免疫沈降(IP)は、特異的な抗体を用いてスモールスケールで行う抗原のアフィニティー精製であり、抗原の精製および検出において最も広く使用されている手法です。IPを用いて少量のタンパク質を濃縮することで、活性化状態の特定、翻訳後修飾の判定、またはタンパク質結合パートナーの捕捉(共免疫沈降)といったダウンストリーム解析の結果を向上させられます。

磁気ビーズおよびアガロースビーズをベースとするIP製品をご用意しております。

  • 磁気ビーズ はルーチンなスモールスケールの一定のタンパク質およびタンパク質複合体分離に最適で、容量/収量のバランス、再現性、純度に優れており、低コストです。
  • Sepharose®およびアガロースは大量のタンパク質または抗体の精製におすすめします

ご希望の免疫沈降法をお選びください

標準的な免疫沈降でサンプル容量が2 mL未満の場合、またはCo-IP、 ChIP、ChIP-Seq、RIP、融合タグ結合を行う場合、または自動化が必要な場合は磁気ビーズをお選びください。

サンプル容量が2 mLを超える標準的な免疫沈降、co-IP、またはプルダウン(大量のタンパク質)の場合、アガロースをお選びください。

関連アプリケーションおよび製品

磁気ビーズをベースとした、核酸–タンパク質複合体の捕捉およびプルダウンのためのキット

共免疫沈降(co-IP)、プルダウンアッセイ、酵母ツーハイブリッド(Y2H)、架橋、ファージディスプレイ、およびラベルトランスファーなどの方法による、タンパク質間相互作用の特徴づけ

40,000種類を超える高品質な抗体ならびに豊富な抗体関連性品およびカスタムサービス

タンパク質と他の標的タンパク質の特異的的精製のための樹脂、免疫沈降(IP)のためのキット、共有結合によるリガンドの固定化用の活性樹脂、およびアフィニティー樹脂をパッキングするためのカラム

IP法を選択する際の留意点

  • 容量/収量—磁気ビーズはSepharose®/アガロースよりも抗体の使用量が大幅に少ないですが、収量はより高く、非特異的バックグラウンドは低いです。磁気ビーズは滑らかなビーズ面に全ての抗体がアクセスできるため、結合能力の最適化、収量の向上、非特異的バックグラウンドの低下が容易です。
  • バックグラウンド—ほぼゼロに抑えることができます。抗体のアクセス性に優れているため、非特異的なバックグラウンドは低く抑えられ、結合能力および収量が向上します。
  • コスト—使用する抗体の量も考慮に入れた場合、磁気ビーズを利用する際の1サンプルあたりのコストはSepharose®培地と同等です。または、一般的に事前洗浄のステップを省略できるためにさらにコストを下げられる可能性があります。
  • 複雑性—通常、IP(例えば co-IP、ChIP/ChiP-Seq、RIP)が複雑になるほど、磁気ビーズを使用する利点も増えます。

IPに関する考察および Dynabeads®磁気ビーズをIPに使用する利点について詳細をご覧ください

免疫沈降の論文における傾向

免疫沈降に関する公表論文

ChIPに関する公表論文

Dynabeads®磁気分離は、免疫沈降およびクロマチン免疫沈降(ChIP)において最も急速に利用者が増えている手法です。グラフは、過去7年間(IP)および5年間(ChIP)にわたる、アガロース(緑色)、Sepharose®(青色)、およびDynabeads®(赤色)が使用されている公表論文のパーセント増加/減少を示しています。出典: Google Scholar、2013年9月。Sepharose® はGE Healthcare companies の商標です。

学術雑誌におけるDynabeads®磁気ビーズの引用をご覧ください。アプリケーション毎に検索できます。

For Research Use Only. Not for use in diagnostic procedures.