Protein Transfer Devices

ウェスタンブロットのワークフローで重要なステップの1つは、電気泳動後のポリアクリルアミドゲルからニトロセルロースまたはポリフッ化ビニリデン(PVDF)メンブレンにタンパク質を転写し、免疫検出のテクニックを用いて特定タンパク質を検出することです。

当社の電気泳動転写システムは、ウェット、セミドライ、ドライの各方式のブロッティングに合わせて開発されています。以下の表を参照して、各自のウェスタンブロッティングのニーズに適した転写メソッドを選択してください。

転写メンブレン  転写バッファー

お客様に最適なウェスタンブロット転写システムは?

ウェット転写セミドライ転写ドライ転写
Invitrogen Mini Blot Module
Mini Blot Module
Invitrogen XCell Blot Module
XCell II Blot Module
SureLock Tandem Midi Blot Module
SureLock Tandem Midi Blot Module
Invitrogen Power Blotter System
Power Blotter Systems
iBlot 3 Device
iBlot 3 Western Blot Transfer System
対応能力:
ブロットモジュール1つにつきミニゲル1枚、タンク1台にブロットモジュール1~2つ
対応能力:
最大2ミニブロット
対応能力:
ブロットモジュール1つにつきミディゲル1枚、タンク1台にブロットモジュール1~2つ
対応能力:
ミニゲル1~4枚、またはミディゲル1~2枚
対応能力:
ミニゲル1~4枚、またはミディゲル1~2枚
転写時間:60分 転写時間:
60~120分
転写時間: 
30分
転写時間:
5~10分
転写時間:
最短3分
ブロッティング領域:
9 x 9 cm
ブロッティング領域:
9 x 9 cm
 ブロッティング領域:
9.2 x 14.4 cm
ブロッティング領域:
10 x 18 cmまたは
21 x 22.5 cm
ブロッティング領域:
8.5 x 13.5 cm
ブロッティング領域:転写バッファー容量:
ブロットモジュール1つあたり220 mL
転写バッファー容量:
200 mL
転写バッファー容量: 
ブロットモジュールあたり300 mL
転写バッファー容量:
プレカットメンブレン&フィルター:50~100 mL、
事前組立済みSelect transfer stacks:バッファー不要
転写バッファー容量:
バッファー不要
電源:外部 電源:外部 電源:
外部
電源:内部 電源:内部
必要な機器:
Mini Gel Tank:最大2つのミニブロットモジュールに対応
必要な機器:
XCell SureLockミニセル:最大2つのブロットモジュールに対応
必要な機器:
SureLock Tandem Midi Gel Tank:最大2つのブロットモジュールに対応
––––––
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ウェスタンブロット転写メソッドの比較

 Invitrogen wet transfer system, Mini Blot ModuleInvitrogen semi-dry system, Power BlotterInvitrogen dry transfer system, iBlot 2
 ウェット転写セミドライ転写ドライ転写
セットアップ手動作業、転写バッファーの調製に15~20分必要Selectスタックで5~10分、プレカットメンブレンおよびフィルターで約10~15分約5分
クリーンアップ有害なメタノールの廃棄処理など、使用ごとにおおがかりなクリーンアップが必要使用ごとに軽度のクリーンアップが必要ほぼ不要
転写時間30~120分7~10分最短3分
スループット+++++++++
性能++++++++
使いやすさ++++++++
転写バッファーの要件メタノールが必要メタノール非含有の転写バッファー、ただし事前組立済みスタックではバッファー不要バッファー不要
特記事項長時間の転写には冷却が必要な場合ありTowbinバッファーなど、複数のシステムを使用可能組み立て済みのトランスファースタックが必要です。

ウェット、セミドライ、ドライの各方式の転写メソッドの比較

タンパク質をゲルからブロッティングメンブレンへ効率的かつ高い信頼性で転写することは、ウェスタン検出試験を成功させるための基礎になります。結果の精度は、ウェスタンブロッティング法の転写効率に左右されます。従来のウェット転写は高効率ですが、時間と労力がかかります。セミドライブロッティングは利便性が高く、時間的な節約もでき、各種タイプのバッファーシステムおよびバッファーフリーの事前組立済みスタックを使用できる柔軟性も有しています。しかしセミドライ転写では、分子量が大きなタンパク質(>300 kDa)の転写効率が低下する可能性があります。ドライ電気ブロッティングでは、高速かつ高品質な転写を実現でき、またバッファーを追加する必要がないことによる利便性も得られます。

SDS-PAGEまたはネイティブゲルからニトロセルロース、PVDF、ナイロンメンブレンにタンパク質を転写する主要な3つの方法:

