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ポジティブまたはネガティブコントロールなどの実験コントロールは、データの信頼性を向上させ、実験が適切に行われたことを確認にするために使用されます。ネガティブコントロールを使用する事により、正しい性結果を確認できます。同様に、ポジティブコントロールでは、正しい陽性結果が得られるはずです。SNP ジェノタイピング実験では、ネガティブコントロールは試薬中に汚染物質がないことと、蛍光がプローブの分解によるものではないことを示します。ポジティブコントロールは必ずしも必要ではありませんが、GLP では、特にマイナーアレル頻度(Minor Allele Frequency)が低い場合には、調べる SNP について遺伝子型が既知のマイナーアレルを含むポジティブコントロールを少なくとも一つ使用する必要があるとされています。ポジティブコントロールは、解析アルゴリズムのクラスターコーリングに役立ちます。
研究室では、少なくとも 2つの遺伝子型クラス(メジャーおよびマイナーのホモ接合体とヘテロ接合体)を表すサンプルを使用して、両方のアッセイプローブが機能するかどうかをテストすることが好まれるかもしれません。理想的には、既知の遺伝子型のゲノム DNA(gDNA)サンプルをこのような実験に使用します。
アレル識別(Allele Discrimination)プロットに問題がないかを確認するために、ポジティブ (または既知の) コントロールとNo Template(またはネガティブ) コントロールを含めます。ネガティブコントロールは、サンプルの蛍光シグナルがプローブの劣化によるものではないことと、サンプルとの蛍光シグナルの比較により、サンプルが増幅されていることの確認のために使用します。サンプル集団と MAF の両方が充分に大きい場合、 TaqMan SNP Genotyping Assays では通常、ポジティブコントロールサンプルは必要ありません。しかし、MAF が相対的に低い場合には、そのアレルを検出するのに充分なサンプル数がない可能性があり、ソフトウェアが遺伝子型を正しく同定することが困難になります。少数のサンプルしかランしない場合は、ポジティブコントロールを含めることは理想的です。これにより、アッセイのセットアップ、サンプル調製、装置、およびソフトウェアがすべて適切に機能していることを確認することができます。
調査対象の SNP が含まれている可能性が高いとされるヒトポジティブコントロール DNA 配列のソースがいくつかあります。ソースには以下が含まれます:
先行研究でポジティブコントロールが容易に得られない場合は、Coriell から市販されているヒト gDNA サンプルを確認することができます。
Thermo Fisher Scientific のウェブサイト上の TaqMan Assay から、 Coriell リポジトリの SNP(1000 Genomes Project に存在する場合)のコントロールサンプルを注文するまでのステップは以下の通りです。
アッセイ C____490932_10 で調べる SNP を探していると仮定しましょう。
図 1:NCBI の dbSNP データベースにあるアレルのテーブル
または、ヒトの Ensembl データベースにアクセスし、右上の検索バーに SNP ID 番号(この例では「rs3204955」)を入力します。
疾病管理予防センター(CDC)は、ヒトサンプルの遺伝子検査やアッセイバリデーションの標準試料として使用できる細胞株 DNA の遺伝情報を提供しています。これらの細胞株のいくつかは、遺伝子検査標準物質調整プログラム(GeT-RM)によって特徴づけられました。Genetic Inherited Disease & Pharmacogenetics (遺伝性遺伝病および薬理遺伝学) のセクションが 1 つの主要なフォーカスカテゴリーとなっています。CDC のウェブサイトから、ファーマコゲノミクス(Pgx)/薬物代謝酵素(DME)または疾患アレル変異体を含む標準試料のテーブルをダウンロードすることが可能で、その多くは複数の研究室や遺伝子検査技術によって確認されています。
Coriell リポジトリでお探しの SNP 配列が見つからない場合、当社でも希望のバリアントを含むオリゴヌクレオチドをご注文できます。使用するアッセイがあらかじめ設計されたアッセイである場合、テクニカルサポート techsupport@thermofisher.com までにご連絡いただくと、アンプリコンを含む適切な配列を特定するためのサポートを得ることができます。
ゲノム DNA(gDNA)やクローニングされた標的配列を含むプラスミドは、定量的 PCR におけるスタンダードとして一般的に使用されています。アッセイアンプリコン配列を含むメジャーまたはマイナーアレル配列に加えて、ジェノタイピング実験で使用する前に TaqMan RNase P アッセイを用いてプラスミドを定量できるようにするため、プラスミドに RNase P RPPH1 遺伝子を含ませることを推奨します。このようにして、Ct 値をサンプルに近づけることで、プラスミドの量を標準化することができます。詳細についてはクニカルサポートまでお問い合わせください。
等量のメジャーおよびマイナーアレルプラスミドを混合してヘテロ接合体コントロールを作成します。あるいは、両方のアレルに対する配列を含むヘテロ接合体コントロールを注文することができます。ホモ接合体およびヘテロ接合体のプラスミドコントロールを使用して、所定のアッセイによる三つの遺伝子型すべての増幅および検出を実証します。プラスミドコントロールサンプルは必ずしも gDNA サンプルとクラスタリングされているとは限りません。これは、遺伝子型クラスターの位置をシフトさせる可能性のある小さなバックグラウンドに寄与している gDNA の非標的配列が原因である可能性が高いと言えます。
オリゴヌクレオチドポジティブコントロールは、gDNA およびプラスミドのもう一つの代替手段です。例えば、多くの研究者たちは、PCR で使用するためのインフルエンザ遺伝子変異のオリゴヌクレオチドポジティブコントロールを自身で作製しています。これは、例えば、パンデミック時には、変異体のジェノタイピングを迅速、正確、かつ信頼性の高いものにしなければならない場合には、非常に重要になります(1)。
プラスミドおよび合成配列は非常に豊富であるため、ラボでの PCR 汚染源となり得ることに注意してください。合成 DNA コントロールを使用する際には、ストック PCR 試薬(PCR 試薬の希釈に使用される溶媒、実験器具および表面)の汚染を防ぐために、細心の注意を払う必要があります。
SNP ジェノタイピングアッセイに適切なポジティブコントロールを特定することは、優れたアッセイセットアップの中心となり、長期的に結果を解釈しやすくなります。
For Research Use Only. Not for use in diagnostic procedures.