ドラッグデリバリーシステムと剤形開発に適した製薬用エクストルーダー

新薬の開発において、市場投入までの期間短縮、高価なAPIの浪費削減、開発コストの最小化は、製薬メーカーにとって大きな課題で、これらを改善することは明確な優位性をもたらします。当社の薬用エクストルーダーと関連する分析装置は、フィージビリティスタディから生産までの過程を短縮し、医薬品製剤の課題克服に貢献します。


製薬用押出混錬テクノロジー

コンパウンディングおよび押出混錬は100年以上前から製造現場で使用されてきましたが、新しい医薬品製剤においても重要なツールとなっています。その用途は、難溶性APIの溶解度やバイオアベイラビリティーの向上、非効率なバッチ処理から効率的な連続生産への移行、そして注入型インプラントなどの新しいデリバリーシステムの製造に及んでいます。

製剤開発

製薬用エクストルーダーは汎用性に優れたツールで、経口固形剤の製剤化や剤形開発に適しており、新しいドラッグデリバリーシステムの開発にも対応しています。

製薬用エクストルーダーによる溶解性とバイオアベイラビリティーの向上

米国および欧州で販売されている新開発化合物の90%と主要な経口固形剤の約40%は、概して溶解度が高くありません。こうした課題を克服するため、ホットメルトエクストルージョンでは、APIと各種ポリマー賦形剤の混練を分子レベルで実施し、さまざまな固体分散体を形成しています。これらの分散体はその物理および化学的特性に応じて、薬物の有効期間の長期化、粒子サイズの小型化、そして可溶化賦形剤との組み合わせによるバイオアベイラビリティーの向上をもたらします。

製薬用エクストルーダーによる連続造粒

造粒は、もっとも一般的な薬剤形態である錠剤やカプセルを製造する際の重要な加工ステップです。従来、製薬メーカーはこのような経口剤形のバッチ製造を行ってきましたが、これは労働集約的でエラーが発生しやすく、歩留まりも高くありません。効率的な高せん断ミキサーでもある二軸スクリューエクストルーダーなら、連続的な造粒が可能です。このプロセスは安定した状態にある限り人間の介入が不要で、オンラインモニタリングにより一貫して高い製品品質が確保されます。

製薬用エクストルーダーによる新たなドラッグデリバリーシステム開発

新たなドラッグデリバリーシステムは、よりターゲットを絞った薬物作用を提供することで、服薬コンプライアンスの向上や副作用の軽減に貢献します。注入型インプラント、経皮パッチ、口腔内分散フィルム、柔軟な避妊用の膣リングなどは、製薬用エクストルーダーで作られた最先端ドラッグデリバリーシステムのほんの一例にすぎません。


製薬用エクストルーダーの特長

柔軟性に優れGMPおよび規制要件に準拠した製薬用エクストルーダー

Thermo Scientificの製薬用エクストルーダーは、研究から生産にいたる医薬品開発において世界中で使用されています。当社装置の技術的優位性は包括的なドキュメンテーションによって裏付けられており、これらは関連するGMPおよび規制要件のすべてに準拠しています。その中には、材料証明書と表面測定値、配線図とキャリブレーションプロトコル、FAT/SATプロトコル、そして装置のIQ/OQに対するフルサービスサポートも含まれています。いずれのエクストルーダーも21 CFR Part 11に準拠しており、バッチ記録と検査プロトコルのオプションも提供されているため、商業生産にも適しています。

医薬品製造におけるホットメルトエクストルージョン(HME)の未来について

"HMEはスプレードライとは異なり、完全な溶剤フリーのプロセスでもあります。そのため、溶媒中で不安定な化合物にはHMEが選ばれています。"

スペースと時間を節約する製薬用エクストルーダー

Pharma 24二軸スクリューエクストルーダーはコンパクトなデザインで、同程度のスループットのエクストルーダーよりもはるかに少ないスペースしか必要としません。Pharma 11二軸スクリューエクストルーダーは設置面積の小ささも特徴の1つで、ラボのグローブボックス用途での使用も簡単です。

