セルカルチャーインサート

多孔メンブレンを用いた細胞培養は有力なツールである

Thermo Scientific Nunc セルカルチャーインサートの多孔メンブレンとキャリアプレートのユニークな構造は、一般的な培養容器やディッシュで行うことが難しい細胞培養研究をサポートします。Nunc セルカルチャーインサートは細胞を培地と気相に同時に曝露させることができ、簡単に気相液相界面培養を行うことができます。キャリアプレートを使うことで、これらの培養を正確に短時間でこれまでになく簡便に実施することができます。詳しくは、下記の e-learning よりご覧いただけます。

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コンテンツ：

なぜセルカルチャーインサートはポリカーボネート製なのか？

ポリカーボネート製セルカルチャーインサートはマルチディッシュにセットされています。 6、12、24 ウェルの細胞培養表面処理が施されたマルチディッシュをご用意しており、また、お客様の実験に最適なメンブレンのポアサイズをお選びいただけます。当社独自のキャリアプレートとセルカルチャーインサートを組み合わせて使用することで、より高い汎用性と使いやすさを実現し、作業のムダを減らし実験を効率化します。

ポリカーボネート（PC）製のメンブレンは高いポア密度を持つため、膜を通した細胞輸送アッセイや最適な細胞増殖が望まれる他のアッセイに適しています。また、当社でメンブレンに用いられる複数の材質をさまざまなアプリケーションで検討した結果、PC 製のメンブレンが最も優れた細胞接着性をもつことが確認されています。また、この PC 製多孔メンブレンは上皮／内皮間のバリアとしても機能します。社内実験において PC 製メンブレンが他の材質のメンブレンよりも長期間にわたり一貫した経上皮電気抵抗（ TEER ）値を高く維持することが確認されており、これは有効なバリアとして機能することを示唆しています。

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アプリケーションに応じたメンブレンのポアサイズを選ぶ

アプリケーション	0.4 µm	3 µm	8 µm
血管透過性、薬物輸送研究ホルモンや成長因子などの分子上皮（Caco-2）と内皮バリア間の薬物輸送脳微小血管内皮細胞間の薬物輸送	X	X
共培養を用いた薬物輸送研究細胞‐細胞間相互作用細胞基質相互作用	X	X
ティッシュエンジニアリング血管新生真皮／上皮および上皮組織モデル	X	X
走化性や運動性の研究好酸球やマクロファージなどの細胞遊走アッセイ		X	X
転移や浸潤の研究腫瘍の浸潤モデルおよび転移モデル浸潤抑制細胞外マトリックスの影響		X	X

6 ウェルセルカルチャーインサート（マルチディッシュ含）

カタログ番号	ポアサイズ（µm）	ポア密度	多孔度	培養面積
140640	0.4	<0.85 x 10⁸	< 6.8%	3.14 cm²
140642	3.0	<1.7 x 10⁶	< 7.7%	3.14 cm²
140644	8.0	<0.85 x 10⁵	< 2.7%	3.14cm²
140660	0.4	<0.85 x 10⁸	< 6.8%	4.1 cm²
140663	3.0	<1.7 x 10⁶	< 7.7%	4.1 cm²
140668	8.0	<0.85 x 10⁵	< 2.7%	4.1 cm²

セルカルチャーインサートの機能を最大限活用するために

当社独自の Thermo Scientific キャリアプレートを用いることでインサートの高さを正確に調整することが可能となります。これによりセルカルチャーインサートの汎用性と柔軟性が向上し、ご使用いただけるアプリケーションの幅が広がります。

細胞培養を行う研究者にとって、ウェル内のインサートをどの高さで用いるのか、また、それに対応する細胞培養にどのくらいの培地が必要なのか、は重要な事項です。ガス交換、酸素分圧、成長因子の量を最適化するため、あるいは適切なpHをコントロールするため、必要とされる培地の高さや量は異なります。インサートの高さを変えることでプレート底面からの高さを 3 段階に調整することができます。

