フロアタイプ遠心分離機の特長

遠心分離機は、マイクロリットルの容量からリットルのバッチ処理まで、ラボにおけるサンプル処理ワークフローの重要な一部です。血液バンキングや高度研究から産業用バイオプロセシングまで、さまざまなアプリケーションのニーズを満たすため、Thermo Scientific™フロアタイプ遠心分離機はスピードとパワー、容易な制御性を提供し、作業の円滑な遂行をサポートします。

選択ガイドを使用してフロアタイプ遠心分離機のモデルを比較

当社のフロアタイプ遠心分離機は、SARS-CoV-2の基礎研究およびワクチン研究において重要な役割を果たすことができます。機器とローターを効果的に組み合わせることで、遺伝子およびプロテオミクスアプリケーションからパイロットスケールのワクチン研究まで、あらゆるタスクに適した遠心分離機を選択できます。当社の産業用遠心分離機は、開発研究スケールのワクチン精製から商用ボリュームのバッチ処理まで対応可能です。

ローターの包括的な選択肢

Thermo Scientificフロアタイプ遠心分離機には、非常に多様なローターの選択肢を提供しています。スイングバケットローターには、血液処理およびバイオプロダクション用の柔軟な大容量オプションがあります。高性能の固定角ローターは、2 mLマイクロチューブから1 Lボトルまでのサンプルに対応します。さらに、連続フローおよびゾーン分離用のローターも提供しています。これらのローターは、ワクチンの精製や濃縮など、さまざまなバイオプロダクションアプリケーションでハイスループットの連続処理が可能です。 

 

高速遠心分離機用ローターはAuto-Lock™ローター交換システムを装備しているため、ローターの取り付けと取り外しを迅速かつ安全に行えます。生物学的封じ込めには、多くのローターがClickSeal™リッドを採用しており、遠心分離器、サンプル、およびオペレーターを保護します。 


革新的な素材

長寿命を実現するよう開発された独自のThermo Scientific™ Fiberlite™カーボンファイバーローターは、軽量でエネルギー効率に優れています。Fiberliteローターは大容量を遠心するのに最適で、従来の金属ローターと比べて非常に軽量です。

Thermo Scientific™ Fiberlite™カーボンファイバーローター 

革新的なFiberlite素材は耐腐食性と耐疲労性に優れているため、変形の可能性や、負荷を軽減する必要性を低減します。Fiberliteローターは15年保証付きです。


血液バンキングアプリケーションに適した大容量遠心分離機:効率的なスループットと容易な操作性

大容量遠心分離機は、ハイスループットの血液バンキングやバイオプロセシングのアプリケーションに最適なソリューションです。アプリケーションに合わせて、3つのモデルから選択できます。  

 

中スループットプロセシング(容量8☓550 mL)および高スループットプロセシング(容量16☓500 mL)モデルは、さまざまなスイングバケットローターに対応しているため、検証済みのプロトコルを用いて、血液バッグやボトルのさまざまな製品を処理できます。

 

また、低スループットモデルは、少量の血液処理やマイクロプレート処理、および研究実験を行うより小規模のラボのニーズに適しています。このモデルは、生化学、バイオテクノロジー、微生物学、製薬、および血液バンキングなどのアプリケーションに適したさまざまなローターに対応しています。

 

いずれのモデルを選択しても、信頼性が高くて使いやすいこれらの遠心分離機の性能、たとえば遠心の再現性を確保するために加速度の変動を相殺する遠心時間の自動調整や、遠心の安定性を確保する自動不均衡検出機能を得られます。

少量サンプル、高速処理

 

大容量遠心分離機は、ハイスループットの大容量処理が必要な血液バンクやラボのワークフローに最適です。一部のモデルには、高耐久性および水冷却式の製品があり、これらは汚染リスクを低減し、クリーニングを容易にします。これらのオプションは、GMP準拠を重視するラボに最適です。 


