Search Thermo Fisher Scientific
Search Thermo Fisher Scientific
Thermo Scientific Orbitrap IQ-Xトライブリッド質量分析計は、化合物同定や低分子分析のために複雑な化学構造を明らかにするように設計されています。このシステムは、業界をリードする質量分析技術に、インテリジェントな自動化、直感的なソフトウェア、リモートのハンズフリーキャリブレーションを組み合わせることで、低分子の特性評価と同定の複雑さに対応し、解析意義のあるデータを自信をもって収集することができます。
このシステムでは、データ取得から解析まで、複雑なサンプル中の微量の分析物をより多く捉え、構造解明と未知の化合物アノテーションを行うことができます。Thermo Scientific AcquireXワークフローによるインテリジェントなデータ取得により、より多くの化合物を明らかにし、Real-Time Library Searchにより、データ取得と同時にスペクトルライブラリマッチングを行い、低分子同定することで信頼性を高めます。
テンプレートおよび即座に使用可能な実験パラメーターを備えた装置制御ソフトウェアは、複雑なサンプルを迅速にプロファイリングできるように設計されています。専用のAuto-Readyイオン源ハードウェアを使用した自動装置キャリブレーションで、セットアップ時に装置をすぐ使用できます。
インテリジェントなReal-Time Library SearchとAcquireXデータ取得ツールは、MSⁿデータ取得を自動化し、プロファイリング効率を向上します。より深い分析を可能にする化学構造を明らかにできるフラグメント情報を持つ化合物をより多く得ることができます。
データ取得・解析ツールの包括的な統合セットにより、複雑なサンプルから情報量の多いMSⁿデータを自信を持って迅速に作成することができます。
MSⁿマススペクトルツリー、新しいスペクトル予測技術、in-silicoフラグメンテーションモデリング、プリカーサーイオンフィンガープリントなどのLC-MSソフトウェアツールは、既知物質を特定し、未知物質の構造解明に役立ちます。
Orbitrap IQ-Xトライブリッド質量分析計は、装置のハードウェア設計と効率的で包括的なデータ取得ワークフローにより、低分子の同定、解析、定量を行うための最適なソリューションです。
実績のあるトライブリッドアーキテクチャは、四重極、リニアイオントラップ、およびThermo Scientific Orbitrap HR/AM技術を組み合わせ、あらゆるサンプルから豊富なMSⁿデータを取得します。複数のフラグメンテーション技術:衝突誘起解離(CID)、高エネルギー衝突解離(HCD)、およびオプションの紫外光解離(UVPD)は、MSⁿのどの段階でも利用可能で、イオントラップまたは超高分解能Orbitrap質量分析計で検出します。
Orbitrap IQ-Xトライブリッド質量分析計全体を通して、クラス最高レベルのテクノロジーが確かな結果をもたらします。Auto-Readyイオン源は、専用のハードウェアでキャリブレーションを標準化し、長期間にわたって安定した性能をサポートします。Thermo Scientific EASY-ICイオン源は、第2のイオン源を使用して特定の較正イオンを生成し、装置の質量精度を1 ppm未満にリアルタイムで調整しますることで、スキャンごとのばらつきを補正し、優れた質量精度を実現します。高度な四重極技術には、セグメント化された四重極マスフィルターが含まれており、0.4 m/zまでの狭い単離幅で高い透過率を実現し、感度と選択性を向上させています。超高電場Orbitrapアナライザーは、m/z 200で最大500,000の分解能を達成し、目的のイオンと干渉イオンを識別することができます。また、オプションで最大1,000,000(1M)の分解能を得ることができ、微細な同位体構造を調べることができます。デュアルプレッシャーリニアイオントラップは、最大45 HzのMSⁿ速度と、3つの相補的なフラグメンテーションタイプの高感度質量分析を提供します。CID、HCD、およびオプションのUVPD。
Real-Time Library Search テクノロジーは、ローカルでカスタマイズ可能なmzVaultライブラリに対してデータ取得と同時にスペクトル検索を行い、検索結果に基づいてMSⁿスキャンのトリガーとすることができます。インテリジェントな技術を使用することで、代謝物の同定や特性解析の信頼性が向上し、異性体の構造分析が可能となります。
Met-IQデータ取得では、Real-Time Library Searchテクノロジーを用いて、薬物代謝物やプロドラッグなど、既知の化合物と構造的に関連する未知の化合物を選択的に検出し、特性解析を行うことができます。
AcquireXワークフローは、低分子構造解明の同定を向上させるためのソフトウェア分析ツール一式で、より多くの微量な分析物を捕捉します。AcquireXデータ取得ツールを使用すると、ワークフローが大幅に合理化され、ボトルネックが減少し、同定と特性解析の両方を迅速に実行可能になります。
