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Invivofectamine 3.0 Reagentは、大幅に性能が改良されたin vivo RNAi導入用の画期的な試薬です。マイクログラムレベルのsiRNAを用いて最大85%のノックダウンを達成します。Invivofectamine 3.0 FAQ
非アルコール性脂肪性肝炎に伴う線維化症治療のための肝Bid抑制
導入用のInvivofectamine 3.0 ReagentとRNAiの複合体の作製は、試薬の混合、インキュベート(30分)、希釈、注入とシンプルです(図1)。
Invivofectamine 3.0 Reagentと、Factor VIIをターゲットするAmbion in vivo siRNAまたはPPIBをターゲットとするStealth RNAiとの複合体は、肝臓組織へのマウス尾静脈注射によって導入されました(図2)。mRNAレベルでFactor VIIおよびPPIBの高いノックダウン効果が確認されました。
尾静脈注射により、Invivofectamine 3.0 ReagentとsiRNAの複合体を含有量の範囲内で導入しました。投与から24時間後に、発色アッセイを用いて血清中のFVIIタンパク質レベルを測定しました(図3)。ノックダウン効果の高さは、複合体中のsiRNA量と相関しました。Invivofectamine 3.0 ReagentのED50は、0.1 mg/kgです(これまでの導入試薬では、1.0 mg/kgでした)。
図3.Invivofectamine 3.0 ReagentおよびFVIIをターゲットとするsiRNAでは、単回静脈内注射後に肝臓において用量反応ノックダウンが生じました。 Invivofectamine 3.0 ReagentとFVIIをターゲットとするAmbion in vivo siRNAとの複合体を、容量0.02~2 mg/kgの範囲で投与しました。血清を分離し、FVIIタンパク質レベルについてアッセイしました(Biophen® chromogenic assay)。
Invivofectamine 3.0 Reagent/siRNA複合体の一回投与により、1日目で有効なノックダウン効果を示し、最大3週間まで持続しました(図4)。より多くのsiRNAを複合体へ投与すると、検証を行った範囲では、より長くノックダウン効果が持続しました。
図4.3種類の濃度のFactor VII (FVII)に対するsiRNAを用いた用量効果の考察。siRNA分子は、Invivofectamine 3.0 Reagentと複合体を形成し、1、0.5、0.25 mg/kgの用量で投与しました。投与から2、5、9、16、23、30日目にそれぞれ血清を採取し、発色アッセイを用いてFVIIタンパク質のノックダウン効率を解析しました。
アポリポタンパク質B(ApoB)は、コレステロールを組織へと運搬するLDL(low-density lipoprotein)に含まれる主要なアポリポタンパク質です。これに相応するように、ApoBの発現抑制の実験において、関連するタンパク質であるコレステロールとトリグリセリドレベルの低下が観察されました。その高いノックダウン効果により、Invivofectamine 3.0 ReagentとApoBを標的とするsiRNAとの複合体は、コレステロールとトリグリセリドの両方を特異的に低下させることができました(図5)。Invivofectamine 3.0 Reagentにより得られる特異性と高い抑制効果により、研究者は観察されたフェノタイプはターゲット特異的なノックダウンに関連するものであり、毒性によるものではないという確信を持つことができるでしょう。
図5.Invivofectamine 3.0 ReagentおよびApoBを標的とするsiRNAを用いた1回の静脈投与による肝臓でのノックダウン。Invivofectamine 3.0 ReagentとApoBsiRNAの複合体を、1.5、0.5、0.25 mg/kgの用量で投与しました。1.5 mg/kgの用量のsiRNAを含む複合体の導入において、mRNAレベルでは>80%のノックダウン、タンパク質レベルでは最大70%までのノックダウン効果が得られました。血清を分離し、コレステロールおよびLDL含有量を解析した結果、ApoBタンパク質のノックダウンにより、コレステロールおよびLDLが著しく減少ししていることが確認されました。
Invivofectamine 3.0 Reagentの長期保存時の推奨温度は–20℃ですが、Invivofectamine 3.0 Reagentは融解後4℃で少なくとも14日間保存可能であることが確認されています(図6)。試薬を再凍結することなく、実験を数日間継続させることができます。また、必要に応じて、試薬は4回まで性能を損なうことなく、凍結融解することができます(データ無し)。
Invivofectamine3.0試薬のin vivo毒性を評価するために、試薬投与後複数回の時点での血液化学分析およびサイトカイン測定を行いました(図7および8)。Invivofectamine 3.0 Reagentを用いてトランスフェクトした個体のバイオマーカーの値は、トランスフェクション未処理の場合と比較して大きな差異は認められませんでした。
図7.Invivofectamine 3.0 Reagentを投与したマウスから採取したサンプルの血液化学分析。FVIIをターゲットとするAmbion in vivo siRNAとInvivofectamine 3.0 Reagentとの複合体を1 mg/kg [1]、3 mg/kg [3]の用量で投与したマウス、および未処理[U]のマウスを検証対象としました。血液サンプルを2、24、48時間後に採取し、臨床化学アッセイを用いていくつかのバイオマーカー(Antech)について評価しました:グルコース(GLU;mg/dL)、アルカリホスファターゼ(ALP;U/L)、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT;U/L)、(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼAST;U/L)、総ビリルビン(TBIL;mg/dL)、コレステロール(CHOL;mg/dL)、トリグリセリド(TRIG;mg/dL)。各バーには、4回分の反復データが含まれます。
図8.Invivofectamine 3.0 Reagentを投与したマウスから採取したサンプルのサイトカイン分析。FVIIをターゲットとするAmbion in vivo siRNAとInvivofectamine 3.0 Reagentとの複合体を、0.25 mg/kg(デキサメタゾン(Dex)の添加および添加無し)の用量でマウスへ投与しました。投与から2、6、24、48時間後に血液サンプルを採取し、マルチプレックスビーズベースのイムノアッセイキットを用いてサイトカインのレベルを測定しました。コントロールとして、未処理の個体からのサンプルを同一のサイトカインパネルアッセイで測定しました。各バーには、3回分の反復データが含まれます。