PCR/qPCR Plastics Considerations–4 Main Attributes

PCR は、短時間に対象の DNA 配列を 1 コピーから数百万コピーに増幅する高感度で効率的な実験手法です。 そのため、反応に使用する PCR プラスチック製品は、最適な PCR 成果を上げるために汚染物質や阻害物質を含まないのはもちろん、高品質であることが必要です。 以下に説明するPCR/qPCR プラスチック製品に関連する特徴や専門用語をご理解の上、正確で信頼できる実験データを得るために適切なプラスチック製品をご選択ください(関連:プラスチック製品選定ガイド)。

1. プラスチック製品の構成

a. 材質

PCR/qPCR プレートは一般的にポリプロピレンで作られています。ポリプロピレンは化学的に不活性で熱サイクル中の温度の急激な変化に耐えることができるためです。 ポリプロピレンの不活性な性質によって反応成分の吸収が最小限に抑えられるので、最適な PCR 結果を確実に得ることができます。 純度と生物適合性に関するロット間の均質性をさらに保証するために、製造において、医療グレードや分子生物学グレードのプラスチック製品に使用されるような、高品質のポリプロピレンを使用することが必要です。 一部の PCR/qPCR プレートは、ハイスループットのロボットタイプの製品で使用するためにより強力なポリプロピレン フレームで作られています。

b. 色

特にハイスループット実験においてサンプルの視覚的な整理と識別を容易にするために、さまざまな色の PCR チューブとプレートをご用意しています。 リアルタイム PCR または qPCR の反応のセットアップにおいて、プロスチックの色が DNA 増幅に影響を及ぼすことはありませんが、高感度で正確な蛍光検出を可能にするために透明よりも白色または/および半透明プラスチック製品のご利用をお勧めします(図 1)。色に関して考慮すべき点は、qPCR 機器の製造元の推奨にしたがってください。

透明と白色のプラスチックを用いた場合の qPCR の結果比較。

図 1. 透明と白色のプラスチックを用いた場合の qPCR の結果比較。 (A)透明ウェルと比較すると、白色ウェルでは Ct 値 が小さく(高感度に)なります。 (B)白色ウェルでは、テクニカルリプリケートにおけるばらつきもより小さくなります。

白色プラスチック蛍光がチューブ外に屈折拡散するのを防ぐので、 qPCR データの感度と均質性が向上します(図 2A)。 屈折を最小限に抑えることにより、より多くの信号が反射して検出器に戻るため、信号雑音比が高くなります(図 2B)。さらに、 白色プラスチックは吸収されたり不規則に反射する可能性のあるサーマル サイクラー ブロックへの蛍光信号伝達を防ぐので、テクニカルリプリケートにおけるばらつきがを最小限に抑えられます(図 1B)。まれに、白色のウェルからの信号増加によって蛍光検出器の検出限界を超える場合があります。その場合の代替方法としては半透明ウェルのご利用をご検討ください。

透明と白色のプラスチックを用いた場合の qPCR の結果比較

図 2. (A)白色ウェルは、qPCR 実験においてサーマル ブロックによる蛍光信号の屈折と吸収を防ぎます。 (B)白色プレートは透明プレートに比べて非常に多くの蛍光シグナルを反射します。 フルオレセインの 3 種類の希釈液をプレートに分注し、比較検討しました。

感度を高め、ばらつきを減らすためには 、ウルトラクリア キャップまたはオプティカルシールを使用して qPCR チューブやプレートを密閉する必要がありますのでご注意ください。これらの製品は、蛍光シグナルが干渉なく透過できるように特別設計されています。

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2. 製造の概要

a. 埃と生物学的汚染の防止

DNA 増幅を阻害する可能性がある汚染物質を回避するには、PCR/qPCR プラスチック製品にヌクレアーゼや DNA が存在しないようにする必要があります。オートクレーブや放射線滅菌のような滅菌方法は細菌やデオキシリボヌクレアーゼを破壊しますが、これらの手法単独では埃や DNA 残留物を除去できません。 埃の粒子が残存して PCR を阻害したり、DNA 断片が非特異的増幅のテンプレートとなる可能性があります。

