抗体は、タンパク質および分子の検出と精製を行うための強力なツールです。全ての抗体 (通常は IgG または IgM) は大半のイムノアッセイアプリケーションに理想的ですが、特定の手法においては Fab や F(ab')2 などの抗体断片を用いることで性能が向上します。本ページでは、抗体断片調製に関する利点、タイプおよび方法について概説します。


はじめに

免疫グロブリンの活性部位を研究・活用することは、活性部位以外の部分に起因する影響を受けないため、有益となることがあります。免疫グロブリン分子を選択的に切断することで、特性の異なる断片を調製することが可能です。抗体断片化は、免疫グロブリンタンパク質構造の特定の部分を消化または切断する還元剤やプロテアーゼを使用して行います。全ての免疫グロブリンクラスについて断片化が可能ですが、断片化の条件が十分に検討されているのはマウス、ウサギ、およびヒトの IgG および IgM クラスのみです。

主に必要とされる抗体断片には、(a) Fab などの抗原結合断片および (b) 抗原に結合しない Fc などのクラス定義の断片の2つのグループがあります。抗原結合断片はいくつかのタイプが存在し得ますが、各断片には少なくとも免疫グロブリン重鎖(VH)および軽鎖 (VL) の可変領域が含まれ、互いに連結されているため (通常はジスルフィド結合により)、抗体結合部位が保持されています。Fc 断片は、免疫グロブリンの重鎖定常領域 (Fc領域) からなり、細胞のエフェクター機能を媒介します。

抗体の断片化は、それほど単純ではなく、タンパク質の酵素を介する消化の最適化が必要であると同時に、適度な効率性を生み出すために十分な抗体供給量 (例:10 mg) が必要になります。こうした理由から、通常は目的の抗体が大量に入手でき、それが特定のアプリケーションで必要とされている場合に限り、抗体断片化が実行されます。

注記:

  • 一次抗体 (1°Ab) は、各品目の需要がいずれも限られているため、既製の断片はほとんど市販されていません。そのため、カスタム抗体産生サービスを除いて、抗体断片化は個々の研究室単位で特定ニーズに応じて実行されています。
抗体 IgG の構造および断片化における切断部位

抗体 IgG の構造および断片化における切断部位半 IgG、Fab,、F(ab')2 および Fc などの有用な抗体断片を生成するには、ヒンジ領域のジスルフィドの還元、あるいはパパイン、ペプシン、フィシンなどのタンパク質分解酵素による消化を行います。


抗体断片の利点

抗体断片は、分子全体の機能的要素としてサイズが小さいため、特定の免疫化学的手法や実験アプリケーションにおいて、インタクトな抗体よりも下記の点で優れています:

  • Fc 相互作用から生じる非特異的結合を減少させます(細胞の多くは、Fc領域と結合する受容体を含有)
  • 免疫沈降やウェスタンブロッティング解析において、Fc 領域とプロテイン A やプロテイン G との結合を制御できます
  • 組織切片への浸透性が上がるため、免疫組織化学 (IHC) における染色が向上します
  • 巨大タンパク質エピトープの立体障害が低減するため、固相アプリケーションでの抗原検出感度が向上する可能性があります
  • 抗原-抗体結合の研究において、Fc 領域関連のエフェクター機能(例:補体固定)を無効にします
  • X 線結晶学または NMR を用いた、免疫認識の構造基盤に関する研究用のシンプルなシステムです
  •  in vivo 実験において、インタクトな抗体よりも低い免疫原性を示します

抗体断片のタイプ

F(ab')2、Fab、Fab' および Fv は、IgG や IgM の可変領域から生成させることが可能な抗原結合断片です。これらの抗原結合断片は、サイズ (MW)、価数、Fc 含量がそれぞれ異なります。Fc 断片は、免疫グロブリンの重鎖定常領域全体から生成されます。これらの断片およびその他の独自の断片構造は、"IgG"型の断片、反転"IgG"型の断片、および五量体 Fc 断片などの五量体 IgM から生成させることができます。 

