シンプル、スピーディー、低スループットのサンガーシーケンスとフラグメント解析システム

Applied Biosystems SeqStudioジェネティックアナライザは、低スループットで使いやすく便利なベンチトップシステムで、ゴールドスタンダードであるキャピラリー電気泳動によるサンガーシーケンスとフラグメント解析をワンクリックで素早く実行します。サンプルをロードし、オールインワンカートリッジをセットするだけで解析が開始されます。

 

SeqStudioは、de novo変異、ターゲット、プラスミドサンガーシーケンス、CRISPR-Cas9ゲノム編集確認、細胞株認証、一塩基多型(SNPs)の検出など、幅広いアプリケーションを利用できます。また、セットアップも簡易で、準備は数分で完了します。SeqStudioジェネティックアナライザは、データ品質、操作性、サービス、サポートを手頃な価格で提供します。

 

より多くのスループットをご希望の場合、当社のSeqStudio Flexジェネティックアナライザもご覧ください。サンガーシーケンスやフラグメント解析をSeqStudioと同様に優れた操作性と柔軟性で行うシステムで、さらに多くのスループットを実施可能です。


特長

SeqStudioジェネティックアナライザは、性能や品質に妥協することなく、シンプルで低価格なサンガーシーケンスとフラグメント解析を全てのユーザーに提供します。

画期的なオールインワンカートリッジ

サンプルをセットし、カートリッジを挿入するだけで解析を開始します。セットアップやメンテナンスの専門技術は必要ありません。

迅速なラン

最短30分でランが完了します。

最適化されたエンドツーエンドワークフロー

シングルポリマーシステムにより、サンガーシーケンスとフラグメント解析のサンプルを再構成することなく、同じプレート上で同じワークフローでランできます。

タッチスクリーンの利便性

直感的な操作が可能なタッチスクリーンインターフェースは、サンプルマッピング、プレートリンク、ランのセットアップを簡素化し、お好みのフォーマットで結果を表示します。

Thermo Fisher Connectとの接続性

Thermo Fisher Connectはクラウドベースのプラットフォームで、いつでもどこでもランを管理できます。

包括的な解析ソフトウエア

一次および二次解析ソフトウエアモジュールは、ダウンロードもしくは、Thermo Fisher Connectから入手できます。

トレーサビリティとデータセキュリティモジュール

オプションのセキュリティ、監査、電子署名(SAE)ソフトウエアモジュールは、電子データの整合性を継続的に証明します。

SmartStartカスタマーオリエンテーション

すべてのSeqStudioでは、オンサイトで受けられるSmartStartオリエンテーショントレーニングコースが提供され、わずか1日のトレーニングで迅速に運用を開始できます。

特長:

SeqStudioジェネティックアナライザは、キャピラリーアレイとアノードバッファ、ポリマーの入ったリザーバーが一体となった画期的なオールインワンカートリッジを使用しており、シーケンシングとフラグメント解析いずれのアプリケーションにも対応しています。サンプルをセットし、カートリッジを挿入するだけで解析が開始します。専門的なセットアップやメンテナンスは不要で、ラン毎にキャリブレーションを行う必要もなく、個々のコンポーネントをインストールする必要もありません。カートリッジの試薬は製品の反応サイズに応じて、機器内に設置し4~6ヶ月間安定しています。

 

個別のカートリッジを実験計画や研究者ごとに指定できるため、1台のSeqStudioジェネティックアナライザを複数のユーザーで共有することが可能です。カートリッジ式のため実験試薬を必要な分だけ使用でき、試薬を共有することなく無駄な廃棄を防げます。The catridge can also be recycled.*

 

*Cartridge recycling available in selected regions only.For details, visit thermofisher.com/seqstudiorecycling.

一体型オールインワンカートリッジの設計

カートリッジにはキャピラリー4本、検出器、ポリマーとバッファーを供給するポンプシステムが含まれています。

統合されたインタラクティブタッチスクリーンは、プレートやサンプルのセットアップ、ランモジュールの作成または変更、ランモジュールの優先度の変更、ランの開始や管理をサポートします。リスト表示、プレート表示、シーケンスプロット、または電気泳動図など、選択したフォーマットで結果を表示できます。複数の結果表示を用いることで、実験データに対する信頼性を高めます。

