Cloud-Based Technologies for Mass Spectrometry

ラボラトリーを接続して、データからより多くの知見を獲得

質量分析ソフトウェアなどのクラウドベース技術はますますラボラトリーに普及しています。こうしたテクノロジーを活用すれば、これまでよりも迅速に高い信頼性で複数のハードウェアを接続し、大規模かつ複合的なデータセットの処理に役立つ最新情報にアクセスしてデータに関する深い知見を得ることができます。

サーモフィッシャーサイエンティフィックのサービスおよびサポートによる機器診断情報の共有を通して、こうしたテクノロジーがどのように機器の管理を効率化し、使用方法を最適化するか、遠隔アクセスによるデータ取得状況の確認を実現するか、問題解決を能率的に行ってシステムの稼働時間を増大させるかをご覧ください。

データを最大限活用したい場合、最新情報にアクセスすることで、データをより深く掘り下げて新たな情報を取得することにつながり、データの真の価値やそのデータから得られる有用な知見に気づくことができます。Connect アカウントを使用すれば、これらのことをすべて無料で行えます。

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クラウドベースの質量分析ソリューションの詳細

小分子の同定は難しく、参照標準がない、または入手が難しい多くのアプリケーションでは特に困難です。質量スペクトルフラグメンテーションの網羅的ライブラリには、スペクトルマッチ、フラグメントイオンマッチ、同位体パターンまたはフラグメントイオンの比率までそろっているため、化合物同定に必要な信頼性を確保できます。

mzCloud は小分子アプリケーションに幅広く対応し、多様な構造および化合物情報をそろえているため、非常に高い信頼性で未知化合物の同定を行えます。

網羅的な高分解能 MS/MS および多段階 MSn スペクトルを幅広いメタデータとあわせて活用できる mzCloud は、非常に広範囲にキュレーションされた世界最大級の(一つの化合物に対するスペクトルおよびデータ量合計に関して)質量スペクトルライブラリを提供し、未知化合物のパワフルな同定を実現します。

各質量スペクトルに対してフィルタリング、再キャリブレーション、平均化、構造に関するアノテーションを行っています。この高品質データに加え、衝突誘起解離および高エネルギー衝突解離を用いてさまざまな衝突エネルギーで複数の付加物を生成させ、各 MSn フラグメンテーションスペクトルを取得しています。mzCloud は mzLogic とともに使用することで、本領を発揮します。

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mzCloud 質量スペクトルデータベースの主な利点

高い信頼性で未知化合物を同定より多くの未知化合物を同定スペクトルから構造を解析研究およびルーチンアプリケーションに柔軟に対応
ライブラリの内容はすべて広範囲にわたってキュレーションされており、十分アノテーションを行った詳細で検索可能なフラグメンテーションスペクトルが保存されているため、信頼性の高い結果が得られます。小分子アプリケーションなどの幅広い化学空間に対応する詳細なフラグメンテーションスペクトルに対して、自動デコンボリューションおよびライブラリ検索を行うことにより、未知化合物を同定します。インフュージョン法も LC-MS も、ノミナルデータも高分解能データもカバーするソリューションで、ライブラリに一致するスペクトルがなくても、MSn スペクトルにより有益な結果を確実に得られます。mzCloud には Thermo Scientific Compound Discoverer または Thermo Scientific Mass Frontier ソフトウェアから直接アクセスできます。ネットに接続していない場合は、mzVault により、オフラインでスペクトルライブラリを検索できます。
Identify more unknowns with MSn and SubTree search

オンラインデータベースまたはユーザーが提供した構造から構造検索できる機能を存分に活用して、MSn および部分構造のスペクトルマッチからより多くの未知化合物を高い信頼性で同定できます。

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Cloud Connect Utility for data uploads

ノートパソコンや Almanac を使用できないパソコンから Connect への安全なデータアップロードを管理し、自動で行います。データをアップロードすると、Thermo Scientific Sample Profiler による長期的なサンプルプロファイル作成、Thermo Scientific Pathway Over-representation を用いたタンパク質の過剰発現または低発現の検出または Omics Comparator アプリケーションによるタンパク質ファミリー構成因子のベン図を活用した比較および視覚化が可能になります。