典型的な IgG 断片の名称 (命名法) と構造について、以下に模式図と概説を示します。

IgG 抗体断片の図

F(ab')2 断片

F(ab')2 (110,000 Da) 断片は、2 つの抗原結合領域から構成され、これらはヒンジ部位でジスルフィド結合により連結しています。この断片の大部分は空洞ですが、Fc 領域全体が空洞というわけではありません。

Fab' 断片

Fab' (55,000 Da) 断片は、F(ab')2 断片を還元することにより得られます。Fab' 断片の有する遊離スルフヒドリル基は、アルキル化されるか、あるいは酵素、毒素、他の目的タンパク質との結合に利用することができます。Fab' は、F(ab')2 に由来するため、Fcのごく一部を含むことがあります。

Fab 断片

Fab (50,000 Da) は、IgGやIgMから生成される一価の断片で、VH と CH1 および VL と CL の領域からなり、分子内ジスルフィド結合により連結されています。

Fv 断片

Fv (25,000 Da) は、IgG や IgM から生成される最小サイズの断片で、完全な抗原結合部位を含んでいます。Fv 断片は、Fab と同一の結合特性および Fab と類似した三次元結合特性を有します。Fv 断片の VH 鎖および VL 鎖は、非共有結合性の相互作用により、共に保持されます。これらの鎖は希釈時に解離する傾向があるため、グルタルアルデヒド、分子間ジスルフィドやペプチドリンカーを介した鎖の架橋法が開発されました。

"rIgG" 断片

"rIgG"とは、還元型 IgG (75,000 Da) または半 IgG を指します。ヒンジ領域のジスルフィド結合のみを選択的に還元すると、これらの断片が生成されます。IgG にはいくつかのジスルフィド結合が生じますが、特に2-メルカプトエチルアミン (2-MEA) のような穏やかな還元剤を用いると、ヒンジ領域のジスルフィド結合に最もアクセスしやすく、簡単に還元を行えます。主として、半 IgGは、抗体固定化や酵素標識の結合の標的にできるよう、ヒンジ領域のスルフヒドリル基を露出させる目的で調製されます。

Fc 断片

Fc (50,000 Da) 断片は、CH2 領域、CH3 領域およびヒンジ領域の一部を含んでいます。これらの領域は、1つまたは複数のジスルフィド結合および非共有結合性相互作用によって、共に保持されています。Fc 断片は IgG 断片化により、Fc5 μ断片は IgM 断片化により、それぞれ生成されます。Fc という用語は、これらの抗体断片による結晶化の能力に由来しています。Fc 断片は、免疫グロブリンの重鎖定常領域全体から生成されます。Fc 断片は、抗原に結合できませんが、補体固定などの抗体のエフェクター機能に関与しています。


IgG—Fab、F(ab')2、Fc の各断片の調製

免疫グロブリン単量体 (IgG) のヒンジ領域は、酵素によるタンパク質分解攻撃の影響を即座に受けやすいです。この時点の切断で、F(ab')2 (またはFab) 断片、および Fc 断片が生成されます。Fc 断片は、使用する酵素および条件に応じて、インタクトなまか、さらに分解されます。3 種類の異なる酵素を用いたタンパク質分解による IgG 断片化については、以下で論じます。従来、タンパク質分解は、遊離酵素を用いて溶液中で実施されていました。弊社では、消化制御の向上と、プロテアーゼからの反応生成物の効率的な分離を可能とする固定化酵素製品を開発しました。そこで、以下の模式図は酵素"樹脂"を表しています。大半の手順には、Fab 断片と Fc 断片を分離させるためのプロテインA樹脂抗体による精製工程も含まれます。