SeqStudioデータ収集ソフトウェアは、オプションのセキュリティ、監査、電子署名(SAE)モジュールが含まれ、電子データの整合性を持続的に証明します。SAEモジュールは、ユーザーアカウントごとにセキュリティ設定を定義し、データオブジェクトの包括的な監査を組み込み、変更時に認証を要求することで、データの整合性を確保します。すべての設定はラボの要件を満たすようにカスタマイズできます。

 

SAEモジュールは、米国食品医薬品局(FDA)の電子記録・署名規則(連邦規制基準第21条第11章:21 CFR Part 11)に準拠した方法で電子記録管理をサポートします。21 CFR Part 11に準拠するためには、基準に則した方法で標準作業手順書を確立し、文書化する必要があります。

 

SAEアプリケーションは、サーモフィッシャーサイエンティフィックから購入したスタンドアロンコンピュータ(デスクトップまたはラップトップ型から選択可)で、フィールドサービスエンジニアがオンサイトで有効にする必要があります。 *

 

*オプションのSAEソフトウエアモジュールが有効な場合、クラウド接続は無効になり、リモートアクセスを利用できません。

 


アプリケーション

サンガーシーケンスはシーケンス技術のゴールドスタンダードであり、高い精度、ロングリード機能、そして多くの研究分野で多様なアプリケーションをサポートする柔軟性を提供します。同様にDNAフラグメント解析は、ジェノタイピング、バクテリア同定、植物スクリーニングや遺伝子発現プロファイリングまで、多くのアプリケーションを可能にします。

 

SeqStudioジェネティックアナライザで実行できるアプリケーションの例を以下に示します。その他のアプリケーション情報はSeqStudioアプリケーションページをご覧ください。

 

de novoサンガーシーケンシング

ターゲットサンガーシーケンシング

プラスミドシーケンシング

がん研究

微生物種の同定

次世代シーケンシング(NGS)解析の確認

CRISPR-Cas9ゲノム編集解析

ヒト細胞株認証

一塩基多型(SNP)ジェノタイピング

ヒトのコピー数多型(CNV)解析

DNAメチル化解析

低レベルの体細胞変異の検出と解析

マイクロサテライト不安定性(MSI)分析

DNAリピート伸長

SARS-CoV-2同定

 

アプリケーションの詳細はこちらをご覧ください:

CRISPR-Cas9(またはTALEN)のゲノム編集ワークフローには、編集内容を検証するためのポイントが2つあります。まず、最初の編集操作で得られた混合培養物を一次スクリーニングして、編集した細胞の割合(編集効率)を決定します。編集した細胞が精製またはサブクローニングされた場合、二次スクリーニングにより、サブクローン集団のすべての細胞が編集されていることを確認できます。SeqStudioジェネティックアナライザを使用したサンガーシーケンスは、サーモフィッシャーサイエンティフィックのゲノム編集ツールおよび試薬のエンドツーエンドポートフォリオの1コンポーネントとして実行が可能です。

 

下図に示す一次スクリーニングでは、HPRTまたはrelA遺伝子座の標的部位周辺にランダムに欠失を生じさせるように編集したHEK293細胞から全細胞ライセートを得ました。編集位置を確認するため、編集した細胞をSeqStudioジェネティックアナライザでシーケンスし、サンガーシーケンストレースをクラウドにアップロードして、Sanger Variant Analysisモジュールで解析しました。HPRT遺伝子座を示すスクリーニング画像では、編集の位置が明確に示されており、切断の下流に豊富な混合塩基のピークがあることが視覚化されています。

SeqStudioジェネティックアナライザを用いたHPRT遺伝子座におけるゲノム編集サンプルのサンガーシーケンス解析。

ヒトHPRT遺伝子座にゲノム編集イベントを起こした細胞の混合集団を、クラウド型Sanger Variant Analysisアプリケーションで解析したところ、順鎖と逆鎖の両方に共通する一塩基変異体を発見できました。右図では、トレース解析によりゲノム切断イベントが発生した位置を検出でき、右側の小さな画像で青いボックスの左側に見える混合配列の集団が得られました。

Sanger Variant Analysisでは、ブレークポイントとランダム欠失は明確に示せますが、全体的な編集効率を計算することはできません。そこで、ゲノム編集効率を計算するために広く利用されているTracking of Indels by Decomposition(TIDE)ソフトエウアを用いてサンガーシーケンシングトレースファイルを解析しました。下のグラフは、各遺伝子座における欠失のスペクトルと頻度を示しています。この頻度は、Invitrogen TOPOクローニングと同じ編集細胞集団のサンガーシーケンスの結果で確認されたものです。

