Nicolet iS50 FT-IR分光光度計の概要

材料における明確で幅広い答えを提供

Thermo Scientific Nicolet iS50 FT-IR分光光度計は、かつてない拡張性とフレキシビリティを備え、分析における課題を簡単に解決する一体型の材料分析ワークステーションです。

 

その柔軟性の高さにより、一般的な中赤外FT-IR分析に加え、遠赤外から近赤外、可視領域までのスペクトルを取得できるように、全自動マルチスペクトルレンジシステムへとアップグレードできます。さらに、ビルトインされたATRアクセサリーや、ラマンモジュール、および、近赤外モジュールをボタン1つで切り替えて測定できます。アプリケーションへの対応も豊富で、材料分析において信頼できるデータを素早く、簡単に導き出します。


Nicolet iS50 FT-IR分光光度計の特長

Nicolet iS50 FT-IR分光光度計はPolaris長寿命赤外光源とタングステンハロゲン白色光源の両方を使用できます。さまざまなアクセサリーや応用アプリケーションに対応し、目的に合わせて柔軟に対応できます。Nicolet iS50 FT-IR分光光度計のその他の代表的な特徴は以下の通りです。

  • 検出器を3台搭載可能
  • 高分解能干渉計を搭載
  • 装置検証用バリデーションホイールを標準装備
  • 標準のゴールドコーティング光学系とアルミニウムコーティング光学系オプション
  • 電動光学フィルターホイールを利用したフィルターの自動切換(オプション)
  • ビルトイン型中遠赤外測定用ダイヤモンドATR(オプション)
  • オートビームスプリッタエクスチェンジャー(オプション)
  • 自動赤外偏光子(オプション)
  • 平行光または集束光を外部に入光・取り出し可能
     

Nicolet iS50RリサーチFT-IR分光光度計の概要

最先端赤外分光研究の高い要求に応える

Thermo Scientific Nicolet iS50RリサーチFT-IR分光光度計は、高度な分光研究用に設計されており、比類のない柔軟性と性能を備え、新しい材料の特性評価に最適です。信号の振幅と位相を変調が可能で、さらに高速スキャン、時間分解ステップスキャン、またはデュアルチャンネル分光アプリケーションに対応します。また、Nicolet iS50R PM赤外分光光度計に搭載されたVectra-Piezo干渉計は、実験室内の振動や音響ノイズにも強く、一般的な干渉計では得られない、高精度と高いS/Nを実現します。


Nicolet iS50 FT-IR分光光度計の特長

最先端のデュアル光源、3台の検出器が同時搭載可能な光学系、および複数のオンボードデジタイザーを搭載したNicolet iS50Rリサーチ FT-IR分光光度計は、研究用の赤外分光光度計として、高度な材料研究を支援する測定精度と高い柔軟性を持ち合わせます。Nicolet iS50R FT-IR分光光度計のその他の代表的な特徴は以下の通りです。

  • ステップスキャン制御とSST機能に対応した干渉計
  • 高速スキャン測定による時間分解測定(130スペクトル/秒以上)
  • 最高分解能0.09 cm-1
  • マルチチャンネル信号処理による偏光変調測定(PM-IRRAS、PM-PAS、VCD、VLD)
  • ナノ秒時間分解(TRS)測定
  • 振幅変調(AM)ステップスキャン測定
  • ビルトイン型中遠赤外測定用ダイヤモンドATR(オプション)
  • 専用アクセサリーおよび、その他一般のさまざまなアクセサリーに幅広く対応
  • 追加ビームスプリッター用内部ストレージ

Nicolet iS50およびiS50R FT-IR分光光度計の機能

さまざまなモジュールとアクセサリーにより、FT-IR測定の拡張性を強化

Nicolet iS50 FT-IR分光光度計は、搭載できる様々な機能により、お客様のニーズをさらに拡張できます。微細構造、有機薄膜、高速反応解析、新しい光源の研究など、現在およびこれからの研究をサポートするパワフルな装置です。Nicolet iS50 FT-IR分光光度計およびNicolet iS50RリサーチFT-IR分光光度計で使用できる各種オプションは下記の通りです。