パパイン消化:IgG由来のFab

パパインは、活性部位中にスルフヒドリル基を有する非特異的なチオールエンドペプチダーゼです(活性を持つためには、スルフヒドリル基が還元型である必要があります)。還元剤の存在下で、IgG 分子をパパインとともにインキュベーションすると、1 つ以上のヒンジ領域のペプチド結合が開裂し、類似したサイズの3つの断片 (2つのFab断片と1つの F c断片) が生成します (1)。Fc 断片が対象である場合、インタクトな 50,000 Da の Fc 断片が得られることから、パパインが酵素として選択されます。

パパインの消化および断片化による抗体Fabの調製

パパインの消化および断片化による抗体 Fab の調製

パパイン

  • チオール型プロテアーゼ
  • 分子量 23,000
  • 等電点 (pI) = 1.5
  • 最適 pH 6.5 (4 ~ 9.5)
  • 1%時の A280 = 25

パパインは、主に Fa b断片の生成に使用されるだけでなく、F(ab')2 断片の生成にも使用できます(2).F(ab')2 断片を調製するには、まず 10mM システインでパパインを活性化させます。その後、ゲル濾過により過剰なシステインを除去します。パパイン消化中にシステインが全く存在しなくなると、F(ab')2 断片が生成されます。多くの場合、これらの断片は変動的で、再現性が問題となり得ます。システインが完全に除去されないと、過剰消化が問題となり得ます(2)。

多くの場合、結晶パパインは IgG の消化に使用されますが、自己消化を起こしやすい傾向があります。結晶パパインより自己消化を起こしにくい性質のマーキュリーパパインの使用も可能ですが、これらの非固定化酵素はいずれも、消化を停止するために酸化剤が必要になります。固定化パパイン (すなわち、パパインアガロース樹脂) は、消化反応の制御が容易に行え、インキュベーション後に消化産物から迅速に酵素を除去できるため、推奨試薬とされます。つまり、酵素から断片を分離するのに、イオン交換法を開発する必要がありません。固定化パパインを使用すると、抗体-酵素付加体の形成が阻止されます (可溶性形態のスルフヒドリルプロテアーゼ (パパインなど) を使用すると、この付加物の形成が起こり得ます)。還元剤の存在下では、これらの付加体は断片にとって弊害となり得ます。

また、固定化により熱変性や自己融解に対する酵素の安定性が向上し、活性がより長い時間維持されることにもなります。パパイン樹脂の再生と再利用により、コストを削減できます。切断は、消化時間やカラムを通過する流速によって制御できるため、再現性のある消化が可能です。弊社の Pierce Fab Preparation Kit は、ヒト IgG の消化に最適化されています。このキットはマウスおよびウサギの IgG 消化に適正に使用することも可能で、他の動物種 IgG 用にプロトコルを変更するための指示書も付属しています。本手順では、Fa b断片からFcを分離させるために IgG を用いるため、IgG はプロテイン A との結合が可能な状態であることが求められます。

ペプシン消化:IgG 由来の F(ab')2

ペプシンは、酸性 pH でのみ活性化する非特異的エンドペプチダーゼです。中性またはアルカリ性の pH では不可逆的に変性します。酵素ペプシンによる消化では、通常、1つの F(ab')2 断片および多数の Fc 部分の小ペプチドが生成します。得られた F(ab')2 断片は、ジスルフィド結合により連結した 2 つの Fab ユニットから構成されます。Fc 断片は、広範囲に分解されます。これらの小断片は、透析、ゲル濾過またはイオン交換クロマトグラフィーにより F(ab')2 から分離させることができます。

ペプシンの消化および断片化による抗体 F(ab')2 の調製

ペプシンの消化および断片化による抗体 F(ab')2 の調製

ペプシン

  • チオール型プロテアーゼ
  • 分子量 35,000
  • 等電点 (pI) = 11
  • 最適 pH 1 (1 ~ 5)
  • 1%時の A280 = 14.7

