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Superscript® IV Reverse Transcriptaseは、RT-PCRとRT-qPCRのパフォーマンスに新たな基準を設けるためにデザインされています。
SuperScript® IV Reverse Transcriptaseはスタンドアローンの酵素として、またはファーストストランド合成システムのフォーマットで使用できます。ファーストストランド合成システムには、dNTPs、oligo(dT)20、ランダムヘキサマー、コントロールプライマーが含まれていますが、バッファーが必要です。最大のcDNA合成量が得られ、あらゆる実験が成功するように必要な成分はすべて別々のチューブに入れられています。
RNAサンプルによく含まれてる阻害成分がcDNA合成を阻害し、RT-qPCRで偽陰性反応が出現する可能性があります。このような阻害物質には、胆汁酸塩、SDS、フミン酸など、RNA抽出時に用いた試薬や生物サンプルから同時精製した成分が含まれていることがあります(表1)。SuperScript® III Reverse Transcriptaseおよび他社製の逆転写酵素と比較すると、SuperScript® IV Reverse Transcriptaseは夾雑阻害物質に対して顕著な抵抗力を示します(図1)。このことは、ホルマリンやパラフィン含有RNAのような純度の低いRNAサンプルを用いた場合であっても良好な実験結果が得られることを意味します。
表1 一般的なcDNA合成阻害物質およびその原料
阻害物質 | 原料 |
---|---|
エタノール/イソプロパノール、塩、フェノール/クロロホルム、界面活性剤 | サンプル調製 |
へパリン、ヘマチン、胆汁酸塩 | 血液、糞便 |
フミン酸、ポリフェノール、多糖類 | 土、植物 |
ホルマリン、パラフィン | ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)組織 |
通常は調製中に分解するためRNA転写物の含有率が少ない植物サンプル由来のRNAのように、最も扱いにくい種類のRNAサンプルでさえも良好に逆転写できるのが理想的な逆転写酵素です。SuperScript® IV Reverse Transcriptaseは優れた頑健性と感度をもつため、分解されたRNAや汚染源の物質を含むRNAからcDNAを合成するのには適した製品です(図2)。
図2 感度が高く再現性のあるcDNA合成と、バラつきの小さい様々な分解された植物RNA 1–100 ng of degraded Arabidopsis total RNA (RIN: プロトコルに従い、1~100 ngの分解されたArabidopsisのトータルRNA(RIN:1~3)を用いて、SuperScript® IV Reverse Transcriptaseとランダムヘキサマーを反応させました。 また、他社製の逆転写酵素をこの製造者が推奨するプロトコルに従って使用しました。 グラフのタイトルに記載されているターゲットに対し、10%のcDNAを含有するRT反応液をTaqMan® Assaysに添加しました。 Ctの平均値をlog10(インプットしたRNAを ng で表示)に対してプロットしました。 テストするRTに対してインプットした各RNA量の標準偏差をプロットしました。
RT反応:インプットした各RNA量 n = 3; RT qPCR:各RT反応 n = 3
RNAのステム・ループ二次構造とGCリッチなテンプレートはcDNA合成を阻害することがあります。SuperScript® IV Reverse Transcriptaseは高い耐温性を有し、より高い温度(最高55oCまで)でも作用する能力があります。それにより高度な二次構造を有するRNAの転写を確実に成功させます(図3)。SuperScript® IV Reverse Transcriptaseは、RT反応中ずっと最大活性を維持できるため、 より多くの完全長cDNAが得られます。
図3 高い耐温性のSuperScript® IV Reverse Transcriptase プロトコルに従い、500 ngの0.5–10 Kb RNA Ladderを用いて10 µL SuperScript® Reverse Transcriptaseとoligo(dT)20を反応させました。50~65℃以外の反応温度は除外しました。次にファーストストランドcDNAをアルカリゲル電気泳動で分解し、SYBR® Gold Nucleic Acid Gel Stainで染色しました。 水酸化ナトリウムですべてのRNAを加水分解し、cDNAのみをが観察しました。 各cDNAバンドをTotalLabソフトウェアで測定し、各反応温度のバンド量を合計しました。 各反応温度での総量と50°Cでの総量の比から活性度(%)を計算しました。
SuperScript® IV Reverse Transcriptaseはわずか10分で9 kbのcDNAを合成することが可能ですが、SuperScript® III Reverse Transcriptase(および競合他社製品)はそのような能力はありません(図4、図5)。
図4 ファーストストランドcDNAの合成率 プロトコルに従い、500 ng Millennium™ RNA Markersを用いて10 µLのSuperScript® Reverse Transcriptase IVをoligo(dT)20と反応させました。 メーカーの推奨するプロトコルに従い、別の逆転写酵素を用いました。反応時間が10分のものは除外しました。 ファーストストランドcDNAをアルカリゲル電気泳動で分離し、cDNAをSYBR® Gold Nucleic Acid Gel Stainで染色しました。 水酸化ナトリウムですべてのRNAを加水分解し、cDNAのみを観察できました。
図5 SuperScript® IV Reverse TranscriptaseのcDNA合成に関するプロトコルは、使いやすく、かつ完全長cDNAが得られるようにデザインされています。