多様なアプリケーションに対応する柔軟性を考慮したデザイン


さまざまなアプリケーションにまたがる分析の課題を解決するには、適切なツールが必要です。サーモフィッシャーサイエンティフィックの長年にわたる信頼性の高い分光技術と、産業界KOL、そしてユーザーの知識と経験が融合し、幅広いニーズに対応する近赤外(NIR)アナライザーが開発されました。多様なアプリケーションに適合する分析計は、実験室環境のみならず、生産ライン、現場分析、原料の受け入れ試験などでもご使用いただけます。

 

これまでに当社装置が採用されてきた近赤外分光法のアプリケーションリストから、さまざまな業界における多くの事例をご覧いただけます。

 

近赤外(NIR)分光法による検査の利点:

  • 納品された原材料の品質確認
  • 工程のモニタリングおよび制御による生産性と収益性の最大化
  • お客様の製品が最終製品仕様に適合していることを確認
  • 薬品や消耗品のコストをかけることなく、多成分の同時分析を迅速に実施
  • 時間、コスト、分析リソースの節約

食品分析における近赤外分光法の活用例

フーリエ変換近赤外分光法(FT-NIR)は、原材料の同定や等級付け、加工モニタリング、最終製品のQAなど、バリューチェーン全体の農産物の品質モニタリングに最適な技術といえます。一般的な食品、飼料、飲料についての分析について一貫した製品品質を保証するためにThermo Scientific Antaris II近赤外アナライザーがどのように役立つかについて説明します。

 

以下のような具体的なアプリケーションがあります:

液体

  • 液体は、水分、タンパク質、脂肪、遊離脂肪酸、エタノール、密度、固体、有機酸、糖質プロファイル、およびその他の重要な成分について、NIRを使用することにより、他の主要な分析手法よりも迅速に測定することができます
  • サンプル調製が不要で、測定結果を1分以内に取得できます
  • アルコール飲料、液体甘味料、食用油、フルーツジュース、コーヒー、紅茶、ソフトドリンク、栄養剤などの主要パラメーターの測定に効果的なツールです

乳製品

  • 脂肪、水分、タンパク質、乳糖、カゼイン、全固形分、およびその他の重要な成分を迅速かつ正確に測定します
  • プロセス制御のためのチーズの脂肪分と乾燥物質分析は、代表的なアプリケーションの一つです
  • 分析対象の乳製品の例としては、牛乳、バター、カゼイン、チーズ、クリームチーズ、ヨーグルト、乳児用粉ミルク、粉乳、ホエイ粉末などがあります

加熱処理製品

  • タンパク質、水分、油分、粒子径、灰分、色、デンプンの損傷、水の吸水率に関する主要な品質結果が得られます
  • 原料、プロセス、および最終製品を分析します
  • 分析可能なサンプルの例としては、小麦粉、パン、ビスケット、ケーキミックス、朝食用シリアル、パスタ、スナック食品、生地、添加物、栄養成分のプレミックス製品などが挙げられます

医薬品分析における近赤外分光法の活用例

近赤外分光装置の導入は、医薬品の連続製造またはバッチ製造をサポートし、さらにあらゆるコンプライアンスニーズにも適合する分析ワークフローにより、高品質な製品の提供に役立ちます。


QCラボにおける最終製品の品質保証

非破壊測定技術を適用して、ハイスループット分析ができます。

 

プロセス分析技術(PAT)とプロセスモニタリング

PATの導入は工程中のリスクを最小限に抑え、コストを削減するのに役立ちます。

 

バイオプロセシング

バイオプロセスにおける上流および下流のオンライン分析ニーズに対応した柔軟なサンプリング手法を提供できます。

近赤外分光法で解決できる医薬品分析の課題

 

課題

近赤外分光法のソリューション

粉体および液体を直接分析できます。錠剤が均一にコーティングされておらず、API含有量のばらつきが予想以上に大きくなっています。大がかりで時間のかかる試験をせずに、錠剤やAPIの均一性を検証するにはどうすればよいでしょうか?

錠剤測定用オートサンプラーを搭載したAntaris II近赤外アナライザーを使用して、反射と透過の同時測定を行い、反射測定で錠剤コーティングの一貫性を評価し、さらに透過測定データからAPI含有量の均一性を定量化することができます。この非破壊測定技術により、錠剤を多検体測定し、不均一の根本となる原因を特定できます。

凍結乾燥した材料の色が保存中に変化しています。問題点を迅速に知るにはどうすればよいでしょうか?

積分球を搭載したAntaris II近赤外アナライザーを使用して、ガラス容器内の材料を直接測定するのこの方法により密閉容器を開封することなく、水分・力価・同一性・純度・安定性を測定できますので、包装材の安定性試験が迅速かつ容易に行えます。

バッチ製造時、中間製品にばらつきが見られます。このばらつきを最小限に抑えるにはどうすればよいでしょうか?

Antaris MX近赤外プロセスアナライザーは、プロセスの複数のポイントで連続的にインラインチェックを行い、リアルタイムで各サンプリングポイントの測定を行うことができます。これによりプロセスパラメーターを迅速に調整して、製品の歩留まりと一貫性を最適化し、バッチ不合格のリスクを低減できます。

押出成形(HME:溶融混練)による医薬品原薬は、常に許容限度値内に収まっています。不良品が出る前にAPIの均一性を確保するにはどうすればよいでしょうか?

押出成形機に光ファイバープローブを接続したAntaris MX近赤外アナライザーを用いて、APIやその他の成分の濃度を連続的に測定できます。この方法により、製品の一貫性を確保でき、高価な原料の無駄を防ぐことができます。

レギュラトリーコンプライアンスのサポート 


完全なシステム適格性を提供します
✓ 包括的なパッケージ
✓ 工場トレーサビリティー
✓ 認定取得サービスエンジニアによる対応

システムバリデーション
✓ 確実なバリデーション
✓ 完全なドキュメント化

21 CFR part 11対応ソフトウェア
✓ 電子記録管理
✓ 電子署名管理
✓ データセキュリティと監査証跡

オペレーショントレーニング
✓ 技術面とアプリケーションをサポート
✓ SOP(作業手順書)
✓ 完全なトレーニング記録

医薬品分析にフーリエ変換近赤外分光法(FT-NIR)が選ばれる理由は?

化学品およびポリマー分析における近赤外分光法の活用例

少ない労力でより多くのことを実現:品質管理ラボまたは生産現場において、Antarisシリーズの近赤外アナライザーを活用することで、生産性の向上、無駄の削減、製品品質の保証を実現します。

 

ポリマーの特性評価

サンプル調製や危険化学物質を使用することなく、ポリマーの特性評価やポリマー中の成分分析を迅速に行うことができます。

 

バイオ燃料の分析

インライン、オンライン、またはアットラインのサンプリング能力を利用して工程内の最適なモニタリングプロトコルを確立できます。