導入困難な細胞にもトランスフェクションが可能で、多用途に使える試薬が新発売
新しいLipofectamine® 3000 Reagentは以下の特長をもつ遺伝子導入試薬で、お客様にとって真に関心のある、生物学的な意味を持つ細胞実験が可能になります:

  • 優れたパフォーマンス—導入困難な細胞から一般的な細胞まで、非常に広範囲の細胞で高い導入効率が得られる
  • 細胞生存率が改善—細胞に優しく、低毒性
  • 高い汎用性—1つの試薬でDNA、RNA、co-transfectionが可能

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Lipofectamine® 3000 試薬を使用することで、我々の導入困難な細胞株で10倍以上のトランスフェクション効率を得られたことにとても喜んでいますし、驚いています。それだけでなく細胞死も低減しました。素晴らしい結果です!
— リスボン大学 Rui Eduardo Castro, PhD


多くの様々な導入困難な細胞に対して優れた性能を発揮


Lipofectamine® 3000 Reagentは、弊社が持つ最新の脂質ナノ粒子テクノロジーを利用しており、優れたトランスフェクション性能と再現性の高い結果を実現します。様々な導入困難な細胞および一般的な細胞において、非常に優れた導入効率をもたらし(図1)、細胞生存率も向上させます。



図1. Lipofectamine® 3000は、Lipofectamine® 2000および他社製品 FHよりも優れた性能を持ちます。各試薬を用い、HEK 293、HeLa、LNCaP、HepG2およびA549細胞株に96ウェルフォーマットでトランスフェクトし、トランスフェクションから48時間後にGFP発現を解析しました。5種類すべての細胞株において、Lipofectamine® 3000はLipofectamine® 2000および他社製品FHよりも高いGFPのトランスフェクション効率をもたらしました。

図2. Lipofectamine® 3000のトランスフェクションプロトコールは、幅広い細胞株に対して最適な性能と信頼性を得られ、且つ簡便であることを追求しました。

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向上した細胞生存率、低毒性


Lipofectamine® 3000を開発するにあたり、トランスフェクションの過程における4つのステップすべてを最適化し、弊社が持つ最新の脂質ナノ粒子テクノロジーと組み合わせました。高いトランスフェクション性能をもつため、細胞株に使用する際に試薬の用量を減らし、毒性のリスクを低減することができます。

図3. 各試薬を用い、96-ウェルフォーマットにて、グラフに示される用量でHeLa細胞にエメラルドグリーン蛍光タンパク質(GFP)発現ベクターをトランスフェクトしました。トランスフェクションから48時間後、フローサイトメトリーを使用してトランスフェクション効率およびGFPの発現強度を解析しました。Lipofectamine® 3000は、Lipofectamine® 2000およびLipofectamine® LTXよりも高いトランスフェクション効率およびタンパク質発現を示しました。


がん研究を増進

研究課題に取り組む時、生物学的に最も意味のある細胞株を用いることで、生物学的に最も意味のある答えが得られます。Lipofectamine® 3000は、多岐にわたる細胞でより高いトランスフェクション効率を示すため、研究に用いる細胞株の選択肢が大きく広がります。

表1. 様々な細胞株におけるテストの結果、Lipofectamine® 3000はLipofectamine® 2000よりも優れたトランスフェクション効率を示しました。

Cell typeLipofectamine® 3000の
トランスフェクション効率
タンパク質発現の増加(×倍率)
Lipofectamine® 3000 vs Lipofectamine® 2000
細胞型起源
NIH/3T34マウス胎仔線維芽細胞株
4T12マウス乳腫瘍細胞株
A4312ヒト類表皮癌細胞株
A5493ヒト肺癌細胞株
ACHN2ヒト腎癌細胞株
bEnd.39

マウス脳内皮腫細胞株

BJ3

ヒト皮膚線維芽細胞株

BT-5494

ヒト乳癌細胞株

C2C123

マウス筋芽細胞株

C65

ラット神経膠腫細胞株

Caco-22

ヒト結腸癌細胞株

Caki-14

ヒト腎明細胞癌細胞株

CHO-K11

チャイニーズハムスター卵巣細胞株

CHO-S1

チャイニーズハムスター卵巣細胞株

COLO 2054

ヒト結腸癌細胞株

COS-74サル線維芽細胞様細胞株

トランスフェクション効率 (%): <30%     30–50%    51–79%    >80%

Cell typeLipofectamine® 3000の
トランスフェクション効率
タンパク質発現の増加(×倍率)
Lipofectamine® 3000 vs Lipofectamine® 2000

細胞型起源

DU 1452ヒト前立腺癌細胞株
H4603ヒト肺癌細胞株
H9c23ラット心筋細胞株
HCC19375ヒト乳癌細胞株
HCT 1161ヒト結腸癌細胞株
HEK-2932ヒト胎児腎細胞株
HeLa3ヒト子宮頸癌細胞株
Hep 3B2ヒト肝癌細胞株
Hepa 1-61マウス肝癌細胞株
Hep G29ヒト肝癌細胞株
Hs 578T3ヒト乳癌細胞株
HT-10801ヒト線維肉腫細胞株
HT-291ヒト結腸癌細胞株
Huh-74ヒト肝細胞癌細胞株
Jurkat1ヒトTリンパ球細胞株