人間工学的な利点 


大容量遠心分離機は、人間工学的にも優れています。Auto-Door™の開口機構は、遠心分離機のドアを前から後ろへリリースし、オペレーターがドアに触れる必要はありません。Auto-Lid™の開口機構は、ローターのリッドを速やかにリリースし、遠心分離機のドアの内部に格納するため、スペース節約という利点も提供します。


使いやすく機能的なソフトウェア

 

当社の大容量遠心分離機のコントロールパネルは視認性と操作性に優れ、多くの高度機能を備えています。たとえば、血液処理用遠心分離機はThermo Scientific™ Centri-Cross™プログラムを採用し、他のThermo Scientificモデルの既存プロトコルを、当社の最新の大容量遠心分離機用に転換します。Thermo Scientifc™ Centri-Touch™インターフェースは、基本的な遠心分離の操作を最大限に簡素化します。重要な遠心条件を明瞭に表示します。オプションのソフトウェアアプリケーションを使用して、リアルタイムのモニタリングと制御、およびデータ収集が可能です。

Thermo Scientific™ Centri-Track™アプリケーションは、ユーザーのや遠心の情報およびエラーに関するオンボードログを提供し、ダウンロードも可能です。Thermo Scientific™ Cycle-Log™ソフトウェアは、ローターバケットの寿命をモニターし、安全性を高めます。オプションのThermo Scientific™ Centri-Log™ Plusソフトウェアは、遠心分離機の最適化や、標準操作手順やトレーサビリティへの準拠を確保するためのプロトコル追跡ソリューションで、血液バンキングにとって有用なアセットです。 


高速遠心分離機:革新的なテクノロジーと汎用性

Sorvall™ LYNX™シリーズ遠心分離機は、変化するニーズや複数のユーザーを有するラボに最適です。これらの高速遠心分離機は、ゲノミクス、分子生物学、ナノテクノロジー、ウイルス研究、医薬品開発などのアプリケーションに適しています。Sorvall LYNX 6000は100,605 x gのRCFと6 Lの容量を有するため、基礎研究からダウンストリームのバイオプロセシングのアプリケーションにおけるハイパフォーマンスソリューションです。さまざまな細胞下および細胞分離には、汎用のSorvall LYNX 4000をご検討ください。固定角、スイングバケット、および連続フローを含む合計19種のローターが提供されているため、のアプリケーションの柔軟性を実現します。 

Smart Vacuumシステム

 

LYNX 6000のSmart Vacuumシステムは、パフォーマンスと効率を最適化します。選択したローターに応じてローターチャンバーを部分的に減圧するため、遠心に必要な電力を低減します。LYNX 6000にはオプションでHEPAフィルターを追加できるため、より高レベルのバイオセーフティを得られます。


Auto-Lockローター交換 


プッシュボタン式Auto-Lock™ローター交換機能は、Sorvall LYNX高速遠心分離機用のほとんどのローターに装備されています。人間工学に基づいたスピードハンドルは、ローターのリッドのより安全な固定とより簡単な取り外しを可能にし、ローターの取り付けや取り外しを3秒で完了できます。

 

 

Auto-IDロータ―識別

 

Auto-ID™ローター識別は、初心者ユーザーにとっても操作をシンプルにします。ローターを取り付けると、システムがローターに関するパラメーターを自動的にロードするため、セットアップ時間を短縮し、エラーの可能性を最小限に抑えます。

操作性と接続性に優れたソフトウェア

 

LYNX遠心分離機のインタラクティブな高輝度タッチスクリーンは、複数言語の表示に対応しており、ユーザーが作成する最大120のプログラムを保存でき、遠距離からの視認性にも優れています。ログの記録やオペレーターへのレポートおよびデータの処理は、USBポートまたはイーサネット経由で実行でき、またGMPコンプライアンス支援用のCentri-Log Plusデータ管理ソフトウェアに接続することも可能です。最大限の柔軟性を確保するために用意されたオプションのThermo Scientific™ Centri-Vue™アプリケーションに接続することで、モバイルデバイスからのリアルタイムモニタリングが行えます。