そのため、プラスチック製品の製造は、成型から最終包装まで、環境中の粒子数を制限した施設内で行う必要があります。例えば、クラス 100,000 のクリーンルームは、1 立方フィート(0.028 立方メートル)の空気中に直径 0.5 μm 以上の粒子を 100,000 個以上認めないことが要件となります。 これらの種類の施設は、埃と生物学的汚染を防止するために国際標準化機構によって規定された厳しいガイドライン(例:ISO 9001)を遵守しています。

b. 品質保証試験

品質保証に関して、反応試薬を完全にシーリングできることを確認するため、製造業者はPCR/qPCRプラスチック製品の目視検査および/または物理的検査を行う場合があります。漏れを確認するためにウェルの蒸発、密閉、電気的導通を評価する物理的試験を行う場合があります。生物学的試験に関して、プラスチック製品のヌクレアーゼやヒト DNA による汚染を評価するために特定の DNA 標的の qPCR 増幅を行うことがあります。製造業者は、PCR/qPCR プラスチック製品について上記の厳しい試験を実施した結果の分析証明書をご提供しています。

3. PCR/qPCR プラスチック製品の基本事項

PCR/qPCR プラスチック製品にはさまざまなサイズと形式があります。 プラスチック製品の特徴と関連用語をご理解いただき、PCR や qPCR で最良の研究成果を得ることにお役立てください。

a. 全般特性

i. 反応サイズまたは最大液量

PCR/qPCRプラスチック製品の最大液量に対応して、実験に最適な PCR/qPCR の反応液量が決まります。 反応液量が多すぎる場合、熱伝導が不十分になったり、反応液が漏れたり、クロスコンタミネーションが発生する可能性があります。一方で反応液量不足の場合、蒸発してサンプルが消失する可能性があります。サーマルサイクラーのブロックタイプに合わせて、熱伝導効率を確保するために最もよくフィットする適切なサイズのプラスチック製品をご選択ください。PCR/qPCR チューブ・プレートの一般的な容量サイズは以下の通りです:

  • チューブ: 0.5 mL、0.2 mL、0.1 mL
  • 96 ウェル プレート: 0.2 mL、0.1 mL
  • 384 ウェル プレート: 0.02 mL

ii. プロファイル

PCR/qPCR チューブ・プレートのプロファイルとはその高さのことを示しします。そして高さが低いタイプを「ロー プロファイル」と呼びます(図 3)。ロー プロファイル プラスチック製品は高さを低くデザインすることによって反応容器中の空間領域を最小限に抑えられるため、蒸発の影響を減らし、熱伝導率を高めめることができます。そのため、もしご利用いただけるのでしたらロー プロファイルプラスチック製品のご利用をお勧めします。ロー プロファイル プラスチック製品は一般的に Fast サーマル ブロックに対応しています。そのため、「Fast」チューブまたはプレートと呼ばれる場合があります。

透明と白色のプラスチックを用いた場合の qPCR の結果比較。
図 3. スタンダードおよびロー プロファイル PCR/qPCR プラスチック製品。

iii. 管壁の厚さ

PCR/qPCR プラスチック製品の管壁は均一で薄く、反応サンプル間の熱伝導が最大限かつ均質になるようにデザインされています。標準的な製品よりも約 50%薄い極薄壁のプラスチック製品は熱伝導効率がさらに高いため、より高速で安定した反応を行うことができます。 

iv. 透明度

qPCR 用プラスチック製品のキャップやシールは、蛍光シグナルの透過性を最大限にし、かつ、歪曲を最小限に抑えるために、高い光学的透明度をを持つ製品を必ずご使用ください。 上記で説明したように、qPCR データ向上のために、白色チューブ・プレートをお勧めしていることにも合わせてご注意ください。

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b. チューブ形式

実験規模が小~中程度のPCR/qPCR 実験にはチューブをご利用ください。単体チューブとチューブ ストリップの2つのタイプが一般的です。(図 4)。

  • 単体チューブは、実行する反応数の数だけセットアップできる柔軟性があります。 また、スケールアップ反応が必要な場合のために、単体チューブにのみ 0.5 mL サイズが用意されています。
  • チューブ ストリップは一般的に、キャップ別またはキャップ付きの 8 本または 12 本のストリップとして用意されています。チューブ ストリップはシングル チャンネル ピペットとマルチ チャンネル ピペットの両方とも使うことができるように設計されており、小~中規模の実験に適したフォーマットです。キャップ付きの製品は、サンプルの汚染を防ぐためにチューブを個々に開閉することが可能です。