トランスフェクション効率 (%): <30%     30–50%    51–79%    >80%

Cell type (cont.)
Lipofectamine® 3000の
トランスフェクション効率
タンパク質発現の増加(×倍率)
Lipofectamine® 3000 vs Lipofectamine® 2000

細胞型起源

K-5621ヒト骨髄性白血病細胞株
L68ラット骨格筋細胞株
L9292マウス線維肉腫細胞株
LNCaP6

ヒト前立腺癌細胞株

MCF 10A5ヒト乳腺上皮細胞株
MCF72ヒト乳癌細胞株
MDA-MB-2313ヒト乳癌細胞株
MDA-MB-4351ヒト乳癌細胞株
MDA-MB-4689ヒト乳癌細胞株
MDCK1イヌ腎細胞株
Neuro-2a1マウス神経芽細胞腫細胞株
NCI-H232ヒト肺腺癌細胞株
NCI-H46017ヒト肺癌細胞株
P191マウス胚性癌腫細胞株
PANC-13ヒト類上皮細胞癌細胞株
PC-122ラット褐色細胞腫細胞株

トランスフェクション効率 (%): <30%     30–50%    51–79%    >80%

Cell type (cont.)
Lipofectamine® 3000の
トランスフェクション効率
タンパク質発現の増加(×倍率)
Lipofectamine® 3000 vs Lipofectamine® 2000
細胞型起源
RAW 264.74マウスマクロファージ細胞株
RBL2ラット好塩基球性白血病細胞株
RD4ヒト横紋筋肉腫細胞株
Saos-24ヒト骨肉腫細胞株
SH-SY5Y1ヒト神経芽細胞腫細胞株
SK-BR-34ヒト乳癌細胞株
SK-MEL-282ヒトメラノーマ細胞株
SK-N-SH6ヒト神経芽細胞腫細胞株
SK-OV-33ヒト卵巣癌細胞株
SW4802ヒト結腸癌細胞株
SW6205ヒト結腸癌細胞株
T98G4ヒト神経膠芽腫細胞株
U2OS3ヒト骨肉腫細胞株
U-9372ヒト組織球性白血病細胞株
Vero1サル腎細胞株

トランスフェクション効率 (%): <30%     30–50%    51–79%    >80%

Cell typeLipofectamine® 3000の
トランスフェクション効率
タンパク質発現の増加(×倍率)
Lipofectamine® 3000 vs Lipofectamine® 2000
細胞型起源
NIH/3T34マウス胎仔線維芽細胞株
4T12マウス乳腫瘍細胞株
A4312ヒト類表皮癌細胞株
A5493ヒト肺癌細胞株
ACHN2ヒト腎癌細胞株
bEnd.39

マウス脳内皮腫細胞株

BJ3

ヒト皮膚線維芽細胞株

BT-5494

ヒト乳癌細胞株

C2C123

マウス筋芽細胞株

C65

ラット神経膠腫細胞株

Caco-22

ヒト結腸癌細胞株

Caki-14

ヒト腎明細胞癌細胞株

CHO-K11

チャイニーズハムスター卵巣細胞株

CHO-S1

チャイニーズハムスター卵巣細胞株

COLO 2054

ヒト結腸癌細胞株

COS-74サル線維芽細胞様細胞株

トランスフェクション効率 (%): <30%     30–50%    51–79%    >80%

Cell typeLipofectamine® 3000の
トランスフェクション効率
タンパク質発現の増加(×倍率)
Lipofectamine® 3000 vs Lipofectamine® 2000

細胞型起源

DU 1452ヒト前立腺癌細胞株
H4603ヒト肺癌細胞株
H9c23ラット心筋細胞株
HCC19375ヒト乳癌細胞株
HCT 1161ヒト結腸癌細胞株
HEK-2932ヒト胎児腎細胞株
HeLa3ヒト子宮頸癌細胞株
Hep 3B2ヒト肝癌細胞株
Hepa 1-61マウス肝癌細胞株
Hep G29ヒト肝癌細胞株
Hs 578T3ヒト乳癌細胞株
HT-10801ヒト線維肉腫細胞株
HT-291ヒト結腸癌細胞株
Huh-74ヒト肝細胞癌細胞株
Jurkat1ヒトTリンパ球細胞株

トランスフェクション効率 (%): <30%     30–50%    51–79%    >80%

Cell type (cont.)
Lipofectamine® 3000の
トランスフェクション効率
タンパク質発現の増加(×倍率)
Lipofectamine® 3000 vs Lipofectamine® 2000