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Cloud Connect Utilityの主な利点

データを安全に共有Connect ツールを用いてより詳細な知見を獲得
Cloud Connect Utility を使用すれば、手動でも自動でも、ご自身の Connect アカウントにデータファイルを安全にアップロードできます。このデータを保管し、ファイルのバックアップとして使用できるので、お使いのデスクトップコンピューターに何かあった場合でもデータ損失を防ぐことができます。データのアップロード状況をリアルタイムに確認できるため、現在の状況をすぐに把握でき、それを同僚と安全に共有できます。また Connect 内のウェブベースアプリケーションを活用し、より詳細にデータを照合できます。安全な方法でご自身の Connect アカウントにデータを保管した後、Connect 内のウェブベースのアプリケーションを用いてより詳細なデータの照合が行えます。Sample Profiler を使用すれば、強力なデータ視覚化機能により、サンプルの差異を比較し、長期的な傾向および化合物プロファイルの分析を行えます;Pathway Over-representation は、データをより詳細に解析して、過剰発現/低発現タンパク質とそれらが関与する経路を特定します;オミックスおよび遺伝子データについては、Omics Comparator により複数のリストから共通および特有のタンパク質を表示して、分子、細胞および生物学的機能についての理解を深めることができます。
Sample Profiler profile comparison tool

長期的にサンプルのプロファイリングを行うことにより、短期間では得られない知見が得られます。たとえば、Sample Profiler により、バッチ間でのプロファイルまたはサンプル採取場所による傾向を経時的に比較して、データからより多くのことを明らかにできます。

サンプル分析の目的が、環境モニタリング、メタボロミクス、食品の真正性、法医毒物学、抽出物および浸出物、または他のものであっても、今こそより詳細に分析しませんか?

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Sample Profiler ツールの主な利点

複数のプロファイル作成により、より多くの比較を実施共通点と相違点を確認データを視覚化して、追跡すべきマーカーを特定
いったんデータを Connect アカウントにアップロードすれば、研究の要素、実験計画やその他サンプルの特性評価に使用したい基準に関連するプロファイルを複数作成して、その情報を最大限活用できます。複数のプロファイルまたはサンプルタイプについて、比較によって倍率変化の違いを明らかにしたり、p 値を用いた統計解析を確認したりといったことが簡単に行えます。傾向観察や何が正常で何が顕著に変化したかなどの確認がしやすいよう、すべて図表を用いて表示されます。より多くのことをより迅速に発見できます。データの傾向を視覚化する際、トレンドラインプロットを用いて、対象化合物の濃度の差を確認できます。もしくは、化合物名、化学式、分子量または保持時間から、マーカー化合物の有無を調査できます。
Visualize the data across your samples

化合物ごとにプロファイルを作成して表示させたり、比較したり、大規模データセット中の上市済み化合物を追跡調査したりといったことが可能で、サンプルのデータの視覚化方法も複数の選択肢から選ぶことができます。

Trendlines show variation in compound intensities across samples/time

トレンドラインでは、サンプル/時間による化合物の強度の差を確認できます。また、プロファイル間の比率、p 値、倍率変化およびサンプルにおける分布など関連する統計学的情報をデータ表に示します。

Pathway Overrepresentation pathway analysis tool

Proteome Discoverer を使用して定量プロテオミクス解析を行った後、Thermo Scientific Pathway Over-representation アプリケーションを用いて、サンプル中の過剰発現または低発現タンパク質および経路を解明しましょう。

リストから選んだタンパク質または遺伝子をウェブベースの Pathway Over-representation アプリに入力し、過剰発現または低発現している生物学的経路を検出することができます。過剰発現/低発現する経路をより詳しく解明するさまざまな双方向性の視覚化ツールによって、WikiPathways、Reactome、および任意で KEGG(Kyoto Encyclopedia of Genes and Genomes)の経路のうち、過剰発現/低発現が顕著なものを報告します。

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Pathway Over-representation ツールの特長