効率的に PCR を行うため強い力で蓋を閉めるタイプのサーマル サイクラーをご利用の場合、チューブやチューブ ストリップを潰さないため、専用のトレー/リテーナーが必要になる場合があります。 

透明と白色のプラスチックを用いた場合の qPCR の結果比較。

図 4. PCR/qPCR チューブ。 (A)単体チューブ。 (B)キャップ別またはキャップ付きのストリップ。

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c. プレート形式

PCR/qPCR プレートは一般的なフォーマットとして 96 ウェルと 384 ウェル、小規模用のフォーマットとして 24 ウェルと 48 ウェルの形式でご提供しています(分割プラスチック製品もご覧ください)。 使用するサーマル サイクラーとアプリケーション用途に合わせて、以下のタイプからお客様の実験に適する PCR/qPCR プレートをご選択ください。(プラスチック製品選定ガイドも参照ください)。

i. スカート

PCR/qPCR プレートの「スカート」は、プレートを取り囲むパネルです(図 5)。 スカートがあると、反応セットアップでピペット操作中のプレートを安定して静置できます。またロボット機器が容易にハンドリングするために必要な機械的強度を確保します。 PCR/qPCR プレートは、ノンスカート、セミスカート、フルスカートに分類されます。

  • ノンスカート プレートには周辺パネルがありません(図 5A)。 このタイプは、大部分のサーマル サイクラーとリアルタイム PCR 機器のブロックにフィットしますが、ロボット用途には適しません。
  • セミスカートプレート周囲を低い高さのパネルが囲んでいるので(図 5B)、ピペット操作を適切に支え、ロボット ハンドリングにひつような機械的強度を確保します。
  • フルスカート PCR/qPCR プレートはプレート周囲をプレートと同じ高さのパネルが囲んでいます(図 5C)。 このプレートは、底上げブロック(ロボット ハンドリングを容易にする)を備えたサーマル サイクラーにしっかりフィットするように設計されています。 フルスカートは機械的強度が高く、自動化ワークフローにおいてロボット プラットフォームでの使用に最適にです。
ノンスカート、セミスカート、フルスカート PCR/qPCR プレート。

図 5: ノンスカート、セミスカート、フルスカート PCR/qPCR プレート。

ii. デッキ

プレート表面の周辺部位のことをプレートのデッキと呼びます(図 6)。

  • フラット デッキほとんどのサーマル サイクラーに共通してフィットするデザインです。、プレートのシーリングとハンドリングが容易にできます。
  • レイズド デッキ一部のサーマル サイクラーや機器にきちんとフィットして性能を発揮できるようにデザインされたタイプで、アダプターがなくともカバーの圧力に対するバランスを取ることができます。
透明と白色のプラスチックを用いた場合の qPCR の結果比較。
図 6. フラット デッキとレイズド デッキを備えた PCR/qPCR プレート。

iii. ノッチ

PCR/qPCR プレートの角の加工処理のことをノッチと呼びます。、使用する機器により適したノッチの位置が異なります。 ノッチは 96 ウェル プレートの H1、H12、A1 または A12 の角、または 384 ウェル プレートの A24 の角に あります(図 7)。

ノッチ コーナー付き PCR/qPCR プレート。

図 7: ノッチ コーナー付き PCR/qPCR プレート。 

iv. ANSI/SBS 設置面積

機械的なリキッドハンドリングを行うさまざまなハイスループット システムに適合するために、PCR/qPCR プレートは米国規格協会(ANSI)と生体分子化学規格協会(SBS、現在はラボ自動化およびスクリーニング協会(SLAS)の一部)によって規定された標準寸法を遵守しています。 ANSI/SBS 形式を備えたプレートは、標準の設置面積、高さ、ウェル位置などが規格に沿っているため、効率的に自動化プロセスを進めることができます。

