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観察の目的に対物レンズを合わせてください顕微鏡の対物レンズは、レンズおよび光学系が複雑に組み合わさって構成されており、観察の目的によって適する対物レンズは異なります。良い画像を取得できるかどうかは適切な対物レンズの選択にかかっています。 お客様の実験に適した倍率について、またお使いの対物レンズが空気、オイル、または他の液浸媒質と使用できるか見分ける方法についてご覧ください。 |
対物レンズは、顕微鏡に欠かせない部品であり、画像の品質に大きく影響します。対物レンズにはたくさんの情報が書き込まれていますが、そのほとんどは暗号のように見えます。でもご安心ください、これらは簡単に読み解くことができます。
図 1. 対物レンズに見られる一般的な表記とその意味です。
倍率 とは対物レンズによってもたらされる光学倍率です
倍率とは、対物レンズによってもたらされる光学倍率のことです。観察したいものによって選ぶ倍率は変わります。倍率の有効性は解像度に制限を受けます。ぼんやりした大きな光のかたまりをさらに拡大しても、よい画像にはなりません。異なる倍率で同程度の解像度を得られる場合、高倍率を用いるほど、小さいもの(細胞内のオルガネラなど)をよく見ることができます。一方、低倍率を使用すると、細胞の集まりまたは細胞間の相互作用など、広い視野の画像をより良く得ることができます。
図 2. 同じ細胞を異なる倍率で撮影した画像です。 各倍率によって得られる情報は異なり、実験に最適な倍率は、何を知りたいかによって決まります。
液浸媒質 とは、対物レンズとカバースリップ(あるいはサンプルを入れたディッシュまたはフラスコの底)の間に存在するもののことです。
対物レンズはそれぞれ特定の液浸媒質に合わせて設計されており、これは対物レンズに記されています。主な液浸媒質は、大気、オイル、および水です。空気対物レンズは、決してオイルまたは他の液体に浸さないでください。これをやると顕微鏡の管理者をカンカンに怒らせることになります!様々な浸漬媒質を用いる主な目的は、対物レンズとサンプル間の屈折率の違いを最小にすることです。これは、サンプルを載せた基材(カバースリップ)およびサンプルが存在するイメージング媒質(バッファー)を含みます。屈折率の差を最小化することで、画像の解像度を向上できます。
図 3. 対物レンズに合った液浸媒質の使用で、対物レンズとサンプル間の屈折率の違いを最小にすることができます。
光は、異なる物質の中を異なるスピードで進みます。光が、ある物質(例えば空気)から別の物質(例えば水)へ進む時、光は屈折します。光が曲がったように見えるのです。例えば、水が入ったグラスに鉛筆を入れた時、グラスの側面から見ると鉛筆が曲がったように見えます。 これは、空気の屈折率が水とは違うことが原因です。
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対物レンズの中に何枚の補正レンズが入っているかを様々な略語で示してあり、分解能を知る助けになります。補正レンズは、対物レンズの中を進むうちに曲がった光を補正して視野の周辺も中央と同じように明瞭に見えるようにしたり、異なる波長の光は対物レンズを進む間に異なる挙動をする点を補正したりします。
多くの場合、サンプルはカバースリップにマウントされています。最も一般的に使用されるカバースリップは#1.5という名称で、厚さ0.17 mmです。対物レンズに印刷されているカバーガラスの厚さの数字は、その対物レンズに最適なガラス製カバーガラス(またはプラスチック底のディッシュなど、サンプルが載っているあらゆるタイプの基材)の厚さを示しています。
対物レンズの中には作動距離が長いものがあり、その場合は様々な厚みのカバーガラスに対応して良好なイメージを取得できます。これは、プラスチック底のディッシュおよびT-75フラスコなど、ガラス底の容器よりも厚みのある容器を通してイメージを取得したい場合に特に有用です。最良のイメージング結果を得るため、長作動距離対物レンズ内のレンズは、厚みの違いに対応できるよう製作されています。
一部の対物レンズには補正環が付いています。補正環を回し、サンプルに接しているカバースリップの厚さと同じ数字に合わせることができます。しかし、すべての長作動距離対物レンズに補正環がついているわけではありません。
For Research Use Only. Not for use in diagnostic procedures.