タンパク質または遺伝子リストから過剰発現/低発現が顕著な経路を検出遺伝子オントロジーやその他のアノテーションの詳細を表示
Thermo Scientific Proteome Discoverer ソフトウェアを用いて、お客様の研究で他とは大きく異なるものを見つけたら、たとえば、Reactome、WikiPathways または KEGG のアノテーションをもとに過剰発現している経路を特定し、得られたタンパク質リストを解釈することができます。過剰発現/低発現が顕著な経路から、統計学的有意性やその経路の基盤を形成するタンパク質/遺伝子が認められる可能性があります。タンパク質(または遺伝子)に関するより多くの情報に簡単にアクセスできるうえに、詳細なアノテーション情報やさらに情報が得られるリンクなども表示されます。データをヒストグラムまたはチクレット型プロットで視覚化できるため、特定したタンパク質や遺伝子の役割をより深く理解できます。
Simple graphical representation of over- and under-represented proteins and genes

タンパク質または遺伝子リストから、過剰発現や低発現が認められた経路を簡潔な図表で表示することにより、統計的有意性の概要を確認できます。また、この機能は双方向性であるため、その経路および過剰発現/低発現したタンパク質/遺伝子を詳細に解析し、より多くの情報を得ることができます。

Proteins in pathway histogram

特定された経路のタンパク質をより詳細に解析する際に、タンパク質の数、その分子機能、細胞機能およびそのタンパク質が関与する生物学的プロセスの視覚化方法をヒストグラムとチクレット型プロットから選択でき、各タンパク質の詳細情報に簡単にアクセスできます。

Omics Comparator comparison tool

お持ちのタンパク質または遺伝子リストをウェブベースの Thermo Scientific Omics Comparator アプリケーションに入力すると、2 ~ 5 種類の異なるタンパク質または遺伝子リストの共通点、相違点をいつでも容易かつ迅速に特定できます。どの領域を掘り下げても、関連するタンパク質/遺伝子の詳細情報やさらに情報を得るためのリンクを表示できます。

あなたは、分析の改善点を比較し、追加で行う同定に関してワークフローにどのような改善を行ったかを簡単に確認したいと考えているかもしれません。タンパク質および遺伝子を比較して、これまで見落としてきたものを見つけましょう。

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Omics Comparator アプリケーションの主な利点

タンパク質または遺伝子リストの一致している部分および異なる部分を迅速に確認共通点および相違点をより詳細に解析
Omics Comparator は十分な情報に基づいて決断するために必要な多機能性を備えています。たとえば、異なるストレス条件に置かれた複数のサンプルを生物学的に比較でき、つまりは Proteome Discoverer の単一データセットのワークフローを改善できます。

結果はベン図で表示されるため、迅速に照合できます。たとえば、単一のデータファイルまたは遺伝子について異なるパラメーターを比較する際に、各セットの個々の分子エントリーについて、色分けした遺伝子オントロジー(GO)用語などのアノテーションとともにセットの構成因子を表示します。
結果をベン図で表示することにより、比較対象のデータリスト間に共通するまたは異なるタンパク質や遺伝子についてすぐに詳細に調べることができます。

Pathway Over-representation アプリ(ここに入力したデータは Omics Comparator でも使用可)同様、タンパク質や遺伝子をリスト化し、さらに詳しい情報を入手したり、チクレット型プロットまたはヒストグラムとしてデータを視覚化したりして分子、細胞、そして生物学的機能およびプロセスを解明できます。
Venn diagram comparing five lists of proteins from E. coli samples being subjected to stress

このベン図では、ストレスにさらされた E. coli サンプルから得られたタンパク質の五つのリストを比較しています。さらに詳細な情報とデータの関係をより深く理解するためのデータ視覚化ツールを用いて、このベン図から共通するまたは異なるタンパク質を調べることができます。

Proteins in Set histogram

これは、ストレスにさらされた E. coli サンプル 1 特有のタンパク質の分子機能についてプロットしたヒストグラムです。細胞機能や生物学的プロセスについて表示することも可能で、チクレットプロット表示にすれば、各タンパク質または遺伝子の系統情報が得られます。


ラボラトリーと接続して、データからより深い洞察を得られます

ラボラトリーと接続して、データからより深い洞察を得られます

小分子特性評価や同定が意思決定を鈍らせていますか?質量分析ソフトウェアなどのクラウドベース技術はますますラボラトリーに普及しています。


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