AcquireXデータ取得は、5種類のワークフローをサポートし、実験の自由度を最大限に高めます。データ取得オプションにより、複数のサンプルを対象とした迅速なプロファイリングや、繰り返し測定による網羅的なサンプル調査が可能になります。各メソッドは、サンプルおよび研究全体を通した特性解析のために、構造解釈が可能なフラグメンテーションスペクトルが取得された化合物の品質と数を向上させます。
スマートノートをダウンロードして、AcquireXデータ取得が低分子研究の課題に対処し、ラボの効率を向上させながらフラグメントリッチなスペクトルデータでサンプルの特性を把握するのに役立つ方法をご覧ください。
Real-Time Library SearchをAcquireXデータ取得ワークフローをその他のツールと組み合わせ、MSⁿスペクトルを取得していない化合物数を劇的に減少させ、同定される化合物数を大幅に増加させます。Thermo Scientific Compound Discovererソフトウェアをさまざまなスペクトルライブラリ(Thermo Scientific mzCloudマススペクトルフラグメンテーションライブラリ)、化合物データベース、およびランク付けツール(Thermo Scientific mzLogicアルゴリズム)と組み合わせて使用することで、未知物質の同定と特性解析が大幅に向上します。スペクトルライブラリのフラグメンテーション情報や構造データベースを利用することで、より多くの化合物を短時間で確実にアサインすることができます。
Compound Discoverer質量分析データの解析ソフトウェアは、未知物質の同定、サンプル間に生じる真の差異の決定、生物学的経路の解明を効率的に行います。このソフトウェアは、ユーザーが生産的と信頼性の高い分析を行うために必要なツールをシームレスにつなぐハブとして機能します。
質量スペクトルライブラリによる低分子同定の課題にどのように取り組んでいるかをご紹介します。mzCloudスペクトルライブラリとThermo Scientific mzVaultソフトウェアは、ルーチンおよび研究アプリケーションにおける低分子同定の課題に対応するように設計されています。
mzCloud化合物データベースとmzLogicアルゴリズムのランク付けツールは、未知の推定物質の同定を支援し、迅速に答えを見つけて意思決定を行うのに役立ちます。これらのツールはオンラインで簡単に利用でき、広範なマススペクトルフラグメンテーションライブラリと構造データベースから構成されています。
Thermo Scientific Mass Frontierソフトウェアは、MSⁿスペクトルイオンツリー検索をサポートし、カスタムライブラリ作成を可能にします。このソフトウェアは、高品質で完全にキュレーションした実験スペクトルとフラグメンテーションライブラリを利用して、データを実用的な知識に変換する際に、より多くの洞察、理解、信頼性を提供します。
Orbitrap IQ-Xトライブリッド質量分析計が提供する高品質のMSⁿデータを使用した化合物アノテーションでは、プレカーサーイオンフィンガープリントと未知の代謝物の部分構造解析を組み合わせて、化合物同定における一般的なボトルネックに対処します。また、LC-MSを用いた構造解析には、MSⁿマススペクトルツリーやin-silicoフラグメンテーションなどのツールがあります。
上の図は、2つのフラボノイド構造異性体のMS/MSスペクトルを比較したもので、構造上の違いはアグリコン部分の構造のみです。ベースとなるアグリコンの部分構造に2つの糖環が追加されているため、プレカーサーイオンとMS/MSプロダクトイオンの質量誤差が小さいにもかかわらず、類似したMS/MSスペクトルパターンとなり、正しい構造同定ができません。ニュートラルロストリガーによるMS³を採用することにより、タンデムマススペクトル分析とそれに続くMS³の取得を行い、2つの異性体化合物を明確に定義することができました。
Thermo Fisher Connect Platformは、安全なクラウドベースのデータストレージ、科学的な分析アプリ、ピアコラボレーションツールなどのデジタル機能を備えた製品群の一部です。さらに、当社の資産管理ツールでは、ラボの装置の使用時間をリモートでスケジュールしたり、モバイルデバイスを介し測定をモニターしたりすることができます。
Thermo Fisher Connectを使えば、1 TBの無料ストレージを含む安全な個人アカウントへのファイルの接続、保存、同期が簡単にできます。ピアおよびドキュメント・コラボレーション・ツールは、安全なグループ・コラボレーションを可能にします。
質量分析ソフトウェアをはじめとするクラウドベースのテクノロジーがラボでどのように普及しているかをご紹介します。
仕様 | 項目 | 概要 |
---|---|---|
ハードウェア仕様 | Thermo Scientific OptaMax NGイオン源 | アライメントと安定性を向上させたスプレーヤー、交換可能なHESI/APCIプローブ、溶媒蒸気を効率的に除去する排気ポート設計などにより、ケミカルノイズの低減と稼働率の向上を実現しています。 |
