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人工遺伝子合成のメリットは、お客様の DNA を既存のクローニング方法の限界に縛られることなく配列情報さえあれば作製できることです。また同時に、人工遺伝子合成によって mRNA や最終的なタンパク質の収量が向上するというメリットも多くの研究者に重視されています。ライフテクノロジーズは、一般的に用いられる多様な発現システムにおいて人工合成遺伝子の発現量を最大化できる GeneArt® GeneOptimizer® ソフトウェアを開発しました。

オンラインオーダー ログイン

この独自のソフトウェアには高度なアルゴリズムが搭載されており、mRNA 転写や翻訳のための最適化パラメータをすべて単一のプロセスで処理します。したがってお客様のニーズに合わせた DNA 配列を設計するとともに、お客様の希望する発現宿主で最大の性能を発揮するよう最適化されます(図 1)。長年の研究成果に基づくこのアルゴリズムが GeneArt® GeneOptimizer® ソフトウェアの基礎となっています。またこのアルゴリズムは、生物学研究の進展とともに随時更新されていきます。

GeneArt® GeneOptimizer® ソフトウェアを用いた配列の最適化は、すべての GeneArt® 人工遺伝子合成サービスで無料オプションとして利用できます。このオプションを利用するには、オンラインオーダーシステムでプロジェクトをセットアップする際に発現宿主を選択し、オンライン画面のガイドに従ってプロジェクトのセットアップ プロセス(オンライン上での配列の最適化を含む)を完了します。または同じオンラインオーダーシステムで、GeneArt® GeneOptimizer® による配列解析をリクエストすることも可能です。

図 1 - GeneArt® GeneOptimizer® ソフトウェアが配列を最適化し転写/翻訳効率を最大化

利用方法

オンライン オーダーシステム上でお客様の配列のアップロードや発現システムの選択、クローニング ベクターと配列の詳細設定(開始コドン/終止コドン、3’/5’ 末端の非翻訳領域、制限酵素部位や免疫調節性の CpG モチーフの挿入/削除など)を行って、合成遺伝子を設計してください。お客様がこのデータを送信すると、GeneArt® GeneOptimizer® ソフトウェアは最も重要な配列パラメータを並列処理する斬新なアプローチでターゲット配列を最適化したバリアントを約 50 万種類、設計します。次に、その中からお客様の研究ニーズに最も適したバリアントを 1 つ選択し提案します。

GeneArt® GeneOptimizer® による配列の最適化には、次のサービスが含まれます。

  • お客様のリクエストした条件を取り込む最適の方法を特定します。
  • 潜在的なスプライス部位や RNA を不安定化する配列を除去し、RNA の安定性を高めます。
  • mRNA を安定化する配列を追加します。
  • コドンと GC 含有率をお客様の発現システムに合わせて最適化します。
  • イントロンを除去します。
  • RNA の二次構造を回避します。

発現量が最高 100 倍に

GeneArt® GeneOptimizer® は、mRNA の安定化と翻訳効率の改善によってタンパク質発現レベルを最大化し、タンパク質収量を飛躍的に向上させることを示しました(図 2)。最適化していない遺伝子配列に比べて、発現量が最高 100 倍に増えた事例も報告されています。

図 2 - GeneArt® GeneOptimizer® による配列の最適化で発現量が飛躍的に向上。参考文献: Graf M. et al (2000), J Virol 2000 Nov; 74(22):10822–10826

WEBポータルサイトで最適化可能な生物種

表1に記載されている生物種はWEBポータルサイトで短時間で最適化配列を得ることができます。またこれ以外の生物種については、リストの一番下にある「Request other」をご選択いただくと、入力欄が現れますので、そちらに学名(例:Homo sapiens)をご入力ください。GeneArt担当者が最適化を実施いたします。

学名一般名+コザック配列
Non optimized最適化なしなし
Arabidopsis thalianaシロイヌナズナなし
Bacillus subtilis枯草菌なし
Bos taurus牛、ウシGCCACC
Brassica napusセイヨウアブラナなし
Caenorhabditis elegans線虫(C.elegans)なし
Caulobacter crescentus CB15C. crescentus CB15株 なし
Chlamydomonas reinharditiiクラミドモナス(Engineering Kits, A14258)なし
Cricetulus griseusチャイニーズハムスター、CHO細胞GCCACC
Drosophila melanogasterキイロショウジョウバエGCCACC
Escherichia coli大腸菌なし
Glycine max大豆なし
Homo sapiens人、ヒトGCCACC
Hordeum vulgare大麦なし
Lycopersicon esculentumトマトなし
Mus musculsネズミ、マウスGCCACC
Nicotiana benthamianaベンサミアナタバコなし
Nicotiana tabacumタバコなし
Olyctolagus cuniculusウサギGCCACC
Oryza sativa稲、イネなし
Pichia pastorisピキア酵母の一種AAAA
Saccharomyces cerevisiae出芽酵母AAAA
Schizosaccharomyces pombe分裂酵母AAAA
Spodoptera frugiperdaヨトウガ、Sf9細胞、Sf21細胞GCCACC
Synechococcus elongatusシアノバクテリア(Engineering Kits, A14259)なし
Vaccinia virusワクシニアウイルスなし
Zea maysトウモロコシなし
Aspergillus niger黒色麹菌、黒麹カビ、クロコウジカビ 
Aspergillus oryzae日本麹カビ、ニホンコウジカビ 
Canis familiaris犬、イヌGCCACC
Clostridium acetobutylicumクロストリジウム・アセトブチリクム 
Corynebacterium glutamicum ATCC 13032コリネバクテリウム・グルタミクム ATCC13032株 
Danio rerioゼブラフィッシュGCCACC
Gallus gallus鶏、ニワトリGCCACC
Hypocrea jecorina (Trichoderma reesei)トリコデルマ・リーゼイ 
Kluyveromyces lactis 0406クルイウェロマイセス酵母 
Lactobacillus casei ATCC 334ラクトバチルス・カゼイ乳酸菌 ATCC 334株 
Lactococcus lactisラクトコッカス・ラクティス、ラクチス乳酸菌、ラクチス菌 
Leishmania tarentolae原生動物リーシュマニアの一種 
Macaca mulatta赤毛猿、アカゲザル 
Pichia angusta (Hansenula polymorpha)ピキア酵母の一種AAAA
Plasmodium falciparum熱帯マラリア原虫 
Pseudomonas putidaシュードモナス・プチダ 
Rattus norvegicusラットGCCACC
Streptomyces coelicolor放線菌の一種 
Streptomyces lividans放線菌の一種 
Sus scrofaイノシシ・豚・ブタGCCACC
Trichoplusia niイラクサギンウワバ、High Five™細胞GCCACC
Triticum aestivumパン小麦 
Xenopus laevisアフリカツメガエルGCCACC
Yarrowia lipolyticaヤロウイア酵母 
Request otherその他なし
表1:WEBポータルサイトで最適化可能な生物種
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For Research Use Only. Not for use in diagnostic procedures.

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