Artistic rendering of Phusion Plus Polymerase synthesizing DNA

より良好な結果、よりシンプルなセットアップ、信頼できるPCR酵素

Thermo Scientific Phusion Plus DNAポリメラーゼは、数千もの研究論文に引用されているPhusionハイフィデリティDNAポリメラーゼファミリーに新たに加わった製品です。Phusion Plus DNAポリメラーゼはホットスタートのプルーフリーディングPCR酵素として、非常に高い配列精度、感度、および特異性でPCRアンプリコンを作成できます。また、ユニバーサルアニーリング機能によりプライマーのアニーリングステップを簡素化するため、プライマーのアニーリング温度の計算を省略できます。

ご注文

特長

  • 高い配列精度Taq酵素の100倍以上のフィデリティのPCR
  • 簡素な反応セットアップ—独自のバッファー組成により、プライマーのアニーリング温度の計算が不要
  • 向上した特異性とベンチトップでの安定性—ホットスタート修飾はPCR特異性と構成反応の室温安定性を向上
  • 堅牢なPCR—GCリッチ配列や阻害物質を含有するDNAの効率的な増幅;15~30秒/kbの高速伸長
  • ピペッティングステップの低減—直接ゲルにロードできる色素あり、およびなしのマスターミックスフォーマットを利用可能


PCRの利便性と結果の向上

動画:より良好な結果、よりシンプルなセットアップ、信頼できるPCR酵素によるPCR

Phusion Plus DNAポリメラーゼが従来のDNAポリメラーゼよりも優れている5つの利点についてのビデオをご覧ください。

Phusion Plus DNAポリメラーゼのサポートデータ

Phusion Plus DNAポリメラーゼは非常に高いフィデリティを有するプルーフリーディング酵素として、エラーが非常に少ないアンプリコンを作成するため、PCR配列の正確性を確保します。

Bar graph of fidelity values of high-fidelity PCR enzymes

図1.Taq DNAポリメラーゼに対するハイフィデリティポリメラーゼのフィデリティ。エラー率は、分子バーコードを使用して次世代シーケンシングにより決定し、続いてTaq DNAポリメラーゼに対して標準化しました。

Phusion Plus DNAポリメラーゼを使用する場合、その独自のバッファー組成により、アニーリング温度を決定するためにプライマーの融解温度(Tm)を計算する必要がありません。計算したプライマーTmに関係なく、すべてのターゲットを60℃のユニバーサルアニーリング温度で増幅できます。またこの酵素は、オリジナルのPhusionプロトコルに従って計算したアニーリング温度でも機能します。

PCR gel images of a universal annealing temperature vs. calculated annealing temperatures

図2.2つのアニーリング条件でのPCRサイクリング。計算したアニーリング温度(各レーンの上に表示)が異なる12のターゲットを、 60 ngのヒトゲノムDNA(gDNA)からユニバーサルアニーリング温度60℃(左)、またはTm calculatorで計算したアニーリング温度(右)で増幅しました。分子量マーカーとしてThermo Scientific ZipRuler Express DNA Ladder 2を使用しました。

Phusion Plus DNAポリメラーゼのユニバーサルアニーリング性能は、ユニバーサルなサイクリングプロトコルも可能にするため、複数のPCRランを回避し、時間を節約するのに役立ちます。鎖長が異なるターゲットに対して、1つのアニーリング温度(60℃)と、最長のアンプリコンに基づいた1つの伸長時間を使用—つまり、同じブロック上で異なるターゲットを同時サイクリング—でき、PCRの収量や特異性を損なうことはありません。    

PCR comparing co-cycling vs. individual cycling of different targets

図3.Phusion Plus DNAポリメラーゼを使用して、異なるPCRターゲットを同時サイクル可能。ヒトgDNAから長さの異なる5つのターゲットを次の2つの条件で増幅しました;(左)すべてのターゲット(最長は7.5 kb)に対してユニバーサルサイクリングプロトコルを用い、最長アンプリコンの伸長時間(7.5kbで3分45秒)を使用、または(右)ターゲットごとに計算した異なる伸長時間(0.3 kbには9秒、0.7 kbには21秒、2 kbには60秒、3.9 kbには2分、7.5 kbには3分45秒)による別々のサイクリングプロトコルを使用。分子量マーカーとしてZipRuler Express DNA Ladder 2を使用しました。

Phusion Plus DNAポリメラーゼの結合体分子仲介ホットスタート修飾が反応セットアップ中の酵素活性とプライマーの分解を防止するため、PCR特異性と収率が向上します。

PCR gel images of 0.3 to 7.5 kb amplicons using different DNA polymerases
図4.Phusion Plus DNAポリメラーゼを使用して、高い収率と特異性を実現。さまざまなDNAポリメラーゼを製造業者の推奨に従って使用し、100 ngのヒトgDNAから0.3~7.5 kbのDNAターゲットを増幅しました。分子量マーカーとしてThermo Scientific GeneRuler 1 kb Plus DNA Ladderを使用しました。