F(ab')2 を穏やかな還元により分離すると、2 つのスルフヒドリル基を持つ一価の Fab '断片が得られます。Fab '断片には、スルフヒドリル基を介して、検出可能な標識と直接結合することが可能なため、活性結合部位が妨害されず活性状態が維持されるという利点があります。F(ab')2 断片を穏やかに還元するには、2-メルカプトエチルアミン塩酸塩 (2-MEA) をご使用ください 。各Fab'の遊離スルフヒドリル基は、結合標的として使用できます。あるいは、N-エチルマレイミド (NEM) などのアルキル化試薬を用いて、これらの遊離スルフヒドリル基をブロックし、F(ab')2 の再形成を防止することができます。

固定化ペプシン (ペプシンアガロース樹脂) は、あらゆるアプリケーションにおいて遊離ペプシンに置き換えることができます。ペプシン樹脂を使用すると、サンプルから素早く酵素を除去して反応を停止させることにより消化を制御できます。これにより、プロテアーゼから断片を分離するために、イオン交換法を開発する必要がなくなります。また、固定化により熱変性や自己融解に対するペプシンの安定性が向上し、活性がより長い時間維持されることにもなります。弊社のPierce F(ab')2 Preparation Kit は、ヒト IgG の消化に最適化されています。本キットはウサギおよびマウスの IgG 消化にも適正に使用できます。

フィシン消化:マウス IgG1 断片

フィシンはチオールプロテアーゼであり、使用するシステイン濃度に応じて、マウスモノクローナル IgG1 を F(ab')2 断片または Fab 断片のいずれかに消化することができます。フィシンは、4mM システインの存在下で F(ab')2 を生成します。Fab 断片は、25mM システインの存在下でフィシンとなります。

フィシン消化および断片化によるマウス IgG1 の Fab および F(ab')2 の調製

フィシン消化および断片化によるマウス IgG1 の Fab および F(ab')2 の調製

フィシン

  • チオール型プロテアーゼ
  • 分子量 26,000
  • 等電点 (pI) = 1.5
  • 最適 pH 6.5 (4 ~ 9.5)
  • 1%時の A280 = 21

フィシンによる IgG 切断によって生成する F(ab')2 断片は、ペプシンによる IgG 切断で得られる断片とほぼ同サイズですが、インタクトな IgG1 抗体と同等の免疫反応性および親和性を備えています(3)。システイン活性化剤の濃度を上昇させることにより、Fab抗原結合断片を生成することができます(4)。フィシン消化の中性 pH 条件によって、得られる抗原結合断片の完全性が促進されます。フィシンは、マウスモノクローナル IgG1 の断片の産生に推奨されるプロテアーゼです。F(ab')2 は、予め活性化されたパパインを用いて、マウス IgG1 から生成させることができますが(5)、パパインで効率性と再現性の高い断片を得るのは困難です (6)。

固定化フィシン (フィシンアガロース樹脂) は、遊離型フィシンよりも消化反応の制御が優れているため、自己消化物を含まない抗体断片が得られます。また、フィシン樹脂を使用すると、抗体断片の生成物からフィシンを完全かつ迅速に除去できます。Pierce IgG1 Fab and F(ab')2 Preparation Kit は、インタクトなマウス IgG1 抗体から、Fab 断片または F(ab')2 断片を穏やかに生成および精製する用途で開発されました。生成される断片のタイプは、消化中に用いられるシステイン活性化剤を特定の濃度に設定することにより調節します。


IgM の断片化

 in vitro 実験に IgM が使用されるアプリケーションにおいて、大きいサイズの IgM 抗体を使用するのには難点があります。例えば、免疫組織化学研究において、インタクトな IgM は組織に効果的に浸透しません。そのため、このタイプのアプリケーション用には、より小さな活性断片を生成する必要があります。また、IgM 分子は細胞膜に浸透できないため、 in vivoでの使用には適しません。断片は、インタクトな IgM よりも迅速に除去されます。