v. ウェルのエッジ

PCR/qPCR プレートにはウェルを囲むように隆起したエッジがあるのが一般的です(図 8)。 フィルムでしっかりシーリングし、蒸発を防ぐためのデザインです。

PCR/qPCR プレートの隆起したウェルのエッジ。

図 8. PCR/qPCR プレート隆起したウェルのエッジ。

vi. レタリング

個々のウェルの位置を明確にし、サンプル調製を行いやすいように、PCR/qPCR プレート表面にはアルファベットおよび数字がレタリングされています。。 隆起レタリングは、見やすいように多くの場合、白色や黒色で印刷されています(図 9A)。 しかし自動化する場合、隆起レタリングされているとシーリングプロセスにトラブルが発生する危険があります。 自動化用途のためには、彫刻レタリング図 9B)タイプご利用いただくことで、プレート周縁部を確実にシーリングすることができます。

PCR/qPCR プレートのアルファベット レタリング。

図 9: PCR/qPCR プレートのアルファベット レタリング。 (A)隆起(印刷)レタリング。 (B)彫刻レタリング。

vii. 分割

96 ウェル PCR/qPCR プレートには割できるように設計されているものがあります。 このデザインでは、プレート全体を使用しない場合、 1 つの 96 ウェル プレートを小さい サイズのプレートに簡単に割ることができるので、消耗品の廃棄が減り、コストを削減できます。 24 ウェル分割のプレートが一般的ですが、利便性と柔軟性の観点から 32 ウェル8 ウェル分割もご用意しています(図 10)。

PCR/qPCR プレートのアルファベット レタリング
図 10: PCR/qPCR 分割プレート。

viii. バーコード付け

ハイスループット実験における記録と追跡を容易にするため、セミスカートとフルスカート PCR/qPCR プレートにバーコードを付けることが可能です(図 11)。 安全かつ信頼性の高い追跡を行うために、バーコード ラベルは傷が付きにくく、化学物質への曝露と広範囲の温度(-196 ℃ ~ 120 ℃)に耐えることができる仕様です。 バーコード リーターの位置は自動化プラットフォームによって異なることがあり、その場合には代替選択肢として 4 方向バーコード付けまたはカスタム オプションをご利用ください。

バーコード付け。

図 11. バーコード付け。 (A)片面にバーコードが付いた PCR/qPCR プレート。 (B)一般的なバーコード形式。

d. シール

PCR/qPCRチューブおよびプレートはキャップストリップまたは粘着フィルムを用いてシーリングします。 キャップ ストリップは PCR/qPCR チューブ ストリップとプレートの両方シーリングに使用できますが、フィルムは PCR/qPCR プレートをシーリングするように設計されています(表 1)。 高感度で信頼性のある qPCR データを得るため、qPCR で使用するキャップとフィルムは均等な厚さと高い光学的透明性を有する必要があります。

表 1. PCR/qPCR シール キャップとフィルム。

シールの種類選択のポイント

キャップ

  • チューブとプレートの両方に使用可能
  • チューブまたはプレートに確実にフィットすること
  • 開閉を繰り返す場合にもしっかりシーリングできること

フィルム

  • 96 ウェルと 384 ウェル プレートに使用可能
  • カットして小さいサイズのプレート(24 ウェル等)のシーリングにも対応
  • さまざまなさまざまな用途(耐熱、ピアシング可能、再シール可能等)に合わせたシールを提供

サイクル中のサンプル蒸発を防ぐために、キャップやフィルムはチューブとプレートをしっかりとシーリングすることがとても大切です。 シーラーキャッピング ツールなどのツールを使用すると、シーリングを確実に簡単にできます。

i. キャップ

キャップ ストリップは、チューブ ストリップや 96 ウェル プレートをシーリングする 時によく用いられます。(図 12)。 フィットすることはもちろん、キャップを選定するときには透明性と形状についてもご確認、ご検討ください。