超遠心分離機:卓越した速度とコンパクトなデザイン

Sorvall™ WX+超遠心分離機シリーズは小設置面積デザインであるため、ラボのスペースを最大限に活用できます。最高100,000 rpmの速度はラボのニーズを満たし、ゲノミクスからプロテオミクスまでのアプリケーションに高性能をを提供します。オープンローターシステムを採用しているため、他の主要メーカー製のほとんどの超高速ローターを使用でき、柔軟性が得られます。

 

Sorvall MTX/MX+マイクロ超遠心分離機シリーズは、100万x g以上の遠心が可能で、フロアタイプと卓上型の両方でコンパクトな設置面積に高度機能を備えています。動作時の音はわずか45 dBという静かさで、作業者はほとんど気を散らすことなく作業に集中できます。セルフロック式のローターシステムは、ローターのボルト固定を不要にし、確実な取り付けを確保します。 

 

軽量なFiberliteカーボンファイバーローターは、超遠心分離機の高汎用性オプションです。耐疲労性に優れたこれらのローターは、経時的に負担軽減する必要がありません。頑丈なチタン製ローターには、さまざまな角度とサイズがあるため、ざまざまなチューブに適合します。高密度グラジエント分離などの大容量ダウンストリーム処理には、連続フローおよびゾーン分けローターをご利用になれます。

確実なローターロック 


超遠心分離機のセルフロック式ローターシステムは、ローターをドライブシャフトに自動的に固定します。この革新的技術により、ローターを手動で固定する必要がなくなり、ローターの容易な取り付けと安全性の強化を実現できます。

視覚的なサンプル均衡化

 

自動チューブバランス補償は、視覚的なサンプルバランス調整を最高5 mmまで可能にすることで、サンプル調製の高速化をサポートし、安全かつ信頼性の高い遠心を実現します。 

トップローディング式のスイングバケットローター

 

SureSpin™ 632などの革新的なトップローディング式ローターはチタン製で使いやすく、バケットの取り付けミスに起因する問題を抑制します。これらのローターは1,000サイクルのバケット寿命を有しているため、多忙なラボにとって実用的かつ費用効果の高い選択肢です。

視認性に優れたカラーディスプレイ

 

フルカラーのグラフィックデスプレイは読み取りとナビゲーションが容易で、時間、速度、RCFなどの実行パラメーターの設定や制御を簡素化します。ローターの動作回数や総遠心時間を追跡することで、ローターの寿命を管理できます。オプションのLog Managerソフトウェアは、GMPおよびGLP準拠をサポートする追加機能を提供します。

バイオプロセシング用遠心分離機:拡張可能でハイスループット

高容量、ハイパフォーマンス

 

Sorvall BIOSシリーズの遠心分離機は、ワクチン、生物製剤、バイオ燃料、獣医薬、組換えタンパク質、および原材料などのバイオプロセシングアプリケーションをサポートします。これらの遠心分離機には、Auto-Lidローターストレージ、Auto-IDローター識別、ロード不均衡自動補正など、豊富な機能が装備されています。EcoSpin™ウインドシールド付きローターは、標準的なスイングバケットローターと比較して、消費電力を最大64%削減できます。

 

中スループットプロセシング(容量6☓1 L)および高スループットプロセシング(Sorvall BIOS 16では8☓2 L、Sorvall BIOS Aでは10☓1 L)のモデルがあります。さまざまなスイングバケットと固定角ローターに対応しており、検証済みのプロトコルを使用して、チューブ、バッグ、またはボトル中のさまざまな製品を処理できます。

 

BIOSシリーズは、プロセスを高度化します。視認性が高く、手袋を装着したままでも操作できるディスプレイを装備したCentri-Touchインターフェースを介して、プログラミング機能に簡単にアクセスできます。これらの遠心分離機はCentri-Trackログソフトウェアを内蔵しており、ユーザー、遠心条件、およびエラーメッセージを記録します。オプションのCentri-Log Plusソフトウェアは、遠心分離機の最適化や、標準操作手順やトレーサビリティへの準拠を確保するためのプロトコル追跡ソリューションです。  

