Nicolet RaptIR+/RaptIR赤外顕微鏡による迅速な発見と同定

日常的に異物分析や不良品解析を行う分析ラボでは、より小さな粒子を、より速く測定することが重視されます。Thermo Scientific Nicolet RaptIRおよびRaptIR+赤外顕微鏡は高品質な赤外スペクトルを提供します。

 

これらのリサーチグレードの赤外顕微鏡の利用により、微小サンプル、含有物、不純物、微粒子、物質の分布を、より高い精度で明確に特定することができます。また、扱いやすさを重視したユーザーインターフェースは、あらゆる赤外顕微鏡ユーザーへ、高度な柔軟性と操作性を提供します。Nicolet RaptIRシリーズ赤外顕微鏡は、さまざまな材料において、迅速で適切な結果をもたらします。

 

さらに、ユーザー交換可能な検出器により、アプリケーションの応用性を拡げ、測定波数範囲の拡張や、液体窒素レスの検出器が利用できます。Thermo Scientific Nicolet iS50 FT-IR分光光度計と組み合せれば、このシステムは、FT-Raman、TGA-IR、内蔵ATR、マルチレンジ解析を1台でこなすパワフルな解析ワークステーションになります。また、Nicolet iS20 FT-IR分光光度計と組み合わせることもできます。


Nicolet RaptIRシリーズ赤外顕微鏡の基本仕様比較

  Nicolet RaptIR+赤外顕微鏡Nicolet RaptIR赤外顕微鏡
可視空間分解能1 μm以下1 μm以下
赤外空間分解能5 μm以下5 μm以下
検出器交換可能、MCT-A、MCT-B、InGaAsなど固定式、MCT-A、MCT-Bなど
接続可能なFT-IR本体Nicolet iS50 FT-IR分光光度計

Nicolet iS20 FT-IR分光光度計
Nicolet iS50 FT-IR分光光度計
対物レンズ4倍、40倍対物レンズ(可視)、15倍ダイヤモンドターニング回折限界対物レンズ(可視・赤外)、高感度反射など4倍、40倍対物レンズ(可視)、15倍ダイヤモンドターニング回折限界対物レンズ(可視・赤外)、高感度反射など
偏光子自動偏光子、可視および赤外自動偏光子、可視および赤外

特長

Thermo scientific Nicolet RaptIRシリーズ赤外顕微鏡は、自動モザイク作成から赤外スペクトル測定まで、卓越した性能と共にシンプルな操作性を追求した装置で、いかなるスキルレベルのユーザーでも質の高い結果を得ることができます。

  • わずか90秒程度で複雑なサンプル上のターゲットを速やかに発見し、分析することが可能。
  •  回折限界対物レンズは、1 μm以下可視観察空間分解能、5μm以下の赤外空間分解能を提供し、高品質な赤外スペクトルを生成します。
  •  電動ノーズピース、オートフォーカス、自動LED照明、全自動回転式アパーチャーなどの機能により、使いやすく効率的でシームレスなシステムです。
  • 透過測定、反射測定、高感度反射測定、ATR測定が可能。また内蔵のATR圧力センサーにより確実なATRクリスタルの接触と安全性を提供します。
  •  オープンアクセスと高耐荷重ステージにより、厚さ40 mm、重量5 kgまでのサンプルが設置可能です。
  •  最大10スペクトル/秒の速度で測定が可能
  • Nicolet RaptIR+赤外顕微鏡は、検出器の選択肢や装置構成にフレキシビリティがあり、さまざまなアプリケーションに柔軟に対応します。

赤外顕微鏡と組み合わせて利用するFT-IR分光光度計本体

Nicolet RaptIRシリーズ赤外顕微鏡はFT-IR本体と接続して利用します。Thermo Scientific Nicolet iS50 FT-IR分光光度計と組み合わせれば、FT-Raman、TGA-IR、内蔵ダイヤモンドATR、マルチレンジ解析を1台でこなすパワフルな解析ワークステーションになります。それにより、固体、液体、ガス、微小物まで、あらゆるサンプル形状に関して、より迅速に赤外スペクトルを取得することができます。


