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FIX & PERM® Cell Fixation & Permeabilization Kit は、細胞の形態的な散乱光特性に影響を与えず、穏やかに固定および透過処理します。細胞質酵素や核酵素、癌タンパク質、サイトカイン、イムノグロブリンなど、これまでは検出できなかった細胞内マーカーを、今日の研究現場で正確に同定します。

  • 大半の細胞内抗原の解析に対応
  • 細胞の形態的な散乱光に影響なし
  • バックグラウンド染色を低減
  • 実証済みのプロトコル

FIX & PERM® Cell Fixation & Permeabilization Kits について

FIX & PERM® Cell Fixation & Permeabilization Kit は、固定用試薬(Reagent A)と透過処理用試薬(Reagent B)の 2 つの試薬で 構成されています。 懸濁液中の細胞を Reagent A で処理した後、Reagent B で処理します。この手順により、抗体が細胞内構造に浸入するため、細胞の形態的な散乱光特性には影響を与えません。 これらの試薬は、バックグラウンド染色を抑え、透過処理試薬と蛍光標識抗体を同時に浸透させられるよう、組成を最適化しています。

FIX & PERM® 試薬は、フローサイトメトリーを使用したヒト生体サンプル(血液、骨髄液など)における正常または悪性の白血球集団の解析に最適です。

画像とデータ


FITC標識マウス抗ヒトミエロペルオキシダーゼ(MPO)抗体で染色した末梢血単核細胞。 典型的な前方散乱光(FSC)と側方散乱光(SSC)パターンおよび反応パターンが見られます。

FIX & PERM® Cell Fixation & Permeabilization Reagents は、浮遊液中の細胞を固定(Reagent A)および透過処理(Reagent B)するための試薬です。 この手順により、抗体が細胞内構造に浸入するため、細胞の形態的な散乱光特性に変化はありません。 また、独自の組成によりバックグラウンドの染色を低減し、透過処理試薬と蛍光標識抗体を同時に浸透させます。




2 日前に採取した全血を塩化アンモニウムで溶解。 細胞を、まず CD13-APC コンジュゲートで染色しました。 これを洗浄し、LIVE/DEAD® Fixable Near-IR Dead Cell Stain で染色した後、洗浄して FIX&PERM® Reagent A で固定化しました。次に細胞を洗浄し、FIX&PERM® Reagent B で透過処理した後、MPO-FITC コンジュゲートで染色して洗浄しました。 細胞は、BD™ LSRII フローサイトメーターを使用して解析しました。 生細胞をゲーティングしました(死細胞を除去するための標準的推奨法)。 また、精度をさらに高めるには、サブゲーティングを実施してください。


細胞表面の抗原用に抗ヒト CD3 モノクローナル抗体(クローン: S4.1)を、また細胞内検出用に抗ヒト/マウス ZAP-70 モノクローナル抗体(クローン: 1E7.2)を組み合わせ、健常ドナーの末梢血を染色しました。 細胞を FIX & PERM® Cell Fixation & Permeabilization Reagents で固定または透過処理しました。 このプロファイルは、リンパ球のゲートを示しています。

試薬選択ガイド

 製品  クラス サイズ Cat. No.
FIX & PERM® Fixation Medium A、バルク
GPR*
1 x 100 mL
GAS001S100
FIX & PERM® Permeabilization Medium B、バルク
GPR*
1 x 100 mL
GAS002S100
FIX & PERM® Fixation and Permeabilization Kit
GPR*
1 x 5 mLGAS003
FIX & PERM® Fixation and Permeabilization Kit
GPR*
4 x 5 mL
GAS004

*一般試薬

マーカーと細胞内タンパク質

FIX & PERM® Cell Fixation & Permeabilization Kit は、以下をはじめとする幅広いマーカーや細胞内タンパク質を効率的に検出します。

   
 リソソームタンパク質エラスターゼ、ラクトフェリン、リゾチーム、ミエロペルオキシダーゼ、プロテイナーゼ-3
細胞質 CD 分子CD3、CD13、CD22、CD62P、CD63、CD68、CD79a
核増殖マーカーBrdU、Ki-67、PCNA、核酵素、TdT
癌タンパク質Bcl-2、c-Myc、p53、HIV 抗原、p24
サイトカイン&ケモカイン(ヒト)
IFN-γ、TNF-α、IL1-β、IL-2、IL-4、IL-10、IL-12、IL-13、IL-16、RANTES
サイトカイン&ケモカイン(マウス)
IFN-γ、TNF-α、IL-2、IL-4、IL-5、IL-10、IL-12、IL-13、IL-16
イムノグロブリン(ヒト)
IgA、IgG、IgD、IgM、kappa、lambda
イムノグロブリン(マウス)IgG、IgM
その他の分子ZAP-70(Zeta-associated protein 70)、MHC クラス II、ホスホチロシン、トロンボスポンジン、サイクリン、トランスフェクト細胞、MDR(Multidrug resistance)

