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長い断片のクローニングは、従来の分子生物学試薬では限界があるなど、多くの理由から課題とされています。Invitrogen™ TOPO™ XL-2 Complete PCR Cloning Kit には、これらの限界を克服し、最長13 kbまでの長いPCR産物の正確、効率的、かつシンプルなクローニングを可能とするのに必要な全ての試薬が含まれます。新しい直鎖状のトポイソメラーゼI–活性化pCR™-XL-2-TOPO™ベクターを利用すると、わずか5分のベンチトップ反応で高いクローニング効率を達成できます。本ベクターは、Invitrogen™ Platinum™ SuperFi™ Green PCR Master Mixによって生成したハイフィデリティな平滑末端のPCR断片に対応します。
TOPO XL-2 Complete PCR Cloning Kitは、図2、3、および4に示されているように、非常に長いPCR断片のクローニングを最も高い効率で実現するように最適化されています。
図 2.TOPO XL-2 Complete PCR Cloning Kitは、幅広いさまざまなサイズのターゲット配列において、優れたクローニング効率を示します。TOPO XL-2クローニングキットを使用して、1 kb~13 kbのλゲノムDNA由来のPCR断片をクローニングしました。
図 3.TOPO XL-2クローニングキットは、TOPO XLキットよりも優れたクローニング効率を示します。それぞれのキットの推奨プロトコールに従い、7 kbのコントロールインサートをクローニングしました。
図 4.TOPO XL-2クローニングキットは、幅広いターゲットサイズにおいて、キットI(C社製)よりも優れたクローニング効率を示します。それぞれのキットに付属するマニュアルのプロトコールに従い、ヒトおよびλゲノムDNAターゲットをクローニングしました。クローニング効率は、クローニングされたターゲットの3 kb(ヒト)または~5 kb(λ)の領域を増幅する内部プライマーを使用するコロニーPCRによって決定しました。キットIに含まれるハイフィデリティポリメラーゼ酵素は、10 kbのヒトDNAターゲットを増幅できませんでした。(“インサートの配列の正確性および特異性を向上”の項目の図7のを参照してください。)
Platinum SuperFi DNA Polymeraseは、プルーフリーディング活性を有するDNAポリメラーゼです。優れたフィデリティと信頼性の高いInvitrogen™ Platinum™ホットスタートテクノロジーを組み合わせることで、PCRにおいて卓越した結果が得られるように設計されています。>Taqポリメラーゼの100倍以上のフィデリティを特徴とする本酵素は、TOPO XL-2 PCR Cloning Kit内のPlatinum SuperFi Green PCR Master Mixに含まれています。本製品は、クローニング、突然変異誘発、および長いDNA断片などの精度の高いシーケンスが必要とされるアプリケーションに最適です。
図5.Platinum SuperFi DNA Polymeraseは、優れたフィデリティを発揮します。数種類のDNAポリメラーゼの相対的フィデリティ値を比較しました。ポリメラーゼのフィデリティは、次世代シーケンサを用いて測定しました。PCRフリーのライブラリーシーケンスデータから、実験誤差のバックグラウンドレベルの推定を行いました。各ポリメラーゼのフィデリティは、Taq ポリメラーゼを基準に相対値を算出しました。
図 6.Platinum SuperFi DNA Polymeraseは、長いターゲットの増幅において、Invitrogen™ Elongase™ Enzyme Mixよりも高い特異性を示します。PCRサイクルパラメータ用の製造元のスタンダードに続いて、1 kb、3 kb、7 kb、10 kb、および13 kbの長さのλゲノムDNA ターゲットを増幅しました。Elongase Enzyme MixはTOPO XL PCR Cloning Kit用に推奨されます。また、Platinum SuperFi DNA PolymeraseはTOPO XL-2 Complete PCR Cloning Kitに付属しています。
PureLink™ Quick Gel Extraction and PCR Purification Combo Kitは、1つのキットでゲル抽出とPCR精製を迅速に行うことを可能とします。分離したDNA は、その後すぐにクローニングに使用できます。TOPO XL-2 Complete PCR Cloning Kit内にPureLinkキットが含まれることによってハンドリング操作が減少するため、全DNA収量が大幅に向上します。これは、非常に長いDNA断片を処理する際に大きな利点となります(図8)。
図 8.PureLink Quick Gel Extraction and PCR Purification Combo Kitでは、非常に大きい断片サイズにおいても、Invitrogen™ S.N.A.P.™ Gel Purification Kitより高い全DNA収量が得られます。Platinum SuperFi 2X Green Master Mixを用いて、さまざまなサイズのλDNAから増幅したPCR産物をゲル精製しました。PureLinkキット(TOPO XL-2キット付属)とS.N.A.P. キット(TOPO XLキット付属)について、各DNA断片サイズで同じ出発材料を使用し、ゲル精製の比較を行いました。精製プロトコールは、マニュアルの記載に従いました。全DNA収量を定量し、比較しました。グラフから、PureLinkキットで得られた収量は、S.N.A.P.キットで得られた収量より増加していることがわかります。
OmniMAX™ 2 T1Rコンピテントセルは、Invitrogen™ One Shot™フォーマットにおいて、あらゆるケミカルコンピテントE. coli細胞で最高の形質転換効率(> 5 x 109 形質転換体/µg pUC19)を提供します(図9)。OmniMAX 2 T1R細胞はE. coli K12株の制限システム(mcrA Δ(mrr hsdRMS mcrBC))を欠失しているため、汎用性が高く、高度にメチル化されたDNAについても効率的な形質転換を提供します。また、この菌株は、T1およびT5ファージ感染に対する耐性を与えるtonA 遺伝子型を有します。これにより、サンプルは保護され、実験室でのファージのコンタミネーションによるダウンタイムの可能性が最小限に抑えられます。
図 9.クローニングされたDNA断片からの形質転換で得られたコロニー形成単位(cfu)は、ケミカルコンピテントOmniMAX™ 2 T1R 細胞がTOP10細胞よりも高い値を示します。カナマイシンを含む選択培地をOmniMax 2 T1R細胞およびTOP10細胞、1 mM IPTGを含む選択培地をOmniMAX 2 T1R細胞に使用して、クローンを選択しました。10~12個の形質転換体をコロニーPCRで解析しました。
OmniMAX 2 T1R細胞を1 mM IPTGを添加した播種培地で培養すると、空ベクターを含む細胞に起因するバックグラウンドを低減でき、スクリーニングと選択を円滑に行えます。
Invitrogen™ SYBR™ Safe DNA Gel Stainは、推奨されるゲル染色です。本製品は、青色光を利用することで、UV光曝露によるダメージを排除し、最高の感度を提供します(図10)。エチジウムブロマイド(EtBr)は現在も高感度な染色剤ですが、その際に使用されるUV光はDNAにニックを生じ、クローニング効率を低下させる可能性があります。クリスタルバイオレット染色では、白色光を利用しているためDNAにダメージを与えませんが、感度は低くなります。
図 10.エチジウムブロマイド(EtBr)とSYBR Safe DNA Gel Stainはクリスタルバイオレットよりも高い感度を示します。 HML = High DNA Mass Ladder
For Research Use Only. Not for use in diagnostic procedures.