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費用対効果の高い、スケーラブルなアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターの産生は商業化を実現する上で重要であり、臨床用の製造への円滑なスケールアップが不可欠です。こうしたニーズに対応するため、当社は製造コストの削減と、研究から臨床スケールへの効率的な移行をサポートする包括的なAAV産生システムを開発しました。
図1.Gibco AAV-MAX Helper Free AAV Production Systemの構成品
Gibco AAV-MAX Helper Free AAV Production Systemには、クローナル HEK293F 由来の浮遊細胞、化学的に定義された動物由来成分不含である無血清培地および独自のトランスフェクション試薬、ブースター、エンハンサー、そしてポリソルベート20ベースの溶解バッファーが含まれます。
AAV-MAXシステムは、浮遊系AAV産生のためのスケーラブルで高力価のプラットフォームを提供します。このシステムでは、クローナル293F由来のViral Production Cells 2.0をViral Production Mediumで高密度に浮遊培養を行ないます。高度な脂質ナノ粒子トランスフェクション試薬と新規の産生エンハンサーを併用することにより、最適なウイルス力価を得ることができます(図1)。
AAV-MAXシステムの構成品は相乗的に機能するようにデザインされており、力価が最大化するため、試薬やプロトコルを最適化する必要がありません。トータルシステムを使用することにより、個々に製品を組み合わせたり、従来のポリエチレンイミン(PEI)ベースのトランスフェクション試薬を使用した場合と比較して、より効果的に高い力価が得られます(図2)。
図2.AAV-MAXのトータルシステムは、他のトランスフェクション試薬に比べて最大のAAV力価を実現 AAV-MAXシステムを使用し、125 mLシェーカーフラスコを用いて30 mLスケールでAAV2およびAAV6を製造しました。これらのデータは、他のトランスフェクション試薬を使用した場合に観察された低い力価に比べて、トータルシステムを使用したときに最も高い力価が得られたことを示しています。力価は 定量PCR で測定しました。データはAAV-MAXシステムの力価(vg/mL)にに合わせてノーマライズしました。
革新的なAAV-MAX Helper-Free AAV Production Systemは、AAV産生に必要なすべての構成品からなる最適化された浮遊システムであり、複数のAAVセロタイプにおいて高力価のAAVベクターを円滑かつ効率的に産生します。
図3.AAV-MAXシステムは複数のAAVセロタイプにおいて高力価を実現。125 mLシェーカーフラスコを用いて30 mLスケールで5種類のセロタイプのAAVを産生しました。5種類のセロタイプすべてにおいて、高力価、高い細胞生存率および生細胞密度(VCD)がデータで示されました。力価の測定は定量PCRで行いました。
AAV-MAXシステムは、PEIベースの産生システムと比較して、より少ない分量で同等のウイルス力価を得ることが可能です。その結果、培地やダウンストリームの精製、ラボスペース、労力の節減につながります。
この利点は、より小さなバッチ単位で作業することで、コンタミネーションのリスクも軽減できます。また、AAV-MAXシステムは、他のトランスフェクション試薬に比べて1 x 106細胞あたりに必要なプラスミドDNA量が少なくて済むため、製造コストのさらなる削減が可能です。
既存のAAV産生システムには、力価が低い、cGMPプラスミドDNAのコストが高い、スケーラビリティがない、目的にかなったcGMP試薬がないといった課題があります。AAV-MAXシステムはこうした課題を解決し、スケールアップのニーズに合わせ、容積あたりのウイルス力価を維持するスケーラブルな浮遊プラットフォームによって、AAV産生のために開発された最適化済みおよび規制準拠*の試薬を用いて、高力価のAAVを産生することができます。
* cGMPバンク化細胞は CTS AAV-MAX Helper Free Production System(2022年発売予定)でご利用可能になります。
本ページに掲載されている製品の用途は変更される可能性があります。用途の詳細な説明については、製品ラベルをご確認ください。
For Research Use Only. Not for use in diagnostic procedures.