赤外顕微鏡の機能

Nicolet RaptIR+/RaptIR赤外顕微鏡はどのようなアプリケーションにおいても常に正しい分析結果を取得できます。

厚さ40 mm、重さ5 kgまでのサンプルを、オープンアクセスかつ耐重量仕様のサンプルステージに搭載することができます。

高解像度のカメラと接眼レンズは鮮明な画像を提供し、フレキシブルなUIとスムーズなジョイスティックにより、とても自然でシームレスな操作性を実現します。

4x対物レンズと15x対物カセグレンを使うことで、サンプル全体を俯瞰した後に、速やかに細部へと焦点を合わせることができます。

優れた赤外顕微鏡の能力によって、これまでよりも早く、しかも広い範囲をカバーし、毎秒最大10スペクトルの速度、5 μm以下の空間分解能でサンプルを評価することができます。

64ビットオペレーションのParadigmソフトウエアとユーザーインターフェースにより、分析プロセス全体はシンプルで簡単なものとなります。

Nicolet RaptIR赤外顕微鏡は、データをさまざまな形式にカスタマイズできるので、最良の形式で関係者にレポートを送信することができます。

RaptIRシリーズ赤外顕微鏡は汎用性が高く、次のような幅広いアプリケーションに活用できます。

  • 異物分析、不良解析—ポリマーや電子材料、食品などにおける不純物や異物を素早く識別し、混入した粒子の発生源や原因を特定します。
  • 医薬品—コントロールドリリース製剤の検討時に、錠剤や層構造のサンプルに対し、高品質の赤外スペクトルを取得し成分分布を評価できます。
  • 環境分析—自動粒子解析機能により、広い視野で広範囲に及ぶマイクロプラスチック粒子を迅速に測定できます。
  • 美術品 — 絵画や古文書などで利用されている材質を検査し、その出どころに関する洞察を得て、保存活動の計画に利用します。
  • 法科学—布、繊維、紙に含まれる塗料、インク、染料、生体物質などの特定を通じて、証拠となる各種痕跡の解明や検証を行います。

OMNIC Paradigmソフトウエア

Thermo Scientific OMNIC Paradigmソフトウエアは、複雑なサンプルを素早くナビゲートして分析するフレキシビリティの高いユーザーインターフェースです。データ収集と管理にデータベース形式を採用し、広範囲なマッピングデータから、複数ポジションの赤外スペクトルまで、より安全なデータ管理が可能です。

 

Nicolet RaptIRシリーズ赤外顕微鏡の革新的な性能は、高機能なThermo Scientific OMNIC Paradigmソフトウエアによりサポートされます。このソフトウエアはユーザーに対し、ターゲットから必要な情報を抽出する方法について明確なガイダンスを提示します。また、適応性の高いユーザーインターフェース(UI)、データベースセキュリティ、フローティングツールバー、64ビットシステム、および簡単に構築可能なワークフローによって、データ収集から、分析シーケンスが自動化されます。

鮮明なサンプル可視観察画像

エポキシ樹脂に埋め込まれた10μmの微小物

繊維の高分解能分析

プラスチック表面上のインクの微細構造


医薬品測定における利点

錠剤中の成分分布

APIの分布に関する評価


法科学分析ラボで発揮されるパフォーマンス

鮮明な可視観察画像

自動車部品の分析

塗料片の分析


マイクロプラスチックの分析

自動粒子解析機能を利用したマイクロプラスチックの評価


ビデオ

扱いやすさを重視したユーザーインターフェースを実装したソフトウエアは、あらゆる赤外顕微鏡ユーザーに対して、高度な柔軟性と操作性を提供します。ワークフローの自動化機能に加え、1回の測定でサンプル上の測定箇所をマルチポイントで選択できるため、時間の節約とエラーの低減にも役立ちます。オートフォーカスと自動イルミネーションにより、迅速かつ簡単にデータを収集できます。微粒子分析のワークフローはフルカスタマイズが可能で、どなたでも簡単にサンプル測定からレポート作成が可能です。

 

下記のビデオでは、Nicolet RaptIRシリーズ赤外顕微鏡による、サンプル観察、赤外スペクトル測定、マッピング測定などの各種フローを簡単に紹介します。


Nicolet RaptIRシリーズ赤外顕微鏡に関するリソース