Phusion Plus DNAポリメラーゼは、その厳密なホットスタート修飾により、室温で最大24時間安定した反応を実現し、ロボットまたはリキッドハンドリングシステムによるハイスループットPCRを可能にします。

図5.Phusion Plus DNAポリメラーゼのベンチトップでの安定性。さまざまなホットスタートDNAポリメラーゼを製造業者の推奨に従って使用し、50 ngのヒトgDNAから0.5 kbのターゲットを増幅しました。 構成されたPCR反応をサーマルサイクラーで直ちに実行(0 hr)、またはサイクリング前に室温で24時間にセット(24 hr)しました。分子量マーカーとしてGeneRuler 1 kb Plus DNA Ladderを使用しました。

Phusion Plus DNAポリメラーゼは、わずか0.08 ngのヒトゲノムgDNAからターゲットを検出できます。

Gel images showing PCR sensitivity using different DNA polymerases
図6.Phusion Plus DNAポリメラーゼの高い感度。さまざまなDNAポリメラーゼを製造業者の推奨に従って使用し、さまざまな量のヒトgDNAから0.5 kbのターゲットを増幅しました。分子量マーカーとしてGeneRuler 1 kb Plus DNA Ladderを使用しました。

Phusion Plus DNAポリメラーゼは、その融合タンパク質技術とバッファー組成の変更を組み合わせることにより、PCRにおいて、植物(キシランなど)、土壌(フミン酸など)、および血液(ヘミンなど)の阻害物質に対するより高い耐性を発揮します。

Gel images showing enzyme inhibitor tolerance using different DNA polymerases
図7.Phusion Plus DNAポリメラーゼの高い阻害耐性。さまざまなDNAポリメラーゼを製造業者の推奨に従って使用し、50 ngのヒトgDNAから2 kbのターゲットを増幅しました。反応混合物は、最終濃度として1—阻害物質なし、2—フミン酸(0.5 µg/mL)、3—ヘミン(2.5 µM)、または4—キシラン(250 µg/mL)を含有します。分子量マーカーとしてGeneRuler 1 kb Plus DNA Ladderを使用しました。

Phusion Plus DNAポリメラーゼはPhusion GC Enhancerが添付しているため、GC含量が>65%の配列をより効率的に増幅します。

PCR gel images of five GC-rich targets

図8.効率的なGCリッチ配列増幅が可能なPhusion Plus DNAポリメラーゼ。さまざまなDNAポリメラーゼをGCリッチPCRに対するメーカーの推奨事項に従って使用し、50 ngのヒトgDNAからGC含量(その%を図に表示)が多い5つのターゲット(0.78 kb、0.74 kb、0.72 kb、0.66 kb、および0.55 kb)を増幅しました。分子量マーカーとしてZipRuler Express Ladder DNA 2を使用しました。

Phusion Plus DNAポリメラーゼの高い処理能力は、長鎖DNA断片—ヒトgDNAから最長10 kb、およびラムダDNAから最長20 kb—の増幅を可能にします。15~30秒/kbという高速な伸長速度により、サイクリング時間が大幅に短縮します。

PCR gel images of 9 kb and 18 kb targets

図9.Phusion Plus DNAポリメラーゼの増幅範囲。Phusion Plus DNAポリメラーゼを使用して、2つテンプレート量から18 kbのヒトgDNAターゲット(左)と9.1 kbのラムダDNAターゲット(右)を確実に増幅できました。分子量マーカーとしてGeneRuler 1 kb Plus DNA Ladderを使用しました。

Phusion Plus、Phusion、およびPhusion Hot-start II DNAポリメラーゼの比較

次の表は、Phusion Plus DNAポリメラーゼと以前の技術的特徴を比較したものです。改良された性能を青色で示しています。

 Phusion Plus DNAポリメラーゼPhusion High-Fidelity DNAポリメラーゼPhusion Hot-Start II DNAポリメラーゼ

正確な配列を実現するフィデリティ

Taq酵素との比較)

>100倍52倍52倍
TMの計算不要必要必要
特異性を高めるホットスタート修飾ありなりあり
PCR感度+++++++

増幅長

(ヒトgDNA/ラムダDNA )

最長10 kb/20 kb最長7.5 kb/20 kb最長7.5 kb/20 kb

GCリッチの増幅

+++++++
阻害物質耐性+++++++
スタンドアローン酵素
マスターミックス

*PCR産物を直接ゲルにロードするためのグリーントラッキング色素と濃度試薬が付属
Phusion PlusとPhusion DNAポリメラーゼの性能比較

その他のPhusionフォーマットは選択表をご確認ください

Phusion Plus DNAポリメラーゼのご注文情報

オリジナルのPhusionおよび関連製品のご注文は、ご注文表をご確認ください

For Research Use Only. Not for use in diagnostic procedures.