低RCF要件の穏やかな分離には、4つのローターから選択できるBIOS 16遠心分離機をお選びください。ボトル容量は1 Lまたは2 Lを柔軟に選択できるため、既存のワークフローに適合します。BIOS 16遠心分離機と新しいThermo Scientific™ CentriPAK™ BPCシステムは、当社の最先端テクノロジーと革新的なシングルユースの滅菌済みクローズドシステムを組み合わせており、バイオプロセシング産業における細胞培養分離の安全性を向上させるよう設計されています。より高い分離効率が必要な場合は、BIOS A遠心分離機をお選びください。たとえば、このモデルはFiberlite F-10x1000 LEXローターにより、10 Lを最大12,000 x gで処理します。高い耐食性や耐疲労性など、当社のカーボンファイバーローターのすべての利点を提供し、15年間保証が付いています。


産業スケールの柔軟性

 

産業アプリケーションに適したCC40NXバイオプロセシング遠心分離機は、サンプルとデータの完全性を維持しながらナノサイズの粒子を分離し、最高圧力でもキャリーオーバーは発生しません。CC40NXでは、連続フローおよびバッチ操作のいずれにおいても、アプリケーションの直線的な拡張が可能です。大容量は利点の1つで、連続フローでは最大7.7 L、バッチ処理では8.0 Lに対応できます。容量1.6 LのCC40SNXモデルは、バイオ医薬品の研究開発、および少量生産に適しています。両モデルは、40,000 rpmの最高回転速度と、118,000 x gのRCFを提供します。

 

 

柔軟なCC40NX遠心分離機を使用して、ラボのプロセススケールを縮小または拡大できます。これにより、たとえば大規模プロセスを0.2 Lにまで縮小して小規模のプロセスを開発したり、ローターの中心部分を交換するだけでスケールアップできます。同じプロセスパラメーターを維持できます。


実用的な操作

 

CC40NXシリーズの遠心分離機は1つの30 A電源で稼働するため、別途のエアタービンコンプレッサーや排気システム、または外部冷却水ループは不要になり、設置場所やワークフローの柔軟性を提供します。この遠心分離機は、40,000 rpmで68 dBという静かで動作します。停電時は、バックアップシステムがモーターベアリングへのオイル供給を自動的に維持します。

 

マイクロコンピューターによる遠心分離機の制御や、遠心分離機のパラメーターのデジタル表示により、遠心を視覚的にモニターできます。自動エラー検出は、実用的な無人操作を可能にします。自己診断とエラーコードの提供により、問題が発生した際に容易に修正できます。オンボードCCManagerソフトウェアは、QCおよび準拠用にデータを収集します。


汎用性の高いアクセサリ

ローターバケット、アダプター、リッド

 

ローターやアプリケーションに適合したアクセサリーを使用することで、スループット、利便性、およびパフォーマンスを最大化できます。スイングバケットおよび固定角ローター用のさまざまな形状とサイズのアダプター、およびスイングバケットローター用の幅広いバケットから選択できます。生物学的封じ込め用に、ClickSeal™リッドは、多くのバケット形状や固定角ローターに合うようサイズ調整されています。


高速遠心分離機用ハイパフォーマンスボトル

 

Thermo Scientific™ Fiberlite™ボトルは、当社の高速遠心分離機の速度とRCFに適合するよう設計されており、細菌や酵母の分離、およびウイルス回収に最適です。ポリプロピレン共重合体およびポリカーボネート製の容量250 mL、500 mL、1,000 mLから選択できます。 


バイオプロセシング用BIOSボトル

 

Thermo Scientific™ 2 Lボトルは、当社のバイオプロセシング用遠心分離機で大量の回収を行う場合に最適なソリューションです。これらの半透明ポリプロピレン製ボトルを使用すると、スイングバケットローターで1回の遠心で最大16 Lを回収できます。