  • キャップの透明度は DNA 増幅に影響しませんが、qPCR 実験ではとても重要なポイントです。信頼できるデータを収集するにはウルトラクリアまたは光学的キャップをご利用ください。
  • キップの形状にはフラット型とドーム型があります。 使用しているサーマル サイクラーのカバーのデザインに合わせて、どちらを使用するか判断します。
    • チューブの変形を防ぐために蓋の内面がすこし凹んでいる場合、ドーム型キャップをご使用ください。キャップがヒートカバーの圧力を受け止めることにより、完全にチューブがシーリングされるので、安定した PCR 反応を行うことができます。
    • フラット キャップはラベリングが容易で、蓋が平らなサーマル サイクラー用に設計されています。 qPCR アッセイに最適な光学的キャップは、蛍光信号が歪みなく通過できるようにフラット型のことが多いです。
バーコード付け
図 12. PCR/qPCR キャップのさまざまな形式。

ii. フィルム

PCR プレート用のシール フィルムには透明なプラスチック製またはアルミ製があり、それぞれの特長があります(図 13)。

  • 粘着性透明フィルムはそのままでは粘着性はなく、十分な圧力をかけると接着しウェルをシーリングします。、またプレートを再シーリングしたり、必要に応じて蛍光発光値を最大化するためにウェルを密閉せずに開けたままにすることもできます。 qPCR フィルムは、データ収集への影響を最小限に抑えるために高い光学的透明性があることが必要です。 人物同定のための qPCR などの高い精度が必要なアプリケーションに使用する場合には、偽陽性増幅を生じる可能性がある DNA残存のリスクを排除するため、シール フィルムをエチレン オキサイド処理した製品をご用意しています(ISO 18385 準拠)。
  • 粘着性 アルミニウムフィルムは光感応性のサンプルに最適です。PCR 用途では反応液を分注するためのピアシングが簡単にできます。qPCR にはご利用できません。
透明とアルミニウム シール フィルム。
図 13. 透明とアルミニウム シール フィルム。

しっかりしたシールを形成するためにヒート シーラーと、専用の透明フィルムまたはアルミフィルム用いてしっかりとしたシーリングをすることにより、長期保存や輸送中のサンプルの蒸発を防ぐことができます。

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4. PCR/qPCR 実験のスループット

PCR/qPCR アッセイの実験規模に合わせて、反応系調整に適したプラスチック製品を選択します。 低~中規模の実験にはチューブのご利用をおすすめします。一方で中規模~大規模の実験には、プレートのご利用をおすすめします。 一部のプレート製品は、1 列のチューブ ストリップへの分割ができるようになっており、実験規模に柔軟に対応できるように考慮して設計されています。 (分割で詳細を確認)。

高スループットの自動化においては、プレートのスカートと材質組成の 2 つが最重要検討ポイントです。自動システムではプレートを「グリッパー」またはパドルで取り扱うためです。(図 14A)。

  • セミスカートとフルスカート プレートには側面があるのでグリッパーで掴むことができます。一方でノンスカート プレートは自動化には適しません プレートスカートで詳細を確認)。
  • 標準の PCR プラスチック製品のポリプロピレンは、耐久性はありますが、グリッパーによって掛かる力に耐える程の固さはありません。 プレートの反りは自動化プロセスの障害となり、それ以降の実験やデータ収集に影響を与える可能性があります。 そのため、ロボット グリッパーによって生じる歪みに耐え、急速な加熱や冷却に十分耐えるために、自動化用 PCR/qPCR プレートは強力なポリカーボネート フレームで構成されていることが必要です。 反応液への熱伝導は効率的であることが必要なので、ウェルは壁の薄いポリプロピレン ウェルであることが必要です(図 14B)。

多色のフレームのプレートを用いると、大規模な実験系を効率的に実施し、視覚的にモニタリングするのに役立ちます。

リキッドハンドリング システムのロボット グリッパー。

図 14. (A)リキッドハンドリング システムのロボット グリッパー。 (B)ハイスループット/ロボット対応の PCR/qPCR プレートの構造。

結論として、特に中規模~ハイスループットのワークフローを用いて実験およびデータ収集を適切に行うために、適切なプラスチック製品を選択し、PCR のセットアップを行うことがとても重要です。 最良の PCR および qPCR の研修成果を得るために、PCR/qPCR プラスチック製品の基礎をご理解の上、適切な製品をご選択ください。

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For Research Use Only. Not for use in diagnostic procedures.