ウェットタンク電気転写

ウェット式転写を行う場合は、最初にゲルを転写バッファーで平衡化します。次にゲルを“転写サンドイッチ”(フィルターペーパー-ゲル-メンブレン-フィルターペーパー)の状態に配置し、パッドを緩衝剤としてサポートグリッドで一緒にプレスします。サポートされたゲルサンドイッチを、タンク内にあるステンレススチール/白金ワイヤー電極の間に垂直に配置し、タンクに転写バッファーを充填します。

標準的な電界オプションで複数のゲルを電気転写できます。このオプションでは、一定の電流(0.1~1 A)または電圧(5~30 V)を用いて最短1時間から一晩をかけて処理をします。転写は通常、発生する熱を軽減するために氷パックを使用して4℃で行います。単一ゲル用の高電界オプションでは、転写時間を最短30分にまで短縮できますが、高電圧(最大200 V)または高電流(最大1.6 A)を必要とし、発生する多大な熱を消散させるための冷却システムも必要になります。

14~116 kDaのタンパク質で80~100%の転写効率を達成できます。転写時間を長くすることで転写効率を向上できます。ただし時間が長くなると、タンパク質がメンブレンを通過してしまう過剰転写(ブロースルー)のリスクが生じることになり、特に孔径が大きい(0.45 µm)メンブレン使用時には低分子量(<30 kDa)タンパク質で危険性が顕著です。

セミドライ電気転写

セミドライ式タンパク質転写では、転写サンドイッチがセミドライ転写装置内の2つのプレート電極の間に水平に配置されます。こうしたセミドライ転写では、ゲルを転写バッファーで事前に平衡化することが非常に重要です。最大限の電流をゲルの周囲ではなく内部を通過させるため、転写に用いるバッファーの量は、転写サンドイッチにちょうど浸み込む量に調整します。極厚のペーパー(厚さ約3 mm)とメンブレンをバッファーに十分に浸しておくことも有効です。同様に、フィルターペーパーシートとメンブレンを、ゲルのサイズにカットすることも重要です。

1~4枚のゲルをメンブレンに迅速に電気ブロットできます。転写バッファーにはメタノールが含まれている場合もありますが、セミドライブロッターの損傷を避けるため、芳香族炭化水素、塩素化炭化水素、アセトンなど、その他の有機溶剤は使用しないでください。電気転写は、一定の電流(0.1~0.4 A)または電圧(10~25 V)で、10~60分間行います。転写時間の短縮の観点からはメタノール非含有の転写バッファーが推奨され、転写時間を7~10分に短縮できます。14~116 kDaのタンパク質に対して60~80%の転写効率が達成可能ですが、分子量の高いタンパク質ほど転写により長時間を必要とします。

セミドライ電気ブロッティング転写。Invitrogen Power Blotterは、10~300 kDaのタンパク質のポリアクリルアミドゲルからニトロセルロースまたはPVDFメンブレンへのセミドライ転写を5~10分で迅速に実施できるよう、特別に設計されています。Power Blotterの一体型電源は、一般的に使用されているプレキャストゲルまたは自家製ゲル(SDS-PAGE)と、ニトロセルロースまたはPVDFメンブレンとともに使用した際に、高効率で一貫性のあるタンパク質転写が可能となるよう最適化されています。

ドライ電気転写

ドライ電気ブロッティング法では、従来の転写バッファーを使用しない革新的なコンポーネントを含んだ特殊な転写サンドイッチを使用します。バッファータンクや湿潤済みフィルターペーパーの代わりに、バッファーを組み込んだ独自のゲルマトリックス(転写スタック)を使用します。ゲルマトリックス中の高いイオン密度により、迅速なタンパク質転写が可能です。ブロッティング中、銅製の陽極は水の電気分解による酸素ガスを生成しないため、ブロットの歪みが低減されます。ウェット式およびセミドライ式などの従来のタンパク質転写テクニックでは、酸素を生成する不活性電極を使用しています。短い電極間距離、強い電界強度、および高電流により、転写時間は通常は短縮されます。

ドライ電気ブロッティング転写。Invitrogen iBlot 3ウェスタンブロット転写システムは、バッファーを必要とすることなく迅速なウェスタンブロッティングを実現します。このシステムは、最短3分でタンパク質をアクリルアミドゲルから効率的にブロッティングし、PVDFとニトロセルロースの両メンブレンに適合します。iBlot 3システムは、わずかな時間で従来のウェット式転写メソッドと同等のパフォーマンスを発揮します。

お客様に最適なウェスタンブロット転写システムは?