Auto-Readyイオン源 | 専用エミッターとイオントランスファーチューブとイオン源を統合し、 キャリブレーションとメンテナンスを簡素化します。 装置制御ソフトウェアのインターフェースで直接制御し、結果をレポートできます 。 Thermo Scientific Pierce FlexMixキャリブレーション溶液の内部消耗品 通常の使用で3カ月以上持続します。 | |
電気力学的イオンファンネル | イオンを捕捉しながら、自動チューニングで広い透過曲線を生成し、イオン損失を低減して感度を向上。 | |
高度なActive Ion Beam Guide | 中性粒子や帯電クラスターが四重極マスフィルターに入らないように、軸方向のフィールドとローパスフィルターでノイズを低減。 | |
四重極マスフィルター | m/z 50~2,000までのプレカーサーイオンを高効率で透過させるMSⁿプリカーサーイオンセレクションと、0.4 amuまでの高特異性プレカーサー分離ウィンドウ幅。 | |
イオンルーティング多重極 | 高エネルギー衝突解離(HCD)を行う際に、MSⁿのどのステージでも、効率的なイオントラップと、Orbitrapおよびリニアイオントラップ質量分析計へのイオン輸送を実現。 | |
Orbitrap質量分析計 | m/z 200で最大500,000 FWHMの分解能と、最大240,000 FWHMの同位体忠実度を実現。m/z 200で1,000,000(1M)の分解能をオプションでサポート。 | |
デュアルプレッシャーリニアイオントラップ | デュアルダイノード検出器による広いリニアダイナミックレンジ、m/z 50~2,000のMSⁿプレカーサー分離、CID、HCD、オプションのUVPDを含む3種類のフラグメンテーションタイプによる高感度質量分析により、定量性が向上。 | |
真空システム | ステンレス製の高真空分析装置チャンバーを使用。 超高真空領域の圧力を<2×10-10に下げ、Orbitrap質量分析計へのイオン透過を向上。 スプリットフロー型ターボ分子ポンプを使用して、3つの領域で真空を制御。 | |
オプションのハードウェア | 紫外光解離(UVPD)イオン源 | クラス1、213 nmレーザーシステムを搭載、繰り返し周波数は2.5 kHz、パルスあたりの出力は>1.2 μJ。 |
100万(1M)分解能 | m/z 200で1,000,000 FWHMの超高分解能での質量測定が可能。 | |
Thermo Scientific FAIMS Pro Duoインターフェース | ディファレンシャルイオンモビリティに基づいくオンライン気相分離を行い、直交分離と選択性を実現。100 nL/minから1 mL/minの流速に最適化された性能を発揮。 | |
性能 | 質量範囲 | Full MSの質量範囲:50~2,000 m/z; Msⁿの質量範囲(検出のみ):40~2,000 m/z。 |
Orbitrap質量分析計の分解能 | m/z 200で7,500~500,000(FWHM)。 1Mオプションを使用すると、m/z 200で最大1,000,000(FWHM)をサポート。 | |
取得速度(定義された条件下) | Orbitrap質量分析計MSⁿ最大40 Hz。 イオントラップMSⁿ最大45 Hz。 | |
質量精度(定義された条件下) | <3 ppm RMS(外標準法)。 <1 ppm RMS、EASY-ICソースによる内部較正イオンを使用。 | |
MS/MSエレクトロスプレーイオン化(ESI)イオントラップの感度 | HESI IIIプローブを使い、50 fg/μLレセルピン溶液2 μL(合計100フェムトグラム)を500 μL/minの流量で注入。フルスキャンMSⁿモードにおいてユニット分解能で質量分析を行い、m/z 609のプロトン付加イオンをプレカーサーイオンとして単離し、強度の大きい2つのプロダクトイオンm/z 397とm/z 448をトランジションとしてS/N 100以上。フルスキャンMSⁿモードでユニット分解能で測定を行い、m/z 165~615をスキャン。 | |
ダイナミックレンジ | >5,000(単一のマススペクトル内で) | |
イオンルーティング多極を使用した多重化 | 標的MS²と選択イオンモニタリング(SIM)のために四重極マスフィルターを使用し、最大10個のプリカーサーを同時検出できます。 | |
極性切換 | 1.1秒で1サイクル(ポジティブモードで1フルスキャン、およびネガティブモードで1フルスキャン(分解能設定30,000))。 | |
設置要件 | 電源 | 単相200 V ±10%、30 A(50/60 Hz)(装置用、各電源は設置端子を有すること)単相100 V(データ解析用、各電源は設置端子を有すること) |
ガス | 超高純度ヘリウム(99.999%)。水、酸素、全炭化水素がそれぞれ1 ppm未満。APIソースおよびイオンルーティング多極(IRM)用の高純度窒素(純度99.5%、流量15 L/min)。 | |
サイズ(WxDxH) | 1,270 × 767 × 703 mm | |
重量 | 318 kg(データシステム、真空荒引きポンプ、オプションを除く)。 | |
環境 | 空調ニーズを考慮したシステム平均排熱量:2800 W(10,000 Btu/hr) 温度16~26℃、相対湿度は50~80%(結露しないこと) 最適な動作温度は18~21℃ |