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A: 現在のエキソソームの定義は複雑で、この分野における絶対的なコンセンサスは取られていません。ただ一般的には、ショ糖密度勾配超遠心法で分画したとき、約1.13(B細胞由来エキソソーム)~1.19(小腸細胞由来エキソソーム)g/mLの密度に分画される膜小胞体で、電子顕微鏡で確認したとき30~150nmのサイズでの小胞体がエキソソームであると定義されています。
またエキソソームの膜表面に存在するタンパク質 [テトラスパン類(CD63, CD81, CD9)またはALIXなど] の存在によって定義される場合もあります。
残念ながら現代段階では、細胞内の存在するその他の小胞体(microvasicle, nanovesicle)とエキソソームの違いを明確にかつ簡便に区別する有効なツールおよび情報はありません。
A: エキソソームは微小な小胞体 (30-150 nm) で、脂質2重層からなる膜内部にカーゴと呼ばれるタンパク質やRNAが含まれています。
エキソソームによって膜内に含まれる物質や表面タンパク質は多様です。さらに異なるタイプの細胞間では、異なるタイプのエキソソームが分泌されます。
A: 古くからエキソソームは、多小胞体(multivesicular body)と細胞膜の融合を介したエンドサイトーシス経路で形成される小胞体として認識されていました。
エキソソームは細胞から分泌されるさまざまな小胞体ファミリー(microvesicle、ectosome、shed particleなど)の1つで、細胞膜から直接 出芽されることによって形成されます。
これらの小胞を分画して単離するのは、現在の技術や機器を駆使しても非常に難しいです。これらの小胞体ファミリーは、そのサイズ、密度、構成物質など、重複する部分が多いためです。
Q:単離回収したエキソソームサンプルが、他の小胞体ではなく、エキソソームであることをどのように確認しますか?
A: サイズが30-150 nmであることに加えて、テトラスパニンなどの特定の表面タンパク質マーカーに対して陽性であることで、エキソソームであると確認できます。最も幅広く受け入れられているマーカーはCD63ですが、CD81およびCD9も使用されています。目的のサンプルにおけるこれらのターゲットのウエスタンブロッティングによる検出は、小胞が実際にエキソソームであることを確認するための相対的にシンプルな方法です。
Q:エキソソームはどのような方法で可視化してカウントしますか?
A: エキソソームは30~50nm程度の非常に小さな分子であるため、数μmサイズのオブジェクトを対象とした一般的な顕微鏡では観察することはできません。バクテリアやvaccinia virusのような巨大なウイルス(約5μm)では、光学顕微鏡で観察できますが、エキソソームは光学顕微鏡でも観察できないほど小さいです。
エキソソームのサイズ分布を解析する一般的な方法としては、Nanosight® 機器および電子顕微鏡を用いた方法を採用されています。これらの機器の解析の原理は全く異なりますが、両機器ともに10nmぐらいまでのナノ粒子を観察することが可能です。
現時点で、サンプル中のエキソソーム濃度を求める方法は2つしかありません。
NanoSight 機器、もしくはIzon 機器を用いるかのいずれかです。
Nanosight機器は、光散乱とブラウン運動を利用し、ナノ粒子(10~1000nm)のカウントおよびサイズ測定を行います。
Izon機器は、nanopore解析を用いて同様な解析を可能にしています。
A: 短期保存の場合、エキソソームは4℃で最大1週間保存できます。長期保存の場合、エキソソームは-20°Cまたは-80°Cで保存可能です。保存が長期間になる場合、サンプルを複数回解凍する必要があるかどうか考慮することが重要です。解析に複数のアプリケーション(および複数回の解凍)が必要とされる場合、エキソソーム懸濁液を複数のチューブに小分けすることを推奨します。これにより、各チューブの凍結融解サイクルを1回にできます。複数回の凍結融解サイクルは、エキソソームを損傷し、数を減少させます。
Q:ウエスタンブロッティングがうまくいかない場合、どのように対処すべきですか?
A: 複数の典型的な原因が考えられます。