 

当社の製薬用エクストルーダーはすべて水平分割式バレルを備えており、エクストルーダーのどのモデルでもこれらを開けば簡単にクリーニングとプロセス確認が行えます。プロセス停止時も簡単にバレル内部にアクセスできるため、プロセスの最適化とシステムのメンテナンスを迅速に進めることができます。

ホットメルトエクストルージョンと造粒の切り替えが簡単

当社は広範なアクセサリーとダウンストリーム装置を用意しているため、R&Dおよび商業スケールのいずれの生産環境でも、非常に柔軟なアプリケーションセットアップが可能です。当社のすべての製薬用エクストルーダーは、ホットメルトエクストルージョンと二軸スクリュー造粒プロセスを切り替えられるため、単一の装置でまかなえるアプリケーション範囲が広がります。

押出混錬プロセスを簡単にスケールアップ

スケールアップの成功とは、生産スケールのエクストルーダーに入った材料が、より小規模なラボスケールのエクストルーダーと同じプロセスをたどることと定義できます。一般的にこれは、エクストルーダー内での材料の保持時間が同じで、分解されることなく溶解と混合の両方が進むことを意味します。スクリューの形状は、当社の多様なパラレル二軸スクリューエクストルーダーのすべてで、意図的に同様のものが使用されています。これはラボプロセスを生産環境に移行する際に有用で、科学的なアプローチに従ってプロセスの再検討を回避することができます。

製薬用エクストルーダー

ラボから製造ラインまでをカバーする当社の製薬用二軸スクリューエクストルーダーは、適切な材料スループットをもたらす柔軟な混練設定を提供します。製品接触部の材質に関するGMP規制に完全準拠した当社の装置には、適格性関連の包括的なドキュメンテーションおよびCFR 21 Part 11準拠のソフトウェアが付属しています。

Pharma 11二軸スクリューエクストルーダー

Pharma 11二軸スクリューエクストルーダーは、材料効率と作業効率に優れた押出混錬および造粒プロセスを実現します。装置のスループットレベルを20 g/hourから最大2.5 hg/hourの範囲で変更できるため、R&Dでの作業にも小規模な商業生産にも同様に適しています。後者の場合、業界標準のPLCにより、既存のプロセス制御システムとの統合も簡単に行えます。
21 CFR Part 11準拠のサポートおよびバッチレポート/監査証跡オプションも利用可能です。

Pharma 16二軸スクリューエクストルーダー

Thermo Scientific Pharma 16を利用することで、医薬品の製剤開発を迅速化し、連続的な処理メソッドを導入することができます
二軸スクリューエクストルーダー。医薬品プロセス開発パラメーターの最適化を、従来のバッチプロセスよりも少ない時間と労力で達成できます。Pharma 16エクストルーダーで開発したプロセスの場合、より大型のThermo Scientificエクストルーダーへのスケールアップをしても、必要とされる高価なAPIや賦形剤は最小限の量で済みます。

Pharma 24二軸スクリューエクストルーダー

Pharma 24二軸スクリューエクストルーダーは、ホットメルトエクストルージョンと二軸スクリュー造粒の両方に対応できるため、医薬品のR&Dや生産時の連続処理に最適です。Pharma 24エクストルーダーは、クリーンルーム内の設置に必要な面積を最適化しつつ、一貫性のある制御可能な処理、プロセス切り替え時間の短縮、オンデマンド生産、スケールアップリスクの低減、信頼性に優れた洗浄を実現します。


エクストルーダーについて学べるe-learning

製薬、食品、ポリマーなどの分野におけるエクストルーダーのアプリケーションや、当社エクストルーダーの特長など幅広い内容のオンデマンド・コンテンツを日本語版にて用意しております。ぜひご視聴ください。