細胞型起源

K-5621ヒト骨髄性白血病細胞株
L68ラット骨格筋細胞株
L9292マウス線維肉腫細胞株
LNCaP6

ヒト前立腺癌細胞株

MCF 10A5ヒト乳腺上皮細胞株
MCF72ヒト乳癌細胞株
MDA-MB-2313ヒト乳癌細胞株
MDA-MB-4351ヒト乳癌細胞株
MDA-MB-4689ヒト乳癌細胞株
MDCK1イヌ腎細胞株
Neuro-2a1マウス神経芽細胞腫細胞株
NCI-H232ヒト肺腺癌細胞株
NCI-H46017ヒト肺癌細胞株
P191マウス胚性癌腫細胞株
PANC-13ヒト類上皮細胞癌細胞株
PC-122ラット褐色細胞腫細胞株

トランスフェクション効率 (%): <30%     30–50%    51–79%    >80%

Cell type (cont.)
Lipofectamine® 3000の
トランスフェクション効率
タンパク質発現の増加(×倍率)
Lipofectamine® 3000 vs Lipofectamine® 2000
細胞型起源
RAW 264.74マウスマクロファージ細胞株
RBL2ラット好塩基球性白血病細胞株
RD4ヒト横紋筋肉腫細胞株
Saos-24ヒト骨肉腫細胞株
SH-SY5Y1ヒト神経芽細胞腫細胞株
SK-BR-34ヒト乳癌細胞株
SK-MEL-282ヒトメラノーマ細胞株
SK-N-SH6ヒト神経芽細胞腫細胞株
SK-OV-33ヒト卵巣癌細胞株
SW4802ヒト結腸癌細胞株
SW6205ヒト結腸癌細胞株
T98G4ヒト神経膠芽腫細胞株
U2OS3ヒト骨肉腫細胞株
U-9372ヒト組織球性白血病細胞株
Vero1サル腎細胞株

トランスフェクション効率 (%): <30%     30–50%    51–79%    >80%

様々な組織に由来するがん細胞パネルにおいて、Lipofectamine® 3000は、Lipofectamine® 2000などの主要なトランスフェクション試薬に比べてさらに優れた導入効率を提供します。Lipofectamine® 2000の場合、導入が容易(トランスフェクション効率が50%を超える)とみなされる細胞は、がん細胞株パネルのうちわずか25%ですが、Lipofectamine® 3000では、がん細胞株パネルの60%において導入が容易です。

図4. Lipofectamine® 2000およびLipofectamine® 3000を用い、17種類の細胞株に24ウェルプレートフォーマットで1ウェルあたり0.5 µg のGFP発現プラスミドを、各試薬の推奨プロトコールに従ってトランスフェクトしました。トランスフェクションから48時間後にGFP発現を解析しました。各条件についてトリプリケートで実験を行い、データポイントは平均トランスフェクション効率+ SDで示しています。


人工多能性幹細胞(iPSC)の作製

Lipofectamine® 3000にEpi5™ Episomal iPSC Reprogramming Kitを組み合わせて使用することにより、優れたトランスフェクション効率が得られ、エレクトロポレーションを使用せずに高効率な体細胞のリプログラミングを実現できます。

図5. Lipofectamine® 3000によるリプログラミングの効率性をエレクトロポレーションと比較
Lipofectamine® 3000 または Neon® Transfection Systemを用いてEpi5™ベクターをトランスフェクションすることにより、BJ繊維芽細胞および、新生児(HDFn) または成人(HDFa) ヒト皮膚繊維芽細胞をiPS細胞にリプログラミングしました。コロニーは(A)明視野顕微鏡、および (B)アルカリフォスファターゼ染色により観察されました。


ゲノム編集の成果を向上


Lipofectamine® 3000は、これまでの遺伝子導入の限界を打ち破るために開発され、ゲノム編集のような新しいテクノロジーを利用した研究をより促進することが可能になりました。この新しいトランスフェクション試薬を用いて、GeneArt® TALおよびCRISPRにより、HepG2およびU2OS細胞においてAAVS1遺伝子座のターゲティングを行ったところ、トランスフェクション効率、蛍光強度、およびゲノム切断に向上が見られました。導入効率が向上することにより、ダウンストリーム解析に進むための手間が軽減され、幹細胞の操作がより容易となり、ゲノムに対する部位特異的な挿入を促進します。

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図6. GeneArt® TALおよびCRISPRの切断効率
TALおよびCRISPRにより、(A) U2OSおよび(B) HepG2細胞株においてAAVS1遺伝子座をターゲットとしました。GeneArt® Genomic Cleavage Detection Kitを用い、切断アッセイを行ないました。




図7. CRISPRベクターのトランスフェクション効率およびタンパク質発現
OFPレポーター遺伝子を含むベクターをLipofectamine® 2000またはLipofectamine® 3000試薬により (A) U2OSおよび (B) HepG2細胞株にトランスフェクトしました。棒グラフはレポーター遺伝子の発現を示しており、画像はOFP遺伝子を発現している細胞です。


幹細胞への導入

図8. Lipofectamine® 3000を用いたH9幹細胞(A)またはiPS細胞(B)へのトランスフェクション