ウェット転写セミドライ転写ドライ転写
Invitrogen Mini Blot Module
Mini Blot Module
Invitrogen XCell Blot Module
XCell II Blot Module
SureLock Tandem Midi Blot Module
SureLock Tandem Midi Blot Module
Invitrogen Power Blotter System
Power Blotter Systems
iBlot 3 Device
iBlot 3 Western Blot Transfer System
対応能力:
ブロットモジュール1つにつきミニゲル1枚、タンク1台にブロットモジュール1~2つ
対応能力:
最大2ミニブロット
対応能力:
ブロットモジュール1つにつきミディゲル1枚、タンク1台にブロットモジュール1~2つ
対応能力:
ミニゲル1~4枚、またはミディゲル1~2枚
対応能力:
ミニゲル1~4枚、またはミディゲル1~2枚
転写時間:60分 転写時間:
60~120分
転写時間: 
30分
転写時間:
5~10分
転写時間:
最短3分
ブロッティング領域:
9 x 9 cm
ブロッティング領域:
9 x 9 cm
 ブロッティング領域:
9.2 x 14.4 cm
ブロッティング領域:
10 x 18 cmまたは
21 x 22.5 cm
ブロッティング領域:
8.5 x 13.5 cm
ブロッティング領域:転写バッファー容量:
ブロットモジュール1つあたり220 mL
転写バッファー容量:
200 mL
転写バッファー容量: 
ブロットモジュールあたり300 mL
転写バッファー容量:
プレカットメンブレン&フィルター:50~100 mL、
事前組立済みSelect transfer stacks:バッファー不要
転写バッファー容量:
バッファー不要
電源:外部 電源:外部 電源:
外部
電源:内部 電源:内部
必要な機器:
Mini Gel Tank:最大2つのミニブロットモジュールに対応
必要な機器:
XCell SureLockミニセル:最大2つのブロットモジュールに対応
必要な機器:
SureLock Tandem Midi Gel Tank:最大2つのブロットモジュールに対応
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ウェスタンブロット転写メソッドの比較

 Invitrogen wet transfer system, Mini Blot ModuleInvitrogen semi-dry system, Power BlotterInvitrogen dry transfer system, iBlot 2
 ウェット転写セミドライ転写ドライ転写
セットアップ手動作業、転写バッファーの調製に15~20分必要Selectスタックで5~10分、プレカットメンブレンおよびフィルターで約10~15分約5分
クリーンアップ有害なメタノールの廃棄処理など、使用ごとにおおがかりなクリーンアップが必要使用ごとに軽度のクリーンアップが必要ほぼ不要
転写時間30~120分7~10分最短3分
スループット+++++++++
性能++++++++
使いやすさ++++++++
転写バッファーの要件メタノールが必要メタノール非含有の転写バッファー、ただし事前組立済みスタックではバッファー不要バッファー不要
特記事項長時間の転写には冷却が必要な場合ありTowbinバッファーなど、複数のシステムを使用可能組み立て済みのトランスファースタックが必要です。

ウェット、セミドライ、ドライの各方式の転写メソッドの比較

タンパク質をゲルからブロッティングメンブレンへ効率的かつ高い信頼性で転写することは、ウェスタン検出試験を成功させるための基礎になります。結果の精度は、ウェスタンブロッティング法の転写効率に左右されます。従来のウェット転写は高効率ですが、時間と労力がかかります。セミドライブロッティングは利便性が高く、時間的な節約もでき、各種タイプのバッファーシステムおよびバッファーフリーの事前組立済みスタックを使用できる柔軟性も有しています。しかしセミドライ転写では、分子量が大きなタンパク質(>300 kDa)の転写効率が低下する可能性があります。ドライ電気ブロッティングでは、高速かつ高品質な転写を実現でき、またバッファーを追加する必要がないことによる利便性も得られます。

SDS-PAGEまたはネイティブゲルからニトロセルロース、PVDF、ナイロンメンブレンにタンパク質を転写する主要な3つの方法:

ウェットタンク電気転写

ウェット式転写を行う場合は、最初にゲルを転写バッファーで平衡化します。次にゲルを“転写サンドイッチ”(フィルターペーパー-ゲル-メンブレン-フィルターペーパー)の状態に配置し、パッドを緩衝剤としてサポートグリッドで一緒にプレスします。サポートされたゲルサンドイッチを、タンク内にあるステンレススチール/白金ワイヤー電極の間に垂直に配置し、タンクに転写バッファーを充填します。

標準的な電界オプションで複数のゲルを電気転写できます。このオプションでは、一定の電流(0.1~1 A)または電圧(5~30 V)を用いて最短1時間から一晩をかけて処理をします。転写は通常、発生する熱を軽減するために氷パックを使用して4℃で行います。単一ゲル用の高電界オプションでは、転写時間を最短30分にまで短縮できますが、高電圧(最大200 V)または高電流(最大1.6 A)を必要とし、発生する多大な熱を消散させるための冷却システムも必要になります。