透過処理および染色プロトコル

FIX & PERM® Cell Fixation & Permeabilization Reagents は、市販のあらゆるフローサイトメーターで使用できるようデザインされています。 次に述べる FIX&PERM® 固定および透過処理用試薬を使用した細胞内染色の基本手順は、大半の抗原に最適です。 また、特定の細胞周期に現れる抗原(Ki-67 や PCNA)に FITC 標識抗体を使用する場合、予冷した無水メタノールを使用すると、より良好な結果が得られると報告されています。 しかし、R-PE標識抗体を使用する場合、メタノールの使用はお勧めできません。 この染色プロトコルは、細胞懸濁液を直接解析するためのものです。

FIX & PERM® Cell Fixation & Permeabilization Reagents を使用する前に他の溶解液を加えないでください。

FIX & PERM® Cell Fixation & Permeabilization Kit を使用した細胞内染色プロトコル
1. 各解析サンプル用の適切な 5 mL、12 x 75 mm チューブに、目標の細胞表面マーカー用の標識抗体または適切なアイソタイプコントロール、もしくはその両方を適量加えます。
2. 各チューブに、全血または調製細胞(刺激した PBMC、骨髄、脾臓、胸腺)を 100 μL(1 x 10 6 細胞に相当)分注します。
3. 慎重に各チューブをボルテックスして混合し、光を避けて室温で 15 分間インキュベートします。
4. Reagent A(固定用試薬)を 100 μL 加え、光を避けて室温で 15 分間インキュベートします。
5. 洗浄液(PBS + 0.1 % NaN 3 + 5 % FBS)3 mL で 1 回洗浄します。
6. 300 ~ 350 x g で 5 分間遠心分離し、上清を吸引して、細胞ペレットが完全に再懸濁されるまでボルテックスします。
7. Reagent B(透過処理用試薬)を 100 μL、および細胞内抗体またはこれに対応するアイソタイプコントロールを適量加えます。
8. 1 ~ 2 秒間ボルテックスし、光を避けて室温で 20 分間インキュベートします。
9. 洗浄液(PBS + 0.1 % NaN 3 + 5 % FBS)3 mL で 1 回洗浄します。
10. 300 ~ 350 x g で 5 分間遠心分離し、上清を吸引します。
11. シース液で細胞を再懸濁してすぐに解析するか、または 0.1 % パラホルムアルデヒド 0.5 mL で固定し、2 ~ 8 °C の暗所で保存します。 固定化した細胞は、18 時間以内に解析してください。

メタノールによる手順の変更
BrdU や Ki-67、PCNA といった特定の細胞周期に現れる抗原に FITC標識抗体を使用する場合、メタノールを使用する事をお勧めします。 しかし、R-PE標識抗体を使用する場合、この手順はお勧めできません。
1. 各解析サンプル用の適切な 5 mL、12 x 75 mm チューブに、調製細胞を 100 μL(1 x 10 6 細胞に相当)分注します。
2. Reagent A(固定用試薬)を 100 μL 加え、室温で 2 ~ 3 分間インキュベートします。
3. 予冷(0 ~ 4 °C)した無水メタノールを 4 mL 加え、ボルテックスします。
4. さらに、0 ~ 4 °C で 10 分間インキュベートします。
5. 300 ~ 350 x g で 5 分間遠心分離した後、洗浄液(PBS + 0.1 % NaN 3 + 5 % FBS)で洗浄します。
6. Reagent B(透過処理用試薬)を 100 μL、および細胞内抗体またはこれに対応するアイソタイプコントロールを適量加えます。
7. 低速で 1 ~ 2 秒間ボルテックスし、室温で 30 分間インキュベートします。
8. 洗浄液(PBS + 0.1 % NaN 3 + 5 % FBS)3 mL で 1 回洗浄します。
9. 300 ~ 350 x g で 5 分間遠心分離し、上清を吸引します。
10. シース液で細胞を再懸濁してすぐに解析するか、または 0.1 % パラホルムアルデヒド 0.5 mL で固定し、2 ~ 8 °C の暗所で保存します。 固定化した細胞は、18 時間以内に解析してください。

FIX & PERM® Cell Fixation & Permeabilization Reagents を使用したヒト全血の刺激と細胞内サイトカイン染色のプロトコル

