プロテイン A、プロテイン G、プロテイン A/Gおよびプロテイン L は、哺乳類の免疫グロブリン分子と結合する微生物由来の天然タンパク質および組換えタンパク質です。これらのタンパク質は、精製済み、塩不含、凍結乾燥などの形態を取り揃えています。また、マイクロプレートにコーティングされた形態や、さまざまな固体担体に共有結合的に固定化された形態も用意しております。抗体のカラムアフィニティ精製用担体で最も一般的なのは架橋ビーズアガロースですが、Thermo Scientific™ UltraLink™ Biosupport (ポリアクリルアミド) やその他の多孔質媒体も使用できます。磁気ビーズは、免疫沈降アプリケーション用の最も一般的な担体です。


Ig 結合タンパク質の一般特性

 ネイティブプロテイン A組換えプロテイン A組換えプロテイン G組換えプロテイン A/G組換えプロテイン L
天然供給源黄色ブドウ球菌黄色ブドウ球菌連鎖球菌N/Aペプトストレプトコッカス・マグヌス
産生源黄色ブドウ球菌大腸菌大腸菌大腸菌大腸菌
分子量46,70044,60021,60050,46035,800
SDS-PAGE による見かけの分子量42 kDa45 kDa32 kDa40~45 kDa36 kDa
Ig結合部位数5524+24
アルブミン結合部位なしなしなしなしなし
結合の至適 pH8.28.255 ~ 8.27.5
Ig 結合標的FcFcFcFcVL-κ

4 つの抗体結合タンパク質は、ほぼ IgG クラスのみと結合しますが、各タンパク質の結合特性は動物種や IgG のサブクラスにより異なります。プロテイン A は、通常、ウサギ、ブタ、イヌおよびネコ由来の IgG に対して高い結合親和性を示します。プロテイン G は、幅広いマウスおよびヒトの IgG サブクラス (IgG1、IgG2 など) に対して優れた結合能を示します。

プロテイン A/G は、プロテイン A とプロテイン G の IgG 結合ドメインを合わせ持つ組換え融合タンパク質です。そのため、プロテイン A/G は、ウサギ、マウス、ヒト、およびその他の哺乳類サンプル由来の幅広い IgG サブクラスとの結合に最適です。

Protein L は、特定の免疫グロブリン κ 軽鎖と結合します。κ 軽鎖は、免疫グロブリンの全クラス (すなわち、IgG、IgM、IgA、IgE および IgD) のメンバーに存在するため、プロテイン L によってこれらの異なるクラスの抗体を精製することができます。ただし、適切な κ 軽鎖を有するクラスに属する抗体のみが結合します。プロテイン L による特定の抗体の精製に関する有効性を判定するには、通常は実証試験が必要になります。