 

ビルトイン型中遠赤外測定用ダイヤモンドATR耐久性に優れ、いつでもすぐに使用できるFT-IR本体内蔵型のダイヤモンドATRです。粉末、液体、ゲル、ペーストを特別なセットアップなしで分析できます。専用検出器が内蔵され、中赤外~遠赤外のスペクトルが可能なため、有機物に加え、金属酸化物などの無機化合物を分析できます。また、FT-IR本体のメインサンプル室を使用しないため、アクセサリーを交換する必要がなく、システムのガスパージを保ったまま測定できます。

 

オートビームスプリッタエクスチェンジャー(ABX)オートビームスプリッタエクスチェンジャーで分析を自動化し、ガスパージ状態を保持したまま、わずか短時間で波長の拡張が可能です。近赤外、中赤外、および遠赤外を使用して、結晶化度、バルク分析、確認試験など幅広い分析を行うことができます。

 

ラマンアクセサリiS50ラマンアクセサリは、サンプル室にセットアップしてご使用頂けるラマンモジュールです。マッピング測定やウェルプレートスクリーニングなどの追加機能を提供します。ラボでのラマン分析がかつてないほど容易となり、当装置はさらに多用途で費用効率が高く、使いやすいものになります。

 

近赤外(NIR)モジュール(積分球、ファイバー光学系付き)近赤外(NIR)モジュールは、積分球と光ファイバーのオプションを1つのコンパクトなユニットの形として提供します。ワンタッチで測定を開始できます。近赤外領域を使用すれば、容器中のサンプルの分析や、不均一な固体、厚みのあるサンプル・液体から一貫したスペクトルをin situで取得することができ、さらに定量分析にも有用です。

 

TGA-IR測定アクセサリー不良解析、プロセスバリデーション、他社品調査競合調査などにおいては、多くの場合、サンプルを分解、分離することによって成分を同定したり、材料プロセスの相違を理解することが必要です。TGA-IRアクセサリーは、これらのニーズに役立つ情報を提供します。

 

GC-IRモジュール立体配置および微量化学物質を一意に同定します。iS50 GC-IRモジュールとThermo Scientific OMNIC Mercury GCソフトウエアを使用することにより、ガスクロマトグラフで分離した成分をFT-IRを用いて、定性できます。さらに、異性体解析を簡単に実行できるソリューションです。Thermo Scientific Dionex Chromeleonソフトウエアを使用して、オートサンプラーの利用に加え、GC-FIDとGC-IRを同時検出することもでき、高い生産性で分析が可能です。ラマン、ATR、およびGC-IRを統合したソリューションは、法科学ラボなどで実践的に利用されています。


Nicolet iS50 FT-IR分光光度計はアカデミックリサーチのみならず、原薬の開発や、ブレンドポリマーの分析、食品、法科学、顔料など、多くの産業分野で多用途に利用されています。オールインワンの材料分析ワークステーションは、以下の用途に適しています:

  • ポリマーやゴム分析—Nicolet iS50は高分子の材料同定から添加剤分析、薄膜解析、配向性評価、反応評価など幅広い高分子解析に適したワークステーションです。
  • 法科学—設置面積の小さなユニット1台で、中赤外、遠赤外、近赤外、FTラマン測定、GC-IRを利用した異性体評価まで各種法科学分光分析評価に利用できます。
  • 医薬品—FT-IRと近赤外、FTラマンの統合システムを用いた統合システムにより、製剤および多形を分析します。また適切な機器バリデーションによりQA/QCでも活躍しています。
  • 顔料、塗料、インク—有機材料中の無機フィラー、金属酸化物などが測定できます。色と配合物を関連付けることができます。
  • 食品、香料、油脂—異性体の香料やフレーバーの同定や、種から抽出した水分、脂肪、タンパク質、油を分析することができます。
  • その他一般ラボ向けとして— Nicolet iS50は小さい設置面積にもかかわらず、幅広いアプリケーションに対応したパワフルなFT-IRエンジンです。ワンタッチ操作のオペレーションで、リサーチ用途から品質管理まで満足した赤外分光ソリューションを提供します。

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