F(ab')2、Fab'、Fab および Fv の各断片は、IgG 由来の同タイプの断片とほぼ同じ手法で、IgM から生成可能です。しかしながら、IgM 中の個々の抗原結合部位は、IgG 中の結合部位よりも一般的に結合親和性が低く、通常は五量体形態における完全な IgM において補償されます。そのため、F(ab')2 断片は二価であることから、低い親和性を持つ抗体にとって、Fab 断片に代わる優れた断片と考えられます。F(ab')2 断片は、Fab 断片や Fab '断片より高い酸性度を有しています。F(ab')2 断片は、抗原を沈殿させることができます。Fab and Fab'は、抗原を沈殿させることのできない一価分子です。Fab 断片および Fab '断片の有する結合強度は低く、通常、安定した抗原-抗体複合体は、特定用途での洗浄中に解離する可能性があります。

IgM 抗体断片の調製法

IgM 抗体断片の調製法

各種の IgM は、酵素的切断および還元において異なる反応を示します。例えば、マウス IgM とヒト IgM は、五量体形態を与えるモノマーの結合様式において構造的に異なります。これは主に、モノマー間でジスルフィドの位置が異なることに起因します(7)。また、酵素的切断を妨害し得るオリゴ糖成分は、種間で異なります。そのため、一つの種にとって最適な消化・還元条件であっても、別の種には有効でないことがあります。

タンパク質分解酵素による IgM の断片化は、IgG の断片化とは進行様式が異なります。これらの相違は、構造の差異に関連しています。重鎖(µ)は、複数の球状ドメインに折り畳まれています。また IgM は、IgG のヒンジ領域のプロリン豊富な位置に、糖鎖豊富な Cμ2 ドメインを有しています。これらの特徴により、パパインは IgM 抗体から異種起源の断片を生成します。

ペプシン (上記参照) は、IgMからF(ab')2、Fab および Fv の各断片を生成させるために使用することができます。ペプシンを用いてさまざまな種から種々の IgM 断片を生成させる手法が数多く開発されてきました(8)。

トリプシンは、至適 pH が 8.0 のセリンプロテアーゼです。一般的に酵素/基質比や温度を上げると、消化率が高まります。トリプシンは、IgM から F(ab')2、Fab、"IgG"型および Fc5µ の断片を生成することができます。尿素前処理済みまたは非処理の2種類のトリプシンを用いて、断片化の調査を行いました(8)。尿素により消化に対するドメイン感受性が変化するため、水性バッファー中で消化された断片とは異なる断片が生成されます。トリプシンを用いてIgMを消化する手法は、この他にも多数開発されています(9)。

2-メルカプトエチルアミン塩酸塩 (2-MEA) を用いた還元の制御は、還元時間および/または温度に応じた、さまざまな比率の"IgG"型および/または還元型の IgG("rIgG")の取得を可能とします(10)。また、マウス IgM を部分的に還元すると、反転 "IgG"型の断片が生成されます

トリプシン

  • チオール型プロテアーゼ
  • 分子量 24,000
  • 等電点 (pI) = 1.5
  • 最適pH:8
  • 1%時の A280 = 14.3

参考文献

  1. Coulter, A. and Harris, R. (1983).J. Immunol.Meth.59, 199–203.
  2. Goding, J. (1983).Monoclonal Antibodies: Principles and Practice.Academic Press Inc., London, U.K.
  3. Mariani, M., et al.(1991).Mol.Immunol.28, 69–77.
  4. Sykaluk, L. (1992).Pierce Chemical Company, unpublished results.
  5. Buguslawski, S.J., et al.(1989).J. Immunol.Meth.120, 51–56.
  6. Milenic, D.E., et al.(1989).J. Immunol.Meth.120, 71–83.
  7. Milstein, C.P., et al.(1975).Biochem.J. 151, 615–624.
  8. Beale, D. and Van Dort, T. (1982).Comp.Biochem.Physiol.71B(3), 475–482.
  9. Plaut, A.G. and Tomasi, Jr., T.B.(1970).Proc.Natl.Acad.Sci.USA 65(2), 318–322.
  10. Bevan, M.J., et al.(1972).Progr.Biophys.Molec.Biol.25, 131.