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一般的な哺乳類細胞には約10~11 pgのRNAが含まれ、その1~5%は、ポリ(A)RNAです。 残りのRNAの大部分はrRNA(全体の80~85%)およびtRNA等の低分子量RNA(全体の15~20%)です。 細胞中に存在するtotal RNAからmRNAを分離するために、Life Technologies社では幅広い種類のサンプルからのmRNAの精製を可能とする2種類の方法をご提供しています。 第1のオプションでは先ず従来からの方法によりtotal RNAを単離し、その後total RNAよりmRNAを濃縮します。 第2のオプションでは、細胞を溶解した後出発サンプルから直接mRNAを精製します。 この方法を実行するために使用されている3種類の特徴的なテクノロジーには、 オリゴ(dT)セルロース/スピンカラム、オリゴ(dT)/磁気ビーズおよびコーティングされたプレートが含まれています。 以下の情報およびリンクは、お客様に最適な方法およびテクノロジーの選択のお役に立ちます。
total RNAからの迅速なmRNA精製 | 精製の必要はありません。mRNAは未精製サンプルから直接単離されます。 | 極めて少量のサンプルからのmRNA抽出 mRNAの次世代シークエンシングに最適 | フレキシブルなシステムで、mRNAを直接単離またはtotal RNAから濃縮 | ハイスループットのmRNA直接単離またはtotal RNAからの濃縮 | |||||
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ベストセラー | |||||||||
調製時間 | 15 分 | 15 分 | 15 分 | 1 時間 | 1.5時間 | ||||
未精製サンプルからのmRNAの直接単離 | いいえ | はい | はい | はい | はい | ||||
total RNAからのmRNAの濃縮 | はい | いいえ | いいえ | はい | はい | ||||
スタートサンプル量 | 75μg以下のtotal RNA | 20×106以下の細胞 2~200 mgの動物組織 4~400 mgの植物組織 | 1×104以下の細胞 5 mg以下の植物または動物組織 | 1×108 以下の細胞 50 mgの植物または動物組織 2~400μgのtotal RNA | 100~1×106の細胞 4 mg以下の組織 40μLの全血 100 ng~100μgのtotal RNA | ||||
フォーマット | 純粋なtotal RNAからの迅速磁気ビーズ捕捉 | 未精製サンプルからの直接的な迅速磁気ビーズ捕捉 | 極めて少量のサンプルからの直接的な迅速磁気ビーズ捕捉 | 便利なアフィニティビーズスピンカラム (マグネットは必要ありません) | コーティングしたハイスループット用96ウェルプレート | ||||
ハイスループット対応可能 | いいえ | いいえ | いいえ | いいえ | はい | ||||
キットサイズ | 2 mLのオリゴdTビーズ | 5 mLまたは10 mLのオリゴdTビーズ | 2 mLのオリゴdTビーズ (mRNAの100調製に十分な量です) | 20 プレップ | 96または960調製 | ||||
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オリゴ(dT)セルロース/スピンカラム法
mRNA濃縮において問題となるrRNAのコンタミネーションの原因には、rRNAのオリゴ(dT)マトリックスへの非特異的吸着だけではなく、rRNAのメッセンジャーRNA(mRNA)への結合およびmRNAとの共精製も含まれています。 測定済みオリゴ(dT)セルロースに新開発の試薬が組み合わされ、さらに身近で使いやすいスピンカラムフォーマットのプロトコールへの改良が加わることにより、効率的なオリゴ(dT)選択を促進しながら、このような問題となる相互作用を最小限に抑えることが可能です。
Ambion® Poly(A)Purist™ KitおよびMicroPoly(A)Purist™ Kitには、この手法が取り入れられています。 その結果、mRNA選択工程が約2時間で完了し、濃縮度がより高くrRNAを含まないRNAを、通常1回の濃縮作業にて得ることが可能となります。 Poly(A)Purist™ Kitは、イオン強度の非常に低いバッファー中においてtotal RNAからポリ(A)RNAを選択するために最適化されています(未精製の細胞または組織の溶解物には使用することができません)。一方、MicroPoly(A)Purist™ Kitは、トータルRNA(および少量の組織または哺乳類細胞)を出発材料として使用することが可能で、独自の溶解ステップを含んでいます。
Life Technologies社のFastTrack® 2.0 mRNA Isolation Kitは、細胞または組織からmRNAを直接単離することを可能とし、精製されたtotal RNAからmRNAを濃縮することもできます。 Micro-FastTrack™ 2.0 mRNA Isolation Kitは、より少量の細胞または組織からmRNAを直接単離することを可能とし、より少量の精製されたtotal RNAからmRNAを濃縮することもできます。 いずれのプロトコールも2~3時間以内に完了し、超遠心分離またはグアニジン溶解の必要はありません。
オリゴ(dT)/磁気ビーズ捕捉法
カラムによるmRNAの精製法は信頼性のある方法ですが、多くのマニュアル操作を必要とするためより長い時間がかかり、スループットが低下します。 磁気ビーズとオリゴ(dT)をコンジュゲートさせることにより操作性および拡張性という利点が生じますが、この方法には磁気スタンドの使用が必要となります。
