトラッキングを可能にした蛍光標識mirVana™ miRNA mimcs と inhibitors 図4。 in vitro および in vivoでのトラッキングを可能にした蛍光標識mirVana™ miRNA mimcs と inhibitors (A) Alexa Fluor® 647 dye で標識した inhibitor を Invivofectamine® 2.0 試薬を使用して Balb-C マウスの尾静脈に注射しました。 24 時間後、マウスの肝臓を取り出し、解析しました。 肝切片に含まれる mirVana™ miRNA inhibitors は簡単に可視化され(赤は Alexa Fluor® 647 dye で標識した miRNA、緑は Alexa Fluor® 488 Phalloidin、青は DAPI)、肝細胞に効果的に導入されていることを示しています。 (B) 未標識 mirVana™ miRNA inhibitor を導入したマウスの肝切片。 蛍光標識した mimics and inhibitors は、カスタムオーダーにて承っております。蛍光標識は、mimics や inhibitors の生物活性に影響を与えません。

 

バリデーションされたPositive ControlおよびNegative Control

mirVana™ miRNA mimic miR-1 Positive Control は、mirVana™ miRNA mimics を使用する実験にルーチンに使用できます。 この mimic は、別名PTK9 とも呼ばれる twinfilin-1 の発現を mRNA レベルで効果的に抑制します(抑制率 60 〜 95 %)。 mirVana™ miRNA mimic Negative Control #1 は、ヒト、マウスまたはラットいかなる遺伝子もターゲットとしない独自の配列にデザインされています。ヒトとマウスの細胞株や組織で試験し、既知の miRNA 機能に明確な影響を与えないことが立証されています。

mirVana™ miRNA inhibitor let-7 Positive Control は、mirVana™ miRNA inhibitors を使用した実験でバリデーションされています。 恒常的に発現する非ヒストン性クロマチン タンパク質 HMGA2 は、クロマチン構造を変化させることで遺伝子発現を調節しますが、内在性 let-7 miRNA は、この HMGA2 を発現を抑制します。 let-7 inhibitor を導入すると、HMGA2 のmRNA の著しい増加が qRT-PCR で確認できます(図 2)。 また mirVana™ miRNA inhibitor Negative Control #1 は、ヒト、マウスまたはラットのいかなる遺伝子もターゲットとしない独自の配列にデザインされています。ヒトとマウスの細胞株や組織で試験し、既知の miRNA 機能に測定可能な影響を与えないことが立証されています。

可能性の探索

複数の miRNA を効果的にスクリーニングするため、miRBase 配列データベース Ver 17 の miRNA をもとにした mirVana™ mimic 及びinhibitor ライブラリの販売も行っています。 mirVana™ miRNAs 製品群の詳細をご覧ください。

リソース

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本製品は研究用試薬です。 動物またはヒトの治療もしくは診断には使用できません。

For Research Use Only. Not for use in diagnostic procedures.