14~116 kDaのタンパク質で80~100%の転写効率を達成できます。転写時間を長くすることで転写効率を向上できます。ただし時間が長くなると、タンパク質がメンブレンを通過してしまう過剰転写(ブロースルー)のリスクが生じることになり、特に孔径が大きい(0.45 µm)メンブレン使用時には低分子量(<30 kDa)タンパク質で危険性が顕著です。

セミドライ電気転写

セミドライ式タンパク質転写では、転写サンドイッチがセミドライ転写装置内の2つのプレート電極の間に水平に配置されます。こうしたセミドライ転写では、ゲルを転写バッファーで事前に平衡化することが非常に重要です。最大限の電流をゲルの周囲ではなく内部を通過させるため、転写に用いるバッファーの量は、転写サンドイッチにちょうど浸み込む量に調整します。極厚のペーパー(厚さ約3 mm)とメンブレンをバッファーに十分に浸しておくことも有効です。同様に、フィルターペーパーシートとメンブレンを、ゲルのサイズにカットすることも重要です。

1~4枚のゲルをメンブレンに迅速に電気ブロットできます。転写バッファーにはメタノールが含まれている場合もありますが、セミドライブロッターの損傷を避けるため、芳香族炭化水素、塩素化炭化水素、アセトンなど、その他の有機溶剤は使用しないでください。電気転写は、一定の電流(0.1~0.4 A)または電圧(10~25 V)で、10~60分間行います。転写時間の短縮の観点からはメタノール非含有の転写バッファーが推奨され、転写時間を7~10分に短縮できます。14~116 kDaのタンパク質に対して60~80%の転写効率が達成可能ですが、分子量の高いタンパク質ほど転写により長時間を必要とします。

セミドライ電気ブロッティング転写。Invitrogen Power Blotterは、10~300 kDaのタンパク質のポリアクリルアミドゲルからニトロセルロースまたはPVDFメンブレンへのセミドライ転写を5~10分で迅速に実施できるよう、特別に設計されています。Power Blotterの一体型電源は、一般的に使用されているプレキャストゲルまたは自家製ゲル(SDS-PAGE)と、ニトロセルロースまたはPVDFメンブレンとともに使用した際に、高効率で一貫性のあるタンパク質転写が可能となるよう最適化されています。

ドライ電気転写

ドライ電気ブロッティング法では、従来の転写バッファーを使用しない革新的なコンポーネントを含んだ特殊な転写サンドイッチを使用します。バッファータンクや湿潤済みフィルターペーパーの代わりに、バッファーを組み込んだ独自のゲルマトリックス(転写スタック)を使用します。ゲルマトリックス中の高いイオン密度により、迅速なタンパク質転写が可能です。ブロッティング中、銅製の陽極は水の電気分解による酸素ガスを生成しないため、ブロットの歪みが低減されます。ウェット式およびセミドライ式などの従来のタンパク質転写テクニックでは、酸素を生成する不活性電極を使用しています。短い電極間距離、強い電界強度、および高電流により、転写時間は通常は短縮されます。

ドライ電気ブロッティング転写。Invitrogen iBlot 3ウェスタンブロット転写システムは、バッファーを必要とすることなく迅速なウェスタンブロッティングを実現します。このシステムは、最短3分でタンパク質をアクリルアミドゲルから効率的にブロッティングし、PVDFとニトロセルロースの両メンブレンに適合します。iBlot 3システムは、わずかな時間で従来のウェット式転写メソッドと同等のパフォーマンスを発揮します。

Resources

Western Blotting Overview Brochure
 Traditional wet transferSemi-dry transferDry transfer
 XCell II™ Blot Module
Mini Blot Module
Novex® Semi-Dry Blotter Pierce® Power Blotter iBlot® 2 Gel Transfer Device
Transfer time60–120 min60 min30–60 min5–10 min7 min
Capacity of device1–2 mini gels1 mini gel (per module) or 2 mini gels (two modules per tank)4 mini-gels or
2 midi-gels
4 mini gels or
2 midi gels
2 mini gels or
1 midi gel
Blotting area9 x 9 cm9 x 9 cm21 x 21 cm21 x 22.5 cm8.5 x 13.5 cm
Requires transfer bufferYes (1,000 mL)Yes, (200–400 mL per module)Yes (500 mL)Yes (50 mL per mini gel or 100 mL per midi gel)No
Power supplyExternalExternalExternalInternalInternal
 Order NowOrder NowOrder NowOrder NowOrder Now

For Research Use Only. Not for use in diagnostic procedures.