Ambion® Poly(A)Purist™ MAG Kitは、Poly(A)Purist™ Kitと同様のハイブリダイゼーションおよび洗浄溶液を使用しますが、磁気ビーズの使用によりさらに優れた簡便性、速度および拡張性が実現します。 通常プロトコールに必要な時間はわずか45分で、本キットにより8回の大量濃縮(最高1 mgのtotal RNAインプット)から80回の少量濃縮(わずか30μgのtotal RNAインプット)まで行うことが可能です。 本キットはPoly(A)Purist™ Kitと同様に、すでに精製されたtotal RNAからのみmRNAを濃縮します。
Dynabeads® mRNA Purification Kit for mRNA Purification from Total RNA Prepsは、精製されたtotal RNAから通常15分間以内でmRNAを濃縮します。わずか5μLの用量でmRNAをビーズから溶出することが可能で、また溶出せずにビーズ上で直接cDNA合成を行こともできるというフレキシビリティーが提供されます。
単一のキットでのサンプル溶解と濃縮を行うDynabeads®テクノロジーをご希望の場合には、Dynabeads® mRNA DIRECT™ Kitの使用により、様々な種類のサンプルの溶解および濃縮工程を15分間で実行することが可能となっています。 実際、このテクノロジーを使用することにより、単一細胞からmRNAを捕捉してcDNAライブラリを構築することが可能です。 このフレキシブルなフォーマットにより、スケールアップおよびスケールダウンを行うことが可能となり、わずか5μLでビーズからmRNAを溶出する、あるいは溶出を行わずにビーズ上で直接cDNA合成を行うというオプションも与えられます。 20回の標準的な単離には5 mLサイズが十分であり、40回の標準的な単離には10 mLサイズが十分です。
さらに少量のインプットをご使用の場合には、Dynabeads® mRNA DIRECT™ Micro Kitをお選びいただくと、他のDynabeads®キットと同様の柔軟な溶出方法を保持したまま、最高2.5×104までの単核細胞、最高1×104までの培養細胞、あるいは最高5 mgの組織(正確な量は組織によって異なります)から100回のmRNA単離を行うのに十分な試薬が含まれています。
Life Technologies社のFastTrack® MAG familyには、3種類のキットが含まれます。 12反応マイクロキット、6反応マキシキットおよび2×96ウェルプレートキットの3種類です。 すべてのバージョンのFastTrack® MAGキットは、溶解および濃縮の両方あるいは、オリゴ(dT)磁気ビーズ法による細胞、組織またはtotal RNAからの濃縮のみのいずれかをサポートします。 FastTrack® MAG Micro mRNA Isolation Kitは、より少量のインプット(50μg以下のtotal RNA、106以下の細胞および50 mg以下の組織)に最適化されており、一方FastTrack® MAG Maxi mRNA Isolation Kitは、より大量のインプット(2,000μg以下のtotal RNA、5×107以下の細胞および500 mg以下の組織)に対応します。 FastTrack® MAG 96 mRNA Isolation Kitは、オリゴ(dT)磁気ビーズをあらかじめ充填したセミスカート付き96ウェルのプレートを使用し、最高20 μgの精製したtotal RNAまたは1×105の細胞を処理します。 FastTrack® MAG Kitの全プロトコールは通常1~1.5時間で完了します。
細菌には、真核細胞のmRNAに見られる比較的安定なポリ(A)が欠損しています。 ごく最近まで、細菌からmRNAを単離することは実質的に不可能でした。 MICROBExpress™ Bacterial mRNA Isolation Kitは、新開発のテクノロジーを使用して、大腸菌およびその他の細菌種のトータルRNAから95%を超える16S rRNAおよび23S rRNAを除去します。 本キットは、幅広い種類のグラム陽性細菌およびグラム陰性細菌に関して、10μg以下の精製された細菌total RNAからmRNAを約2時間以内に濃縮するのに適しています。 MICROBExpress™ Kitを使用して単離したmRNAは、アレイ解析用のラベルしたcDNAの合成のための優れたテンプレートとなり、定量RT-PCR、ノーザンブロッティングおよびcDNAライブラリ構築への使用に理想的です。
最も特徴的なmRNA精製法では、特別に処理されたプレートを、細胞、組織、血液または精製されたtotal RNAからの溶解およびmRNA濃縮をするために最適化された試薬と組み合わせて活用しています。 mRNA Catcher™ PLUS製品は、独自の表面処理をした96ウェルプレートを使用して、簡便で自動化が容易なmRNA精製を促進します。 20-merのオリゴ(dT)にLocked Nucleic Acid (LNA)テクノロジーを取り入れることにより、特異性およびハイブリダイゼーション効率が向上し、また遠心分離、沈降および相分離ステップを全体のワークフローから除くことができます。
mRNA Catcher™ PLUS Kitは、100 ngから100μgのトータルRNA、100から106の哺乳類細胞、最高4 mgの組織および40μLの全血を処理することが可能です。 結合能力は80 ng/ウェルを超えています。 プロトコールには簡単な溶解、ハイブリダイゼーション、洗浄および溶出プロセスが含まれ、オープンフォーマットの液体処理システム上で完全に自動化することが可能で、開始から終了までに要する時間は約1.5時間です。 このシステムはさらに、mRNAを溶出するかまたは溶出を行わずにハイブリダイゼーションプレート中において直接cDNA合成を行うかを選択できるフレキシビリティーを備えています。
For Research Use Only. Not for use in diagnostic procedures.
For Research Use Only. Not for use in diagnostic procedures.