デジタルPCR:プラスミドおよびウイルスベクター開発における定量的品質管理

 

信頼性の高い細胞治療および遺伝子治療を開発するには、開発プロセスのあらゆる段階において品質管理が不可欠です。デジタルPCR(dPCR)は核酸の絶対数を測定できるため、以下のような多くのアプリケーションに使用されます:


ベクターコピー数—特性評価の段階で、導入されたベクターゲノム数を評価したり、産物の安定性と同一性をモニターします
ウイルス定量—精製やロットリリースの段階で、ゲノム力価、ウイルス粒子力価、および完全/空のカプシド比を高精度で定量し、用量を正確に評価します
純度&安全性試験—工程内およびリリース試験の段階で、残留DNAや微生物汚染など、製品およびプロセスに関連する不純物を特定します

 

細胞および遺伝子治療開発におけるデジタルPCRの利点
 

広い核酸濃度で正確な絶対定量

ウイルス価やベクターコピー数などの絶対定量が必要な細胞治療および遺伝子治療のワークフローのステップにおいて、dPCRは標準曲線を用いることなく正確な測定を実現します。これにより変動の原因がなくなり、製造プロセスをより堅牢で効率的にできます。

アプリケーションノート:正確で一貫性の高いAAV定量を実現する自動ハイスループットデジタルPCR

 

Data plot showing expected vs. observed AAV concentrations across a dilution series
図1.QuantStudio Absolute Q デジタルPCRオートランシステムとAbsolute Q AAV Viral Titer dPCR Assayを使用して得られた、希釈系列におけるAAV濃度の予測値と実測値

ドロップレットデジタルPCRよりも高い一貫性

マイクロ流体アレイプレート (MAP) テクノロジーは、液滴形成によってマイクロ反応を生成するddPCRプラットフォームとは異なり、20,000以上のマイクロチャンバーへのサンプル充填を可能にし、その>99%を利用することでサンプル損失を最小限に抑えます。

 ポスター:AAVウイルス定量におけるAbsolute QテクノロジーとddPCRの比較

シンプルでスケーラブルな自動dPCRワークフロー

自動化システムによりハイスループットのデジタルPCRが実現され、貴重な時間とリソースを再活用して、スループットを最大化できます。

Applied Biosystems QuantStudio Absolute Q AutoRun Digital PCR Suiteは、シンプルさを維持しながら正確な核酸定量をスケールアップする統合システムソリューションです。

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ベクターコピー数
 

ベクターコピー数(VCN)とは、ターゲット細胞のゲノムに組み込まれたベクターゲノムの数を指します。ウイルス形質導入は変動する可能性があるため、ベクターコピー数の正確な測定は非常に重要な意味を担っており、持続的な導入遺伝子発現のモニタリングや治療用量の決定における重要な指標として機能します。

dPCRは堅牢な絶対定量が可能であり、正確なコピー数計算を実現します

デジタルPCRは、ターゲット分子を単純にカウントして絶対定量するため、より高い精度と正確性を発揮し、変化が小さい場合でも、コピー数の変動を検出および定量します。

アプリケーションノート:QuantStudio Absolute QデジタルPCRシステムを使用したレンチウイルスベクターの特性評価

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ウイルス定量
 

遺伝子および細胞治療では、アデノ随伴ウイルス(AAV)、レンチウイルス、レトロウイルス、ヘルペスウイルス、アデノウイルスなど、遺伝子導入にさまざまなウイルスベクターが使用されています。ウイルス粒子は生細胞内で生成され、その後精製されるため、潜在的な治療薬の濃度を制御することは困難です。正確な組成を示すするために、ウイルス価を正確に、高精度で、一貫をもって測定する必要があります。

dPCRは、ゲノム滴定量、ウイルス粒子定量、および完全体と空のカプシド比算出を高い精度で実施します

Applied Biosystems Absolute Q Viral Titer dPCRアッセイは、ウイルスベクターを容易に、かつ正確に定量します。アッセイは個々に実行することも、ターゲット遺伝子を用いたカスタムアッセイを構築してマルチプレックス化することもできます。

 ポスター:QuantStudio Absolute Q dPCRシステムでのrAAVゲノム定量、ウイルス粒子滴定量、および完全体と空のカプシド比率の測定

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dPCR fluorescent plots measuring proviral copies in cells transduced with lentivirus and table with proviral concentration calculations
図4:特定のMOIでレンチウイルスにより形質導入された細胞中のプロウイルスコピー数の測定と、プロウイルス濃度解析の代表的なdPCR蛍光プロットを示す。本データはQuantStudio Absolute QとViralSEQ Lentiviral Proviral DNA Titer Kitを使用して取得された。、