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キャリアプレートとは？

Thermo Scientific Nunc キャリアプレートは、当社のセルカルチャーインサート用の革新的な付属品であり、インサートを保持するフレームとして機能します。当社の 12 ウェルまたは 24 ウェルフォーマットの細胞培養用マルチディッシュに適合するキャリアプレートをご用意しています。キャリアプレートのウェル内には精巧にデザインされた高さ調整用の溝があり、インサート外側の突起に対応します。キャリアプレートのみをご購入いただくこともできます。 12 ウェルあるいは 24 ウェルフォーマットのセルカルチャーインサートをご使用になる場合は、アッセイ手順を簡素化し、より高い精度と作業効率を実現するために、セルカルチャーインサートとキャリアプレートを組み合わせてご使用いただくことを推奨しています。

ウェル毎にインサートの高さを 3 段階に調整可能；12、24 ウェルフォーマットのセルカルチャーインサートに対応
アプリケーションに応じた多孔メンブレンの位置と培地量を最適化
マルチディッシュを Nunc OmniTrayTM（間仕切りのない培養容器；別売）に変更し、キャリアプレートと組み合わせて使用することで、ウェル毎に培地を添加するピペッティング操作を省略可能
培地量を調整することで培地交換のタイミングを延長可能（週末に最適）

上記に示すように、キャリアプレートを用いることでインサートはそれぞれのウェル内で高さが調整可能です。培地とプレート底面からの相対位置を最適化することで、簡単に正確な培養を行えます。

12 ウェルセルカルチャーインサートとキャリアプレート

カタログ番号	製品詳細	ポアサイズ（µm）	ポア密度	多孔度	培養面積
140652	インサートとマルチディッシュ	0.4	<0.85 x 10⁸ pores/cm²	< 6.8%	1.13 cm²
140654	インサートとマルチディッシュ	3.0	<1.70 x 10⁶ pores/cm²	< 7.7%	1.13 cm²
140656	インサートとマルチディッシュ	8.0	<0.85 x 10⁵ pores/cm²	< 2.7%	1.13 cm²
141078	インサート、マルチディッシュ、キャリアプレート	0.4	<0.85 x 10⁸ pores/cm²	< 6.8%	1.13 cm²
141080	インサート、マルチディッシュ、キャリアプレート	3.0	<1.70 x 10⁶ pores/cm²	< 7.7%	1.13 cm²
141082	インサート、マルチディッシュ、キャリアプレート	8.0	<0.85 x 10⁵ pores/cm²	< 2.7%	1.13 cm²

24 ウェルセルカルチャーインサートとキャリアプレート

カタログ番号	製品詳細	ポアサイズ（µm）	ポア密度	多孔度	培養面積
140620	インサートとマルチディッシュ	0.4	<0.85 x 10⁸ pores/cm²	< 6.8%	0.47 cm²
140627	インサートとマルチディッシュ	3.0	<1.70 x 10⁶ pores/cm²	< 7.7%	0.47 cm²
140629	インサートとマルチディッシュ	8.0	<0.85 x 10⁵ pores/cm²	< 2.7%	0.47 cm²
141002	インサート、マルチディッシュ、キャリアプレート	0.4	<0.85 x 10⁸ pores/cm²	< 6.8%	0.47 cm²
141004	インサート、マルチディッシュ、キャリアプレート	3.0	<1.70 x 10⁶ pores/cm²	< 7.7%	0.47 cm²
141006	インサート、マルチディッシュ、キャリアプレート	8.0	<0.85 x 10⁵ pores/cm²	< 2.7%	0.47 cm²

おすすめのセルカルチャーインサートとキャリアプレート

Nunc ポリカーボネート製メンブレンセルカルチャーインサート

ポリカーボネート製メンブレンをもつインサートを使用することで、さまざまな基質をコーティングすることなく、ほとんどの種類の細胞を培養できます。マルチディッシュの培養表面には Thermo Scientific Nunclon Delta 処理が施されており、細胞の接着性が確認されています。タブ付きで握りやすく操作性に優れます。

Nunc キャリアプレートセルカルチャーインサート用

ひとつのキャリアプレートには最大 24 個のインサートをセットでき、ウェル毎に異なる培地を用いた培養あるいはすべてのウェルで同じ培地を用いた培養（Nunc OmniTray の使用を推奨）が可能です。 12 ウェルおよび 24 ウェルの Nunclon Delta 処理済みマルチディッシュに対応する2種類のフォーマットをご提供しております。