26146-Classic-IP-Kit-230
免疫沈降(IP)は特異的な抗体を用い、スモールスケールで行う抗原のアフィニティー精製です。抗原の精製および検出において最も広く使用されている手法のひとつです。IPを用いて少量のタンパク質を濃縮することで、活性化状態の特定、翻訳後修飾の判定、またはタンパク質結合パートナーの捕捉(共免疫沈降、co-IP)といったダウンストリーム解析の結果を向上させられます。

IPおよびco-IPに加え、組換えタンパク質を用いる同様の手法によって、タンパク質-タンパク質相互作用(プルダウンアッセイ)、またはChIP(クロマチン免疫沈降)アッセイのようなタンパク質-核酸相互作用を捉えることができます。

アガロースビーズの利点

  • 豊富な選択肢—アガロースビーズをベースとするキットには、抗体を直接固定化する試薬を含むもの、または、抗体、融合、ビオチン化baitタンパク質を捕捉するためアフィニティーリガンドを含むものがあります。
  • 多様なフォーマット—アガロースベースのレジンは、使いやすいキット製品または単独製品がご利用いただけます
  • 優れたパフォーマンス—最大限の濃縮/相互作用を実現しバックグラウンドを低減するよう設計された製品です

お客様の実験に適した免疫沈降法をお選びください

 IPキットco-IPキットタグタンパク質用 Co-IP & プルダウンキットタンパク質–核酸 プルダウンキット
目標濃縮タンパク質-タンパク質相互作用の捕捉タンパク質-タンパク質相互作用の捕捉タンパク質-核酸相互作用の捕捉
作製方法ターゲットタンパク質に対する固定化抗体ターゲットタンパク質複合体に対する固定化抗体baitタンパク質複合体に対する固定化アフィニティーリガンドまたは抗体ターゲットタンパク質に対する固定化抗体
結合対象未変性タンパク質(抗原)未変性タンパク質(抗原)組換えタンパク質またはビオチン化baitタンパク質未変性タンパク質(抗原)
相互作用ターゲットなし未変性タンパク質に結合したタンパク質baitタンパク質に結合したタンパク質未変性タンパク質に結合したDNA(クロマチン)
アガロースベースのレジンProtein A/G Plus、AminoLink Plus、GlycolinkAminoLink Plus固定化コバルトキレート、グルタチオン、抗HA抗体、抗c-Myc抗体、またはストレプトアビジンChIP-グレードのプロテインA/G
 もっと詳しく知るもっと詳しく知るもっと詳しく知るキットの注文はこちらから

おもな製品分野

クロマチン免疫沈降アッセイ(ChIP)に加え、Thermo Scientificではオールインワンで使いやすいDNAおよびRNA電気泳動移動度シフト解析(EMSA)キットを提供しております。既知配列のDNAまたはRNAオリゴヌクレオチドプローブに対するタンパク質の結合を調べ、相互作用のアフィニティーを評価します。

磁気ビーズは、免疫沈降(IP)、免疫共沈降(co-IP)、プルダウンアッセイなど、タンパク質濃度が低い小量の試料からのタンパク質濃縮に最適化されています。磁気ビーズはアッセイの自動化に理想的であり、スモールスケールおよび/またはスクリーニングアプリケーションにお勧めです。

免疫親和性または翻訳後修飾特異的アフィニティー結合を利用して、質量分析用にタンパク質を濃縮および精製するための磁気ビーズおよびアガロースビーズベースキット製品です。

Thermo Scientific Pierce IP キット3種類の比較

製品の取扱説明書に従い、10 µgのアフィニティー精製ヤギ抗GFP抗体とPierceのDirectClassicおよび Crosslink IPキットを使用して免疫沈降を行いました。細胞ライセートはIP Lysis/Wash Buffer を用いて調製し、キットに含まれているPierce Control Agarose Resinによってプレクリアを行いました。抗体、レジン、およびライセートを一晩インキュベートし、免疫複合体を形成しました。IP Lysis/Wash Buffer、1X Conditioning Bufferでレジンを洗浄しElution Bufferで溶出しました。溶出したサンプル20%、細胞ライセート(Lysate)5%および抗体(IgG)10%を、4-20% tris-glycineゲルで泳動し、Imperial Protein Stainで染色を行い解析しました。レジンのコントロールとして、抗体を加えずに免疫沈降を行いました。MW:DyLight 549/649 Fluorescent Protein Molecular Weight Markers.

Thermo Scientific Pierce アガロースChIPキットは他のキットに比べ特異的なシグナルが強く、低バックグラウンドです。

A431肺がん細胞は、10% FBSを含むDMEMで24時間培養しました。24時間血清を除いて培養した後、播種した細胞の半分を100 ng/mL EGFで10分間処理しました。1%ホルムアルデヒドを含む培養液で10分間架橋を行いました。製品付属のプロトコールに従ってChIPアッセイを実施しました。Bio-Rad iQ5 Thermocycler、ABsolute™ QPCR SYBR Green Fluorescein Master Mix、および転写開始点近位のヒトMYCプロモーター領域を増幅するように設計されたプライマーを使用し、定量リアルタイムPCRのデータを得ました。

活性化E2F1:HAタグpRb複合体の共免疫沈降

HAタグ pRbの発現にはPierce Human in vitro Expression Systemを使用しました。翻訳反応液50 µLをTBSで200 µLに希釈し、15 µLのアガロースレジンを加え、非特異的な事前洗浄のため4°Cで1時間インキュベートしました。洗浄後の翻訳反応液に50 µLの抗HAレジンを加え、ローテーターで転倒混和しながら4°Cで3時間インキュベートしました。500 µLのTBS-Tで3回レジンを洗浄しました。30 µLの2X non-reducing sample bufferでHA-pRb:E2F1複合体の溶出を行いました。HA-pRb DNA無しおよび有りのin vitro翻訳反応液(レーン1および3)および抗HAアガロース溶出分画(レーン2および4)はウサギ抗E2F1およびマウス抗HAをプローブに用い、Thermo Scientific SuperSignal West Dura Extended Duration Substrateで検出しました。

関連製品

免疫沈降アクセサリー

Thermo Fisher Scientificでは、迅速なアガロースベース免疫沈降用に、様々なディスポーザブルプラスチック製スピンカラム製品をご用意しています。

For Research Use Only. Not for use in diagnostic procedures.