WE217831-sho-rna-fusion-detection

がん研究における融合遺伝子とその重要性

染色体異常、特に転座およびそれに対応する融合遺伝子は、腫瘍形成の初期ステップで重要な役割を果たすことが示されています。融合遺伝子の特定は、将来的な個別化がん治療の決定で重要な役割を果たすことが期待されています。次世代シーケンシングテクノロジーによって、多くの希少な融合遺伝子が一般的ながんの新鮮凍結腫瘍組織で見つかっています。しかし、ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)腫瘍組織から抽出された RNA から融合遺伝子由来の転写物を検出する方法は、 FFPE ライブラリの品質が低いことや関連するバイオインフォーマティクスの課題のために限られています。

シンプルで正確な融合遺伝子検出

WE217831-wo1-rna-fusion-detection

当社は OncoNetwork コンソーシアムとのコラボレーションで、染色体転座の検出を簡素化する研究メソッドを開発しました。 このメソッドはシンプルさと効率性、および限られたサンプル量での検出を実現できるようデザインされ、微量の FFPE RNA から高感度で信頼できる結果を提供し、正常な RNA が 99%存在する中で 1 %未満のがん RNA の融合転写産物の検出を可能にします。

B当社の融合遺伝子検出ワークフローは Ion AmpliSeq™ テクノロジーに基づいておりシンプルで、全トランスクリプトームシーケンシングおよび FISH などの他の融合遺伝子検出メソッドと比較して低コストで簡便になっています。 Ion AmpliSeq™ テクノロジーはシンプルな PCR に基づいて複数の領域を同時に増幅することができるため、1 回のランで多数の融合遺伝子の発見および観察を可能にします。 このターゲットシーケンスアプローチは融合遺伝子の切断点のシーケンスに焦点を置き、融合転写物の情報を多く含む領域でのシーケンスデプスを厚くすることができます。 これにより、より高い検出感度とシーケンス効率を実現し、時間と費用を節約できます。

 

Ion AmpliSeq™ RNA Fusion 肺がんパネルの概要

  • 主要なドライバー融合遺伝子の発現不均衡を検出するために必要な FFPE RNA はわずか 5 ~ 10 ng
  • シングルプライマープールは ALKROS1RET、および NTRK1 融合遺伝子の変異をカバーしています
  • 偽陽性および偽陰性結果に対して品質管理するための RNA コントロールが付属
  • FISH、ICH および qPCR を含む従来の融合検出メソッドとの一致が 38 サンプルで示されている

OncoNetwork 科学ポスターを見る

「私たちはこれらの二つのパネルで、限られた量が保存されていた一つの腫瘍サンプルから肺がん研究に関わる主な変異を検出するツールをついに得ました。」

Nicola Normanno、MD、PhD
ディレクター、Centro di Ricerche Oncologiche di Mercogliano 研究部門
Mercogliano (AV) and INT-Fondazione Pascale、イタリア、ナポリ
ライフテクノロジーズ OncoNetwork コンソーシアメンバー

サンプルから融合遺伝子検出および結果を見るまでを 48 時間で行う統合ワークフロー

当社の融合遺伝子検出ソリューションはわずか 10 ng の FFPE RNA からスタートでき、Ion PGM™ System で高感度な融合遺伝子検出を提供します。このシステムは Ion Reporter™ Software を統合しており、このソフトウェアには使い易い融合遺伝子視覚化ツール、融合遺伝子分類、および遺伝子発現詳細が含まれています。

WE217831-wo2-rna-fusion-detection

Ion Reporter™ Software による融合遺伝子データの容易な視覚化

Ion Reporter Software v4.2 は RNA 融合遺伝子解析をサポートするよう構築されており、ボタンを押すだけで融合遺伝子データ解析が可能で、複数サンプルをまとめた結果および融合遺伝子の読取リードを可視化できます。

WE217831-wo3-rna-fusion-detection

またこのソフトウェアでは遺伝子パートナー間のエクソン–エクソン結合を示すヒートマップの作成が可能で、これらのエクソンをカバーしているキメラ RNA を示すことが可能です。

WE217831-wo4-rna-fusion-detection

研究用途にのみ使用できます。診断目的での使用はできません。