TIDEソフトウエアを用いたHPRTとrelA遺伝子座における2種類のゲノム編集イベントの解析。HPRTとrelA遺伝子座のイベントは、TIDEソフトウェアおよびSeqStudioジェネティックアナライザで作成した混合集団シーケンシングトレースを使用して解析しました。棒グラフは、順方向に示された数のヌクレオチドが欠失または挿入された集団の割合を示しています(逆方向もほぼ同一ですが、データは示されていません)。(A)HPRTでは、両方向の編集効率は約80%で、(B)relA遺伝子座の編集効率は約20%でした。

ヒト疾患の研究は、培養で増殖した解離ヒト細胞株に大きく依存しますが、in vitro(試験管内)で増殖した細胞は誤同定されたり、無関係な他の細胞株と混在することがあります。そのため、資金提供機関やジャーナルは、助成金の支給や論文の承認前に細胞株認証(CLA)を要求します。細胞株の真正性を検証する方法の1つは、SeqStudioジェネティックアナライザを使用して、可変ショートタンデムリピート(STR)の極めて特異的な遺伝子「指紋」を同定、照合することです。

 

ワークフローでは、AmpFLSTR™ Identifiler™ Plus PCR Amplification KitまたはAmpFLSTR™ Identifiler™ Direct PCR Amplification Kitを使用して(それぞれ精製または粗製DNA調整物を使用)、細胞株の真正性の検証には(法医学と同様に)、一般的に使用される高度で可変な16のヒトSTR遺伝子座を増幅します。フラグメントは、GeneMapperまたはMicrosatellite Analysisソフトウェアを使用してSeqStudioで解析し、Identifilerキットで同定されるアレルを特性評価します。この結果を利用して、ATCCまたは他のSTRデータベースと照会して真正性を検証できます。

細胞株認証の2つのワークフロー

(A)細胞をNUCLEIC-CARDデバイスにスポットし、CLA IdentiFiler Directキットを使用して直接カードのパンチを増幅し、GeneMapperソフトウェア6またはMicrosatellite Analysis(MSA)クラウドアプリケーションを使用してSeqStudioジェネティックアナライザでフラグメント解析をします。(B)また、gDNAを細胞株から精製してCLA IdentiFiler PlusまたはCLA GlobalFilerキットで増幅し、SeqStudio装置とGeneMapperソフトウェア 6またはMSAクラウドアプリケーションでフラグメントを解析することもできます。

SeqStudioジェネティックアナライザのコンタミ細胞検出能力に関するこの試験では、M4A4GFP細胞集団にさまざまな量のHeLa細胞を添加し、IdentiFiler Directキットで解析しました(ワークフローB)。HeLa細胞が母集団のわずか10%の場合でも、HeLa細胞特異的アレルを検出できました。

SeqStudioジェネティックアナライザを使用した細胞株コンタミネーションの解析

HeLa細胞とM4A4GFP細胞の懸濁液を5 x 105 cells/mLに希釈して、記載の割合で混合した後、NUCLEIC-CARDサンプル収集装置にスポットしました。その結果、HeLa細胞がコンタミしている場合、その割合が約20%であれば高い信頼性(80%以上)をもってSeqStudio装置上で検出でき、わずか10%でも、HeLa細胞に特有のいくつかのアレルを検出できることが示されました。


最適化されたエンドツーエンドワークフロー

SeqStudioジェネティックアナライザは、同じワークフロー内でサンガーシーケンスとフラグメント解析の両方を同一プレート上で実行可能です。サンプルをバッチ処理する必要がなく、ラボのスケジュールを柔軟に組むことが可能なため、時間を最大限に活用できます。

デュアルワークフロー。

SeqStudioジェネティックアナライザは、サンガーシーケンスとフラグメント解析を同一プレート上で同時に実行できます。

当社は、サンガーシーケンスとフラグメント解析ワークフローのすべてのステップに対応する包括的な製品ポートフォリオを提供しています。 サンガーシーケンシングに対しては、DNAテンプレートの増幅、PCRクリーンアップ、サイクルシーケンシング、シーケンシングクリーンアップ、装置内消耗品、データ解析用の製品があります。フラグメント解析には、DNA抽出、PCR増幅、装置内消耗品、データ解析用の製品があります。