 


純度および安全性試験:残留DNAおよび微生物汚染
 

ウイルスベクター生成と、その精製や細胞療法のプロセスは、宿主細胞のDNA、マイコプラズマ、およびその他のコンタミネーションによって汚染されやすい環境にあります。このような製品やプロセスに関連する不純物は、高感度で検出およびスクリーニングを実施することで、製品の最高レベルの安全基準を維持し、規制要件を満たす必要があります。 

dPCRは、残存宿主DNA、プラスミドコンタミネーションや、微生物の定量検出を可能にします

Applied Biosystems Absolute Q Viral Titer dPCRアッセイおよびSEQテクノロジーのキットソリューションは、原材料やプロセス中のサンプルから精製最終産物まで、幅広い種類のサンプル中の汚染を検査するためのシンプルで正確な方法を提供します。

テクニカルノート:QuantStudio Absolute QデジタルPCRシステムを使用した、遺伝子治療開発ワークフローにおける残留プラスミドの定量

アプリケーションノート:残留大腸菌DNAの定量におけるQuantStudio Absolute QデジタルPCRシステムの評価

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Graph depicting the concentration of plasmid DNA determined by KanR target quantification
図5:resDNASEQ Quantitative Plasmid DNA - Kanamycin Resistance Gene (pDNA-KanR) KitとAbsolute Q dPCRシステムを用いた、KanRターゲット定量によるプラスミドDNAの濃度測定


アッセイおよびキット

ウイルス価測定用のAbsolute Q dPCRアッセイ

Applied Biosystems Absolute Q Viral Titer dPCRアッセイは、次の特長により、ウイルスベクターを容易に、かつ正確に定量します:

  • シンプル—効率化されたワークフローにより、デジタルPCR装置での使用が容易
  • 高速—最小限のハンスオン時間:QuantStudio Absolute QデジタルPCRシステムと併用すると約90分で結果を取得
  • 信頼性性能保証*に裏付けされた検証済みのアッセイを使用して、データを解析
     

ご注文情報

Absolute Q Viral Titer Assayを注文するには、下記のカタログ番号とアッセイID(該当する場合)をThermoFisher.comのクイックオーダーツールに入力して、カートに追加してください。

 

ターゲット

蛍光色素

カタログ番号

アッセイID

Absolute Q Viral Titer Assay

eGFP

VIC-MGB/20X

A53736

DT2W7KW

Absolute Q Viral Titer Assay

GFP

VIC-MGB/20X

A53736

DTFVKJZ

Absolute Q Viral Titer Assay

SV40 polyA signal

VIC-MGB/20X

A53736

DTZTDZY

Absolute Q Viral Titer Assay

AAV ITR-2

VIC-MGB/20X

A53736

DTH49PU

Absolute Q Viral Titer Assay

CMV promoter region

VIC-MGB/20X

A53736

DTYMJF2

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デジタルPCR解析用のその他のアッセイおよびキット 

Assay-design-hub

カスタムdPCRアッセイ

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Lentiviral kits

レンチウイルス特性評価ソリューション

  • ViralSEQ Lentivirus Physical Titer Kit—ゲノムのlong terminal repeat(LTR)領域をターゲットにして、ゲノム含有レンチウイルス粒子の総数を定量します
  • ViralSEQ Lentivirus Proviral DNA Titer Kit—プロウイルス中のLTRをターゲットすることで、形質転換細胞のベクター融合を測定します

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A51970 resDNASEQ

残存DNA検査ソリューション

  • resDNASEQ dPCR E1A DNA Fragment Length Kit—E1A遺伝子で形質転換されたHEK293産生細胞や他の細胞株中の残存DNAフラグメントサイズを定量します
  • resDNASEQ dPCR E. coli.DNA Kit—組換えタンパク質やプラスミドの産生に使用される大腸菌産生システム中の残存DNAを定量します
  • resDNASEQ Quantitative Plasmid DNA - Kanamycin Resistance Gene Kits—カナマイシン耐性遺伝子含有残留プラスミドを検出します

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taqman-doc-files

TaqManアッセイ

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リソース

dPCRおよびqPCRのワークフローツール

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*規約および条件が適用されます。保証の詳細については、thermofisher.com/absoluteqassayguaranteeをご覧ください

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