皮膚組織培養用のセルカルチャーインサート

人工的に増殖させたアニマルフリーの皮膚モデルは、さまざまな条件が上皮組織に及ぼす影響についてシミュレートする重要なツールです。そうしたモデルを効果的に培養するには、研究者は、ケラチノサイトをさまざまな上皮各層へ分化をうまく誘導しなければならず、細胞の増殖と分化のサポートに用いるだけでなく空気もに直接曝露させる必要があります。

関連するアプリケーションおよび試験プロトコル：

皮膚組織培養の仕組みはどうなっているのか？

アプリケーションノートのハイライト：

下記画像では、ヘマトキシリン＆エオジン（H&E）染色により、Nunc セルカルチャーインサートシステムを用いて培養された上皮モデルの層化を示しています。

キャリアプレートに設置したセルカルチャーインサートのイメージ（3 段階の設置位置で表示）

図示した寸法は、ウェルの内底からセルカルチャーインサートの培養表面までの高さを表します。図中の寸法は、約 0.1 mm 単位になっています。

倍率 400 倍で撮影した組織切片

キャリアプレートの汎用性を利用して、さまざまな培地交換間隔（2 日ごと、3 日ごと、4 日ごと）で、さまざまなインサート設置位置とそれに対応する培地量の増加をテストしました。3 段階の設置高さでウェルにインサートを吊り下げたキャリアプレートにおいて、さまざまな間隔での培地交換による気液界面培養から 12 日後層化皮膚モデル組織について、下図に H&E 染色結果を示します。培地交換間隔が長く設置位置が高い場合の作業は、培地交換間隔が短く設置位置が低い場合と同程度の効果で働き、皮膚組織構築の時間と労力の節約となります。