ビデオ、Webセミナー、デモ


仕様

項目

内容

キャピラリ数

4

検出色素数

6

サンプルフォーマット

96ウェルプレート、8連チューブ

アプリケーション

  • サンガーシーケンシング(再配列決定NGSの確認、インデル、ヘテロ結合体検出、マイナー変異体検出、微生物同定、ゲノム編集の検証)
  • フラグメント解析(マイクロサテライト解析、MLPA、Applied Biosystems SNaPshot アプリケーションとの互換性、細胞株認証)

付属の二次解析ソフトウエア

  • Applied Biosystems Sequence Analysis Software
  • Applied Biosystems SeqScape Software
  • Applied Biosystems Variant Reporter Software
  • Applied Biosystems GeneMapper Software
  • Applied Biosystems Minor Variant Finder Software
  • Thermo Fisher Connectプラットフォーム上のシーケンス解析モジュール(Quality Check, Variant Analysis, Next-Generation Confirmation)
  • Thermo Fisher Connectプラットフォーム上のフラグメント解析モジュール(Peak Scanner and Microsatellite Analysis)
  • SeqScreener遺伝子編集アプリケーション

保証

付属(1年間)

ラボでのアプリケーショントレーニング

付属

項目

内容

キャピラリーアレイの長さ

28 cm(ショートリードとロングリードを解析するためにPOP-1ポリマーを使用)

ポリマータイプ

POP-1ユニバーサルポリマー(シーケンシングとフラグメント解析兼用)

最大サンプル数/最大ラン数

500サンプル(125ラン)SeqStudio Cartridge v1
1,000サンプル(250ラン)SeqStudio Cartridge v2

機器内での保持期間

開封後4~6ヶ月

Cartridge recycling

Available in most regions

機体内トラッキング

RFID(無線自動識別)

 


サービス

SeqStudioジェネティックアナライザの優れたサービスとサポート

お客様に最適なサービスプランをお選びください。当社の包括的なサービスプランにより、システムの稼働時間の最大化、修理コストと処理時間の削減、装置寿命の延長など、最高のパフォーマンスを継続的に実現可能です。予算、生産性、稼働率、規制要件に合わせて、さまざまなサービスオプションからお選びください。SeqStudioジェネティックアナライザの優れたサービスとサポートがお客様を支援します。

 

SmartStartオリエンテーションはお客様の成功を実現します

すべてのSeqStudioジェネティックアナライザには、1日のオンサイトSmartStartオリエンテーションが含まれており、迅速な稼働を実現します。フィールドアプリケーションサイエンティスト(FAS)が指導するこのインタラクティブなトレーニングで、装置の操作、メンテナンス、データ収集、解析ソフトウェア、クラウド接続、データトラブルシューティングなどの概要について説明します。

 

包括的な保証とサービスプランでお客様の装置を保護します

SeqStudioジェネティックアナライザは、出張費、作業費、部品代など必要経費をカバーする1年間の標準工場保証で保護されています。装置購入時に保証延長サービスをお申し込み頂けます。当社の優れたサービスプランに含まれる予防メンテナンス、事前装置モニタリング、迅速な対応により、ラボの円滑な運営を維持できます。

 

サービスプランの概要

サービス項目

AB Maintenance (Plus)プラン

AB Assuranceプラン

AB Completeプラン

現場対応時間

2営業日(目標)*

2営業日(保証)*

翌日(保証)*

オンサイトの定期メンテナンス

リモート機器診断

部品代、作業費、出張費

10% discount (US only)

リモートサービスエンジニアへの優先的なアクセス

 

再規格適合検査、事後計画メンテナンス(PM)、重要な修理

 

 

フィールドアプリケーションサイエンティストによるトラブルシューティング

 

 

※地域によって対応時間は異なります

 

すべてのサービスプランには定期的計画メンテナンスと最新ソフトウエアのアップデートが含まれており、最適な信頼性を実現します。サービスプランでは、部品代、作業費、エンジニアの出張費が含まれるか、割引きがされるため、運用コストを予測できます。

規格適合検査サービスにより、法規制の遵守を保証

SeqStudio ジェネティックアナライザの機器ハードエウア認証には、設置時認証(IQ)、運用認証(OQ)、機能性能検証(IPV)サービスが含まれます。当社の認証スペシャリストがお客様のパートナーとして、費用対効果が高く信頼できる認証サービスをタイムリーに提供します。これには信頼性の高い監査形式の文書が含まれ、SeqStudioジェネティックアナライザが規制要件を確実に満たすようサポートします。


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