最重要: 血液は、ヘパリンチューブに収集してください。

1. ヘパリン全血を 0.5 mL、スナップキャップ付きの 12 x 75 mm チューブ 2 本に分注します。
各チューブに RPMl 1640(添加剤なし)を 0.5 mL 加え、サンプル量を 1 mL としてください。
2. 片方のチューブにbrefeldin A(brefeldin A の原液 20 µL を 100 % EtOH に濃度 0.5 mg/mL で加え、–20 °C で保存)を 10 µg 加えます。 チューブの混合液を慎重に混合します。 このチューブのサンプルは、 静止期細胞集団です。
3. もう片方のチューブに、brefeldin A を 10 µg と PMA(PMA の原液 2.5 µL を DMSO に濃度 1 mg/mL で加え、1:100 の比率で RPMI(添加剤なし)に希釈し –20 °C で保存)を 25 ng、イオノマイシン(イオノマイシンの原液 1 µL を DMSO に濃度 1 mg/mL で加え、–20 °C で保存)を 1 µg 加えます。 チューブの混合液を慎重に混合します。 このチューブのサンプルは、 活性化細胞集団です。
4. 37 °C の 7.5 % 加湿 CO2 インキュベーターで 4 時間インキュベートします。
5. インキュベート終了時に各細胞を再度混合し、スナップキャップ付きの 12 x 75 mm チューブに 100 µL を分取します。
6. 適切な抗体を、フェノタイピングする細胞に 5 µL 加えます(細胞表面の染色)(たとえば、3 色染色アッセイでは CD3-TRI-COLOR® または CD4-TC、CD8-TC、CD45-TC、CD69-TC、2 色染色アッセイでは、FITC と RPE のどちらも使用できます)。
7. 遮光、室温で 15 分間インキュベートします。
8. FIX&PERM® Kit の Reagent A を 100 µL 加えます。細胞を慎重に混合し、遮光してさらに 15 分間室温でインキュベートします。
9. 洗浄液(PBS + 1 % BSA、0.1 % NaN 3、1 % FBS)で 2 回洗浄します。 2 回目の洗浄では細胞ペレットはあまり凝集しなくなるため、細胞が流失しないよう注意してください。
10. 洗浄後、それぞれの細胞に FIX&PERM® Kit の Reagent B を 100 µL、および各抗サイトカイン抗体またはアイソタイプコントロールを 1 ~ 10 µL 加えます。
11. 20 分間室温でインキュベートします。
12. 洗浄液で 2 回洗浄した後、ペレットを FACS Fix で再懸濁します。
13. SSC と FL-3 のプロットでゲーティングして解析します(3 または 4 色アッセイ)。

参考資料

Stahl M et al. (2009) CEA in activated macrophages. New diagnostic possibilities for tumor markers in early colorectal cancer. Anticancer Res 29(8):3245–3251. (Notch)

Vang KB et al. (2008) Roles of Pofut1 and O-Fucose in Mammalian Notch Signaling. J Biol Chem 283:13638–13651. (phosphor-STAT5)

LeibundGut-Landmann S et al. (2008) Stimulation of dendritic cells via the dectin-1/Syk pathway allows priming of cytotoxic T cell responses. Blood 112(13): 4971–4980.

Rosen HR et al. (2008) Pretransplantation CD56+ innate lymphocyte populations associated with severity of hepatitis C virus recurrence. Liver Transpl 14:31–40. (IFNy)

Basu S et al. (2008) Foxp3-mediated induction of Pim 2 allows human T regulatory cells to preferentially expand in rapamycin. J Immunol 180:5794–5798. (IL-2)

Libani IV (2008) Decreased differentiation of erythroid cells exacerbates ineffective erythropoiesis in β-thalassemia. Blood 112(3): 875-885. (phospho-JAK2)

El Shikh MEM et al. (2009) T-independent antibody responses to T-dependent antigens: a novel follicular dendritic cell-dependent activity. J Immunol 182: 3482-3491. (Phosphotyrosine)

Nieto WG et al. (2009) Increased frequency (12%) of circulating chronic lymphocytic leukemia–like B cell clones in healthy subjects using a highly sensitive multicolor flow cytometry approach. Blood 114(1):33–37.

Meyer zum Büschenfelde C et al. (2010) Recruitment of PKC-βII to lipid rafts mediates apoptosis-resistance in chronic lymphocytic leukemia expressing ZAP-70. Leukemia 24:141–152.

Resources

Fluorophore and reagent selection guide for flow cytometry

Download Flow Cytometry Protocols Handbook

Spectral Flow Cytometry Fundamentals

Invitrogen eBioscience Resources—Selection guides, Best Protocols, product performance and more.

Intracellular Staining for Flow Cytometry How-To Video—for detecting cytokines and intranuclear markers.

Flow Cytometry Learning Center—Access flow cytometry educational resources for better experiment planning and execution.

Flow Cytometry Panel Builder—Design your flow cytometry panel with this online tool for a simplified, customizable experience to fit your needs.

5 Steps Resources

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Flow Cytometry Panel Design Support—Work with one of our technical sales specialists to discuss your experimental needs and guide you through the process.

Flow Cytometry Protocols

Flow Cytometry Application Notes and Posters

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